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物語の小説化の技法  作者: 種田和孝
第二章 基本中の基本
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この章に関して

 未刊であろうと既刊であろうと、多くの作品は冒頭の一部しか読んでもらえません。その理由は以下の二つです。

 その一。そもそも小説と呼ぶ水準に達していない。これは深刻です。第一章第一節で述べた良し悪しの境界を越えていないのです。

 その二。良し悪しの境界を越えてはいるが、読者の好みに合わない。これは仕方がありません。むしろ当然のことと思わなければなりません。本屋で本を選ぶ際、本を手に取り、冒頭の一部を読み、興味の湧かない本は棚に戻す。私はそうしますし、皆さんも同じはずです。実際に買うのは、手に取った数十冊の内の一冊程度。場合によっては全く買わないこともある。世の中はそんなものです。

 第一章第一節で、良い作品を良いと見抜くのは難しいと書きました。つまり、個々の作品の存在意義に関しては、判断が難しいのです。小説の水準に達していないものに関しては、世に評価を問うとの意味においては、さすがにそれはまずいと言わざるを得ません。それ以外の作品に関しては、たとえ閲覧数が少なかったとしても、いきなり作品の価値を疑って深刻に思い悩んではいけません。

 ただし、一つだけ良く理解しておいた方が良いことがあります。他人の作品は正しく評価できても、自分の作品は正しく評価できない。プロも含めて、皆さんも含めて、私も含めて、間違いなく全員に当てはまる事実です。作者は自身の作品の内容を、その作品が出来上がる前から知っています。つまり原理的に、作者は決して初見の読者の立場に立てないのです。

 自分にとっては珠玉の一品、他人から見れば穴だらけの欠陥品。作品を公開して読者に読んでもらう以上、そうならないよう、この章で解説する基本中の基本を身に着ける努力だけはしっかりと行ないましょう。


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