空蝉
掲載日:2026/04/24
穴を掘っては埋める。穴を掘っては埋める。穴を掘っては埋める。
掘っては埋める。寄せては返す波のように。天井を穴の開くほど見つめても、それは落ちてこなかった。うんざりするほど目に焼きついた色彩は何を言うでもなく消え失せていった。これからもそうなのだろう。きっと。
何かを言うためには何かを信じなくてはならない。たとえそれがどんなにちっぽけであっても、だ。そうでなければ自分の尻尾を追いかけ回す羽目になる。偉大な宣言も卑近な小言も大して変わり映えしなかった。それらは縦の線だった。では横の線は? 文言の長さ、長さと言うのは物理的な長さではない、は対象との距離によって決まるのではない。群。目。穴。
像。私が眺めていた像は誰にとっても像だった。それが真ならどんなに……どんなに素晴らしかったことだろう。像を保持することは別に難しくない。しかし、それはもう像の形を成していなかった。そう、だから掘っては埋め、掘っては埋めた。像。
物理的な、物理的な何かというのはおそらく、波なのだろう。何かの断面であり、像。私には縦の線しか見えなかった。いくら目を擦っても。それでも、像は波間に揺られていた。




