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第一話 過去

「なんで!なんで!なんでなんだよおおおおお!!」


僕の名前は有田護(ありたまもる) 男子校の高校を受験して見事合格!

クラスメイトはみんな良い人で毎日が幸せで仕方がない!

充実した1年を過ごしてまた充実する1年が始まる!

そう思った…なのに!なのに!

護の一年生の3分の1が終わった受験が始まる数カ月前…

母親が護に話しかける


「ねぇ護?」


「なに、母さん?」


「あんたの学校来年から共学になるらしいわよ」


護は母親の言った言葉が理解できない


「は…?ど、どういうこと…?」


母親はもう一度細かく説明する


「え、だから…来年から女の子が来るのよ〜」


護は母親の言葉を聞いて過去のことを思い出してしまう


数年前…


2人の女子中学生が会話している


「ねぇ、有田ってキモくない?」


「それな、オタクだしメガネだし」


「近づきたくないよね〜」


護が女子中学生の声を聞いて震える


「な、なんで…僕は何もしてないのに…」


次の日


先生がプリントを配る


「後ろに回せよ〜、1人1枚な」


護が後ろの女子にプリントを渡す


女子が小声で悪口を吐く


「うわ、キモっ」


護が困惑する


「え…?」


ここから徐々に女子からの嫌がらせがエスカレートしていき悪口や罵倒では収まらず暴力までふるってきた 護は先生に相談するが…先生たちは女子が暴力なんてふるうはずがないと護の話を信じなかった

数週間後 護が下校している

人目の少ない道に入っていく


「はぁ…最近女子からの嫌がらせが多すぎる…」


「僕が何したっていうんだ…」


護が突然肩をトントンと叩かれる

護が後ろを振り向く

振り向いた先には見知らぬガタイのいい男と同じクラスの女子が立っている

護が問いかける


「な、なんですか…?」


女子が笑いながら答える


「ははっ!ビビってやんの〜」


「お前さ〜?私の前の席の分際でキモいんだよ!」


「毎回プリント配られる時鳥肌立つんだわ!」


護は困惑する


「え、え…?」


女子が男に話しかける


「ねぇゆうきくん?やっちゃってよ〜」


男がニヤリと笑い、護に近づく


「お前さ?人の彼女に不快な思いさせてんじゃねぇよ!」


男が護の顔面を殴る


「ぐはっ!」


護が手をつき倒れる

男が大声をあげる


「二度と俺の彼女に近づくんじゃねぇぞ!」


女子が笑いながら罵倒する


「じゃあね〜、雑魚くぅん」


護は1人で涙を流す


「な、なんで…僕が…こんな目に…」


護は立ち上がり殴られた頬を手で抑えながらゆっくりと家まで歩く

家に入り自分の部屋でスマホの電源をつける


「僕の話を聞いてくれ…ひなた」


同じ学校で唯一信頼できて大好きな俺の彼女

彼女がいるから俺は頑張れるしこのクソみたいな日々を耐えられる

護はひなたにメッセージを送る

ひなたは護の話を聞いて慰めてあげる


「ひなた…よし、明日からまた頑張ろう!」


次の日

護が教室に入った時クラスの女子全員がざわついている


「ん?な、なんだ…?」


女子の一人が護に視線を向ける


「うわ、きたきた」


「え、マジじゃん」


「聞いてみようよ?」


3人の女子が護に近づいてくる

クスクスと笑いながら話しかける


「ねぇ有田、ひなたに泣きついてるって本当?」


護が驚愕する


「え、なんでそのことを…?」


女子たちが大笑いする


「えへっ、マジで何も知らないの?ウケるんだけど」


「みんなに拡散されてるのに呑気だよね」


「超ウケるんですけど」


護が問いかける


「ど、どういうことだよ!」


1人の女子があきれた顔で答える


「はぁ…本当に鈍い奴」


「ひなたが全部私たち女子全員に送ってきたの〜めっちゃキモいやつが泣きついてくるんだけどって」


護が絶望する


「え…?」


女子が話を続ける


「ひなた、めっちゃ嫌がってたよ?ここまでキモくて面白い男はいない〜って」


「私らも引いたわ、お前のメッセージ まぁ面白かったけど」


護が泣きながら問いかける


「う、嘘だ…」


「じゃあ…今までの僕とひなたのやりとりはなんだったんだ…」


女子が笑いながら答える


「ただの暇つぶしだよぉ?」


護は教室をダッシュで出ていく


廊下を泣きながら走っていると目の前にひなたが現れる


「ひ、ひなた…?」


ひなたは嫌そうな顔で護を睨みつける


「護じゃん、どう?今の気分は」


護が必死に問い詰める


「どういうことなんだよ!ひなた!ぼ、僕が何したっていうんだ!」


ひなたは呆れた顔をしてため息を吐く


「はぁ…何もしてないしただただあなたのことが好きじゃなかっただけ」


「付き合った目的はあなたのメッセージがキモくて面白くて友達話すネタになったから」


護はひなたの言葉を疑う


「嘘だと言ってくれよ…あの笑顔はなんだったんだよ!」


ひなたがニヤリと笑う


「ごめんねぇ、私女優並みの演技力なんだぁ」


「まぁ、ってことで護くんバイバイ!」


護は泣きながらひなたの横を通り過ぎ保健室に走る

護は保健室の先生に体調不良を訴え早退した

そこから…護は一時不登校となり両親と話し合い転校することとなった

だが…度重なる女子からの嫌がらせのせいで護の被害妄想は極限を達していた


転校先では


「あの女子たち僕の悪口を言っているのか…?」


「あの女子たちはなんで今笑ったんだ?」


「僕がそんなに…醜いのか…?」


「はぁ…はぁ…どこもかしこも女子だらけだ…」


護がズボンのポケットからハンカチを落とす

1人の女子が話しかける


「あ、あの…?落としましたよ」


護が女子の方を振り向く

その時護から見た女子は悪魔そのものでトラウマを蘇らせた

心臓が激しくなり呼吸が荒くなる


「はぁ…はぁ…あ…」


護はその場で意識を失って倒れてしまう

その後病院で女性恐怖症と診断された


両親と教師らで話し合い男子校に転校となった


「女子がいないってこんなに気持ちがいいんだ…」


「周りは女子がほしいとか彼女がほしいとか言ってるけど僕はそんなこと絶対に思わない」


そして無事中学校を卒業し男子校の高校に受験したのであった


現在…


「嘘だと言ってくれぇぇぇぇ!!!」


「なんで女子がくるんだ!!」


母親が護を落ち着かせようとする


「学年が違うから会わないわよ」


「それにあなた帰宅部だしまっすぐ帰れば大丈夫よ」


護は自分を落ち着かせる


「そ、そうだよね…俺帰宅部だし学年も違うし」


「大丈夫だ!俺!」


数カ月後…


入学式が始まり1年生が2、3年生に宣誓をする

その時護はおろか2、3年生全員がびっくりする

男子たちの視界に映っていたのは全員美少女の1年生!


「う、うそだろ!1年生全員女子だぜ?!」


「みんなレベル高すぎだし可愛すぎだろ!」


「絶対彼女作るぞー!」


男子たちは天国がきたとみんな喜んでいるが一方護は心の中で大暴れしていた


「おえっ…な、なんだよあれ…1年生全員が女子ってどういうことだよ!」


「ざっと200人はいる…正に地獄だ!」


護は瞬時に下を向き時間が経つのを必死に待っている

護以外の男子は全員、女子たちをずっと見ていた

入学式が終わりクラスは女子の話で持ちきりだった

護は安堵していた


「はぁ…やっと終わった…」


「早く帰りたいな…」


突然クラスの男子たちが廊下の方を一斉に向く

なんと1年生の女子たちが教師つづき学校案内をされながら廊下を歩いている

男子たちは女子たちをただただ眺めている

すると女子たちは男子たち向かって優しく手を振る

男子たちは興奮しながら手を振り返す


「うおおおおお!!」


「最高かよ!一人一人が女神だ!」


「神様ありがとうございます!」


護は下を向いている


「あ、あれは悪魔だ…」


「どうせ男子たちからの好感度を上げて騙したり裏切ったりする準備を積んでいるんだ!そうに違いない…」


手を振ってる女子の中の1人、水色髪で綺麗な水色の瞳の神崎美亜(かんざきみあ)が異変気づく


「うん?あの子ずっと下向いてるけど…体調でも悪いのかな…?」


護が一瞬廊下を見る

そしてと目が合ってしまう

目が合った瞬間美亜は笑顔を見せる

護が慌てて下を向く


「悪魔の笑みだ!絶対に見ちゃいけない…見ちゃいけない…」


美亜が困惑する…そして中学校のモテモテな記憶から一つの結論に至ってしまう


「あれ、も、もしかしてあの子も私に惚れちゃった…?」


ここから僕の地獄が幕を開けるんだ…





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