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 (るい)は夢の中にいた。

 その夢は(るい)にとって懐かしい思い出の夢だった。

 紅に染まった公園は砂場とブランコしか無く、そのブランコを一人の少年が心不乱に立ち漕していると、一人の小さな女の子が両手を体の後ろに隠して一目散に少年の元に向かって駆けてくる。それを見た少年はブランコを止め、ブランコに腰掛けた。

 赤色に染まった長い髪の毛の小さな女の子はとても嬉しそうに満面の笑みで言う。

「るぅい。元気? 私は元気だよ。そしてハッピーです」

 少年は漕いでいたブランコを止めて、女の子とは対照的に少しうんざりした表情で言う。

「さっきまで元気だったけど、変にテンションが高い人に声を掛けられたせいで、元気が吸い取れました」

 女の子は少年の言葉を全く無視して続ける。

「フフフ。何故こんなにハッピーなのか気になってるでしょ。 なってますね。 教えて欲しいでしょ」

 少年が何か言おうとしたのを女の子は遮って、後ろに隠していた手を顔に突きつけて、満面の笑みをさらに笑顔にして笑った。

「じゃーん! 新しいお人形を買ってもらったのです」

 女の子の手には可愛らしい人形が大事そうに握られていた。

「へぇー。良かったね」

「反応薄いよ! もっと喜んでください。しかし、その反応も予想のうちだ! 君には特別な権利をあげましょう。 これで嬉しさ満点だ」

「……いらない」

「その権利とは! このお人形に名前を付けさせてあげますさぁ 名前を言ってください」

「じゃあ。好乃々(このの)

 紅く光った髪の毛の少女は少し驚き、嬉しそうに笑った。

「いい名前ね。ありがとう。大事にするわ」

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