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第七話 作戦

護が学校に着き教室に入るなり考え込む


「うーん、やっぱり気のせいだったのかなぁ」


明が教室に入ってくる


「護、おはよう ってどうした?そんな顔して」


「いやぁ、昨日明とわかれたあと帰ってたら背後に視線感じてさ振り返っても誰もいなかったんだよね〜」


「気のせいだったんじゃないのか?」


護が後頭部に手を置き少し困った表情をする


「そう思いたいんだけど…やけに目力が強く感じて誰もいないなんて考えにくいというか…」


「ふーん? それはちょっと怖いな」

「まもくんが心配だよ!今度から家まで送ってあげようかな…?」


護が少し申し訳なさそうな表情をする


「僕… 過去に一度だけ夜道を歩いてたら背後に視線を感じて後ろを振り返ったの」

「そしたらやめたボクシングジムのコーチが僕の肩に手を置こうとしてて…だけど僕は反射的にカウンターを入れちゃってコーチを病院送りにさせたことがあるの…」


明がきょとんとしている


「は…?」


護は泣きそうな表情で訴える


「だから…相手を傷つけないか心配でさ! コーチはただ!僕をスカウトするのを諦めてなくて話しかけようとしてただけなのに! 僕はなんてことを! コーチは見事なカウンターだ…って言って許してくれたけど僕は自分を許せないよ!」


明が慌てて慰める


「まぁまぁ!夜道で急に後ろから肩叩かれたら誰でも驚くだろ! 護もわざとじゃないんだろ、驚いて反射的にやっちゃったことだから仕方がないって!」


「そ、そうかなぁ…」


「そうだよ!」

「前言撤回!!心配するのは相手の方だった!!」


護と明が会話を交わしてる中、瞬殺の天使こと神崎は作戦を地道に練っていた


「これなら有田君もおとせそうね」

「そして最後に天宮君をおとしてこの学校を完全制覇してやるわ」


休憩時間に入り護と明はトイレに行こうと廊下を歩く


「躰道っていうのが面白かったの?」


「うん、蹴りがなんか唯一無二というか〜」


明が恐る恐る聞く


「ちなみに何日でやめたんだ…?」


「えっとね、でも長かったよ?」


明が期待に満ちたような表情を見せる


「一年とか?!」


「いや、3日」


「なんで期待させんだよ!」


「何に期待してるの…」


護はふと前を向く、視界に広がるのは神崎の姿 慌てて明のほうを向こうとするが神崎の行動が目にとどまってしまう

神崎はニヤニヤしながら二人の様子を伺っている


「ふふ、作戦その1 ハンカチ落とし!」

「わざとハンカチを落として拾わせて私の愛の感謝で一目惚れ…我ながら完璧!」


そう、護が目にとどまったのは神崎がわざと落としたハンカチ


「ど、どうしよう…拾った方がいいのかな…でも蘭崎さんみたいな感じでは絶対いかない!」

「僕がもし拾ったら明の方がよかったってボソッと言われるかもしれない!それはいやだ!」

「よし、無視しよう!それでいい!でも…他の人が拾ったら…落し物としてめんどくさいことになるかもだし…他の男子の餌になるかも…それもそれで悪魔…間違えた、神崎さんが困る!もうどうすればいいんだ…」


護が必死に考えていると明はハンカチが目に入りそっと拾い上げ神崎に話しかける

護はただ呆然と状況を見つめる


「神崎さん、これ君の?」


神崎は振り返りとびきりの笑顔で応える


「うん、ありがと…!え」


神崎は明の姿を見るなり少し嫌な顔になるがすぐに笑顔に戻る


「どうしたの?」


「あ!うんうん!なんでもないよ!ありがと!」


神崎は一瞬護の方を見て立ち去る


「え、な、なんで僕のこと見たの…?いや、見てないよね…僕なんかみるわけないか…」


護は自分に言い聞かせ自己解決する 明は少し違和感を覚える


「うーん?さっき表情変だったような…気のせいか」


明は護のところに駆け寄る


「護、はやくトイレいこうぜ」


「うん、そうだね」


二人がトイレを済ませ休憩時間が終わり二時間目の授業がはじまる


「天宮くんが拾うとは誤算だったわね…」

「作戦その1が失敗するなんて人生で初めて!こんな屈辱…」


神崎がニヤリと笑う


「やりがいを感じるわ!作戦はまだまだある!今日でクリアする…!」


授業中、神崎は次の作戦を何にしようか考えていた 護が悪寒を感じる


「な、なんか嫌な感じが…」


二時間目の授業が終わりまた休憩時間に入る


「作戦その2 さりげなく香る女神!」

「有田君の横を通ってこの香水の匂いでハートを奪ってやる! なんてたってこの香水は私が今まで使ってきた中で一番成果を出してくれた品だから絶対いけるはず!」


護は授業道具を持って明と一緒に目的の教室へ移動していく 神崎は隠れながらタイミングを見計らっている


「3時間目が移動教室なのは把握済み!同じクラスの先輩に聞いたら何の疑いもなく答えてくれたからね!やっぱ私の可愛さにみんなチョロい」

「よし、こっちにきた」


護たちが近づいてくる


「今だ」


神崎は自然を装って護の横を通る 護の鼻の中に香水の香りが入っていき護は吐きそうになる


「うぅ…!」


明が異変に気づき心配する


「どうした!、護? 具合悪いのか…?」


神崎は護の思わぬ反応に動揺する


「え、わ、私の匂いに対して吐き気を催した…?そ、そんな訳ないよね…」


護は服の袖を鼻に覆う 必死に鼻の中の匂いを消そうとする


「ううん、大丈夫!」


匂いがおさまると腕をおろす


「変な匂いしてさ…ちょっと混乱しただけ!」


「そっか?ま、まさか俺の匂いじゃないよな?!」


護は困った表情をする


「えぇ?」


護は明に近づき明の胸元らへんを匂う


「あきらはいい匂いだよ?僕好きだよ」


「ほんとか、ならよかった」

「ち、近いまもくん!それにいい匂いだなんて!はぁよかった〜 もう一生この匂いにしておこう」


神崎は盗み聞きして絶望する


「へ、変な匂い… な、なんで!みんないい匂いって言ってたのに…」

「ふふっ…有田君…なかなか楽しませてくれるじゃない!」


3時間目の授業中


「護ってどんな匂いが好きなの?」


「こだわりはないけどいい匂いがする柔軟剤なら好きかな 香水は苦手で…苦いトラウマもあるし」


「そうなんだ」

「香水つけなくてよかった〜」


神崎が授業中、次の作戦を練っている


「愛の感謝に、女神の香り…この2つが失敗するなんて生まれて初めて…つまり有田君は一筋縄ではいかない」

「私が人肌脱ぐ時がくるとは…有田君はおとした後特別にいい待遇をしてあげるわ」


神崎は3時間目、4時間目の授業を使って一つの作戦をノートにまとめていた


「これなら…いける!」


4時間目が終わり昼休憩になる 神崎は遠くから本を読むフリをして護が教室から出るのを待っている

15分後 護が一人で教室から出てくる


「あれ?天宮くんがついてない…? でもこれはチャンスだわ!」


神崎は護のあとをついていく 護が向かった先は図書館、護が図書館に入った瞬間神崎がニヤリと笑う


「やっばり!有田君的に図書館に入ると思った!」


神崎も図書館へと入っていく


「作戦決行!作戦その3 本から始まる恋物語(ラブストーリー)!」

「とはいってもあまり目立たないようにしたい…さっきもそうだったけど周りの視線を常に感じる! このままだと作戦に集中できない」


神崎がスカートのポケットから伊達メガネとマスクを取り出し着用する


「この2つがあれば私だとバレまい」

「さらに!別人のような仕草をする!」


神崎はおどおどとした動きをしながら歩く


「さすが私…誰も見向きもしてない これなら100パーセント有田君をおとせるわ」


本棚から覗き護を見つめる


「よし、このへんでいっか」


神崎は護から少し離れたところで手に届かない本を取ろうと仕草をする


「んーっ!んーっ!」


背伸びをして震える手で本を取ろうとする


「ふふっ、これなら気づいてくれるでしょ」


護が本を取り椅子に座ろうと神崎のいる方に振り向く

すると護がすごく困った表情をする


「ん…?あの本を取ろうとしてるのかな…?」

「ま、まぁ僕なんかが取らなくても誰かが取ってくれるよね…」


護は数秒状況を見つめる


「な、なんで誰もこないの?!」

「ぜ、絶対おかしい!いつもならメガネかけた優しい人たちが本を読んでるはずなのに!」


護が焦りはじめる


「ど、どうしよう…本棚に挟まれて後ろは壁だし…一方通行だ!つまり助けざるおえない…」

「このまま無視して素通りしたら僕の印象が悪くなるし…有田護!覚悟を決めろ!」


神崎がチラチラ護の方を横目見る


「わ、私のこと見てるよね?気づいてないとかじゃないよね?」


護が神崎の方へと近づく 神崎は近づいたことに気づき少し口角を上げる


「あっ!きたきた! ふふっ」


護が死んだ顔で神崎の隣に寄ってきて神崎が取ろうとしていた本を取ろうと手を伸ばす


「僕臭くないかな…僕変じゃないかな…カッコつけてるとか思われてないかな…あぁ!はやく取ってこの場から離れたいよぉ!」


護は息を止めながら必死に取ろうとするがあることに気づき絶望する


「あぁ…僕の人生終わった…」


護が取ろうとしてる本は護の身長では届かない高さにあり護は背伸びしても取れない


「僕はここまでか…こんな恥初めてだ…ほんとに消えたい…消えたいよぉ!!」


護が本に届かないことに気づいた神崎は少し驚いている


「も、もしかして…と、届いてない…? どうしよう、予想外だわ… これじゃあ作戦が…にしても」


護は顔を赤くし必死に取ろうとしている


「か、可愛い…こんなに一生懸命なのに取れないなんて… って!わ、私がおとされそうになってる?!」

「そ、そんなことって…」


不意に神崎は護の顔を見てしまう


「顔が真っ赤だ…恥ずかしいのかな?か、可愛い… な、なんてことなの!いつもおとす側だったのに…私がおとされる側になるなんてありえない!こんなこと!」


もう一度、神崎は護を見てしまう


「や、やっぱり可愛い…」


護は必死に思考を働かせる


「な、なにか策は… あ!そうだ!飛べばいいんだ! 飛んだら届くはず!」


護が脚に力を入れて飛ぼうとした瞬間、頭上に誰かの手が現れる その手は取ろうとしていた本に触れる

護が後ろを振り返る


「え?!」


振り返った先には明が立っている


「よっ!護 この本を取りたかったの?」


「あ、あきら…?なんでここに 委員会のはずじゃ」


明が護に本を渡しながら口を開く


「そ、それがさ…神崎さんがいなくて探してたんだよ〜」


「そ、そうなんだ」


神崎は明が来た瞬間、護のそばから離れており隠れながら二人の話を盗み聞きしている


「そ、そうだった! 今日は美化委員の会議が… 作戦に夢中ですっかり忘れてた!」


神崎は伊達メガネとマスクを外しすぐに美化委員の会議室としている教室へ向かう


「てか護はなにしてんの?」


「あ、ぼ、僕はただ本を読もうと!」


「ふーん? にしても誰もいねぇな〜」


護が明の言葉に疑問を浮かべる


「え…?誰もいないってわけじゃ…」


護は神崎がいた位置を確認する


「あれ?!あ、あの人は…?」


「ん?どうした?」


護が泣きそうな顔で震えた声を発する


「あ、あきら…幽霊ってほんとにいるのかな…?」


「い、いるわけねぇだろ〜」

「怖がってるまもくん可愛い…ちょっと意地悪しようかな…」


「でもわかんねぇな、怨念をもってたら」


護が明に泣きつく


「あきらー! 僕怖いよ!幽霊無理…悪霊退散…南無阿弥陀仏…南無阿弥陀仏…」


「信じすぎだって!大丈夫だから」

「ちょっと意地悪しすぎちゃったかな…まぁまもくんが抱きついてきたしいっか!」


その後、護は一人が怖く明と一緒に教室へ戻ることに

明は護が教室に戻ったあと神崎を探すのを諦めて美化委員の会議室へ向かう


「結局神崎さんいませんでした〜 ってえ?!」


明は神崎を見て驚く


「神崎さんどこ行ってたの?!」


「ごめん、天宮くん お腹崩しちゃって…」


「あーね、じゃあはじめようか!」


美化委員の会議が終わり神崎とその他の美化委員が教室へ戻っていく


「はぁ〜、今日は図書室へいけなくて残念でござる…」


「そうでござるな、まぁ明日は必ずいくでござる!」


神崎はずっとさっきのことがフラッシュバックしている


「あ、あんな可愛い人見たことない… ど、どうしよう…手に入れたい… 有田君を私のものにしたい…これがおとされる側の気持ち… これはこれでいい気分…」


翌朝… 護と明が教室へと廊下を歩いている


「あれは…幽霊なのか… いや、そんなわけない…きっと明がカッコよすぎてその場から離れただけなんだ…そうに違いない…」


明が心配そうに護を見つめる


「大丈夫か〜?」

「これはどうにかして忘れさせないと…」


二人が話してると突然、護の顔に柔らかいなにが当たる


「え…?」









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