表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/6

第三話 勉強会

明がニヤニヤしている


「今日はまもくんと勉強会!はやく学校終わらないかなぁ」


護が明に話しかける


「あきらー?勉強会の件なんだけど…」


明が護を見つめる


「ん?どうした?」


明は心の中で慌てている


「え、もしかしてなしとか?そんなの絶対嫌だ 今日の楽しみがああああ!」


護が照れくさそうに明を見つめる


「どうせなら明の家に泊まっていいかな?」


明は思考が停止する


「へっ…?」


護が明の反応を見て焦る


「やっぱ無理だよね!ご、ごめんね 急に無茶…」


明がすぐに思考を動かす


「いや!全然いいよ 着替え持ってこいよ お風呂もご飯も用意するからさ」


護が笑顔になる


「え!ほんとう?やったー ありがとう明」


明は心の中で暴走する


「待って待って…まもくんと一緒にご飯食べて一緒に勉強して一緒に寝れるってこと?え?幸せすぎる」

「私明日死ぬのかな、いや死んでもいい神様ありがとう それにまもくんの寝顔が撮れる!なんならお風呂で盗撮なんかも えへへ…まぁ、じょ、冗談だけど」


護が明の表情に疑問を浮かべる


「ん?明どうしたんだろう 急に黙ちゃって」


明が素に戻る


「はっ!護楽しみだね じゃあ今日の夕方6時ぐらいに家来なよ」


急にお腹が痛くなる


「うん!あ…ちょっとトイレいってくるね」


「おっけー もし授業までに間に合わなかったら先生に言っておくよ」


「ありがとう」


護は教室を出てお腹を擦りながら廊下を歩く 護の教室は2階で1番奥の2年A組 A組から隣に繋がるようにBからEまで組の教室がある 2年E組の隣にトイレがありトイレの隣に実験室がある 実験室の外の廊下で女子たちが話している


「うん?うわ…1年がいる 移動教室だったのか しかもあれはギャルってやつ…? 」


ツインテールにピンク髪で薄い黄色の瞳 ギャルのような濃いメイク 蘭崎 愛花蝶(らんざきあげは) 明るい性格に誰とでも話せるコミニュケーション能力の高さそれにからかい上手でギャル好きを瞬殺する小悪魔 ついたあだ名は天照の蝶(アマテラスのちょう)


「か、関わりたくないなぁ… さっさとトイレに行こう」


護はトイレに行き数分後トイレから出てくる


「ふぅ、なんとか授業に間に合いそう…うわっ?!」


隣の女子トイレから蘭崎が出てくる 護は慌てて男子トイレに身を潜めて陰から覗く


「タイミングわるっ?!早く実験室にいってくれないかな…」


蘭崎はスカートのポケットからハンカチを取り出さそうとする ハンカチを取り出したと同時なにかが落ちる

落ちた瞬間を護は見ている


「あ、あれ なんか落ちた き、気づいてない…?」

「ひ、拾った方がいいのかな でも拾ったら…」


護は頭の中で想像する


「あ、あの!これ落としましたよ」


「はっ?キモ 触んなし 気分ガン下げなんですけど」


護は我に返る


「なんてことになったらどうしよう やっぱ拾わない方が…」

「にしてもすごい光ってるなぁ」


護は目を細める


「ゆ、指輪? しかも高級そう もし誰かが盗んだら大変なことになりそうだしあの人が悲しむ」


護は必死に考える


「でも…でも…いや、拾わない方が悪い気がする!もうキモいとか言われても知るもんか!」


護は走って指輪を拾い蘭崎に話しかける


「あ、あの!これ落としましたよ」


蘭崎は振り返り指輪を見つめる 護は蘭崎が振り返った瞬間恐怖で硬直してしまう


「こ、これ」


護は心臓がバクバクで今にもはち切れそう


「うちの指輪じゃん!サンキューパイセン!」


蘭崎が指輪を手に取る


「これ、ばあちゃんの形見でさホントにありがとう 恩人だよ!パイセンは」


護は声を絞り出す


「う、うん それじゃあ僕はこれで」


蘭崎が声をかける


「待って!パイセン」


蘭崎がニヤリと笑う


「パイセン、ご褒美になでなでしてあげるよ?」


護は困惑する


「え…?」

「こ、これ冗談なのかな 本気で受け止めちゃダメだ!罠…罠に違いない」


護は首を横に振る


「えー?パイセン変わってるね、うちのなでなで断るなんて 他のパイセンなら絶対に喜んでされるのに」

「下心無さそうだしなんか気に入っちゃった」


護が恐怖で震える その時チャイムが鳴る


「チャイム鳴ったからも、戻っていいかな」


蘭崎が頬を膨らませる


「だーめ、パイセンはうちになでなでされてから戻っていいよ」


護は蘭崎の言葉に絶望する


「い、いやだ!されたくない!なにが天照の蝶だ 暗黒の蛾の間違いだ!」

「え、遠慮しとくよ」


蘭崎が護を見つめる


「面白いね、パイセン でも逃がすつもりなんかないよ? うちを本気(マジ)にさせたからね」


蘭崎が護の頭に手をかけようとする 護の頭が勝手に動いて蘭崎の手を避ける


「よ、避けた? このやろぉ!パイセンなでなでさせろぉー!」


蘭崎は護の頭を狙って次々と手をかける だが護は拒絶反応で全て避ける


「はぁはぁ、パイセン早すぎ」


蘭崎は頭の中であることを思いつく


「あ、そうだ」


蘭崎は泣きそうな表情で護を見つめる


「パイセン、そんなにうちのことが嫌いなの?うちガン萎えなんですけど」


護は慌てる


「やばいやばい、ここで泣かせたら仲間にチクられて集団で陰口言われるに違いない!どうしようどうしよう」

「こ、これはもう諦めるしかないのかな 昨日はシャンプーとコンディショナーとヘアオイルもして髪は綺麗なはず…ドライヤーはしたし髪質も大丈夫なはず…」


護が口を開く


「そ、そこまで言うんならい、いいよ」


蘭崎が笑顔になる


「パイセン!じゃあなでなでするね」


蘭崎が護の頭に手をかけようとする

2年A組の教室にて数学の担任が困った顔をしている


「有田のやつ遅いなぁ おい、誰か見てきてくれないか?」


明がすぐに手を挙げる


「はい!俺がいきます!」


「おう、天宮頼んだぞ」


明は慌てて廊下に出る


「まもくんなにかあったのかな?!どうしよう…盲腸とか?もしかして大きな病気?まもくん!」


明は蘭崎と護を見つける


「あれは蘭崎?なんでまもくんの頭なでなでしようとしてんの?!」


明は猛ダッシュして2人に突撃する


「護!」


蘭崎の手が止まり二人は明の方を向く 護は明の姿を見て泣きそうになる


「あ、あきら?」


「なにやってんだよ?先生が心配してるから早く戻ろうぜ」


護は明の手を掴み教室に戻ろうとする


「う、うん!」


護と明はダッシュで教室に戻る 蘭崎はただ二人を見つめる


「ちょ、ちょっと!」

「あのパイセン、名前なんだろ いい匂いするあのふわふわの頭…今度は絶対撫でてやる」


蘭崎は指輪を握りスカートのポケットにおさめながら実験室に戻る

授業が終わり休憩時間に入る


「あ、あきら助かったよ」


「いいってことよ、今度から一緒にトイレいこうぜ」


「うん、ありがとう」


学校があっという間に終わり下校時間となる 護と明が門から出る


「今日の数学よくわかんなかったなぁ」


「ははっ、今日の勉強会で教えてあげるね」


「サンキュー!あと勉強終わったらゲームしようぜ」


「いいね!」


突然後ろから声がかかる


「パイセンー!」


聞き覚えのある声に慌てて護は振り返る 蘭崎が目の前に立っている


「やっぱあの時のパイセンだ!」


明が笑顔で蘭崎に話しかける


「護に何か用かな?」


蘭崎が明るく話す


「いやぁ、パイセンの名前聞きたくてさ!恩人だし!」


護が明の後ろに少し隠れて口を開く


「ぼ、僕の名前は有田護だよ」


蘭崎が笑顔になる


「まもるっちか!これからよろしくね!たまに教室に遊びにいっていい?」


明が怒りを抑える


「ま、まもるっち?!まもくんのことをそんな馴れ馴れしく呼びやがって このメスがぁ!」


護が困惑する


「え、えっと」


明が代弁する


「ご、ごめんね 護シャイでさ あと俺らの教室男子ばっかで蘭崎さんが来ちゃうと大騒ぎになっちゃうから困るっていうか」


護が高速で頷く


「そっか〜 じゃあ男子がいないときに遊ぼうね!じゃあ、まもるっちバイバイ!」


蘭崎が去っていく 護が明を見つめる


「あ、あきらホントにありがとう 僕怖くて」


明が笑顔で護の頭を撫でる


「嵐のように去っていったね」

「男子がいないときなんてないわ!まもくんのそばにはずっと私がいるんだから!」


護と明は別れる


「じゃあ6時にまた」


「おう、待ってるよ」


明は家に帰り自分の部屋を男子風にする


「下着は全部隠してっと まもくん用のお布団出して」

「よし、これで大丈夫 早くまもくんこないかなぁ」


6時になりピンポンが鳴る 明は急いで玄関に駆け寄り扉を開ける


「お邪魔します」


「どうぞ、上がって」


明と護は部屋に入る


「じゃあさっそく勉強しようか」


「そうだね、わからないところってどこかな?」


そこから明と護は勉強を数時間した後、ゲームをしたり一緒にご飯を食べたり楽しい1日を過ごした

護がお風呂から上がり着替える


「ふわぁ、眠いなぁ」


明がパジャマ姿の護を見つめる


「じゃあそろそろ寝るか!」

「パジャマ姿のまもくん、可愛すぎない?!思いっきり抱きしめたいんだけど!」


「そうだね」


二人は歯磨きをすませ二つの布団を隣同士で敷く


「あきらって布団なんだね」


「そうなんだよ、布団もいいぜ」


護は布団の中に入る


「確かに…ふわふわで気持ちいいね」


明が部屋の電気を消そうとする


「電気消すぞー」


「うん」


電気を消して明も布団の中に入る 数十分後…


「全然眠れない!まもくんが隣にいるとか眠れなくて当然!」


明が護の様子を見る


「まもくんは寝てるのかな?」


護はスヤスヤと眠っている


「爆睡してる…てか寝顔可愛すぎ!これは寝顔を撮らなければ!二度とないチャンスを逃すわけには…」


明が上半身を起こしスマホを探そうと辺りを見渡す


「えっと、スマホどこに置いたかな」


突然、明に柔らかい感触が伝わる 明は感触が伝わった方を振り返る


「え?!」


護が寝返りをうち明に抱き着いている


「ま、まもくん?え、やばい気絶しそう 私明日死ぬのかな」


護は気持ちよさそうに明に抱き着いている


「か、可愛い こんなの耐えきれないよ…まもくんの寝顔天使だし」


護が薄目を開ける


「あ、護!起きたの?」


明は護に声をかけるが護は様子がおかしい


「うぅん?ぬいぐるみが座ってる?これは抱きしめなくてはぁ」


護は完全に寝ぼけており明を抱きしめる 明は護の行動に顔が真っ赤に染まりパニック


「ぬいぐるみは抱きしめないとぉ」


「えええ!護?!どうしたの?」

「まもくんがハグしてきたぁ?!私の心臓が持たないって!寝ぼけてるまもくんってこんなに可愛いの?!」


護は明を抱きしめたまま寝てしまう


「あ、あれ、護?おーい」


「スヤスヤァ」


「まもくんに抱きしめられたまま?!こ、こんなの天国と言う以外になにがあるんだろう」


翌日… 護が目を覚ます


「ふわぁ、よく寝たぁ!って明?!どうしたの?」


明は幸せすぎて一睡もできずクマが出来ているが笑顔で昇天している


「だ、大丈夫 それよりまた勉強会しようぜ…」


困惑した表情で護は明を心配する


「う、うん?」


その日の学校、明は休憩時間爆睡するのであった














評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ