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僕とブリギッドのことを色々話す

「サシャは僕とブリギッドの間に座ろうね。ね、ブリギッド。そちらの方がいいよね?」

「うん。サシャはとっても綺麗で可愛いから、私とウルリカの間に収まることを許可してあげるわ」




 ゆっくり皆で話すことになったので、僕とブリギッドでサシャをはさんで会話をすることにする。



 親友であるブリギッドがサシャのことを気に入ってくれて僕は大変ご機嫌である。



 サシャは僕とブリギッドに言われるがままに間に座った。

 あ、でもこれだとユエバードが仲間はずれかな?





「ユエバードもこっちくる?」

「いえ、流石にソファに四人で座るのは狭いので、私はこちらで構いません。それにしてもサシャ様が愛らしいお二人に挟まれているのは面白いものですね」



 ユエバードはそんなことを言いながら、くすくすと笑っている。



「笑うでない!」

「笑いますよ。サシャ様はどちらかというと可愛らしい方々には怖れられるものでしょう? それが綺麗だとか可愛いだとか言われてはさまれているなんて面白い状況です」




 そんな風に言われて僕は不思議な気持ちになった。



「サシャって怖がられているの?」

「そうですよ。サシャ様はそれはもう敵に容赦のない方ですからね。ウルリカ様たちが想像がつかないような残酷なことだって行っています」

「ふぅん。でもサシャがそういう風なことを行っていることと、サシャ自身が可愛い女の子だってことは別物だと思うけどなぁ」




 サシャが例えばそれだけ恐ろしいことを行っていたところで、だからってサシャが可愛い女の子ではないというのには結びつかない。そういう容赦のない面も含めてサシャって女の子だと思うし。




「私はサシャ様に好意的なウルリカ様とブリギッド様が、いずれサシャ様をおそれないかという点は心配しております」

「僕が? 僕はそんな風には思わないよ。そもそも聖人である僕を傷つけられる人なんていないしね。ブリギッドもいるし」

「ウルリカを傷つける人は私が許さないから大丈夫。サシャがどれだけ力が強くても問題ないわ」




 ユエバードはサシャのことを本当に大切に思っているのだなとは思う。だからこそ僕たちがいずれサシャを怖がったら、サシャが悲しむだろうなと心配しているのだろうなと思う。

 僕はそんな風に心配しているユエバードのことも好きだなって思う。だって凄くいい人だよね? サシャのことを思いやっていて、うん、僕、そういう関係好き。




「聖人や守護精霊とはそれだけ力を持つのか? 我が本気で向かってもどうしようもないぐらいということか?」

「多分大丈夫だよ。聖人としての力で障壁みたいなのを張ることが出来るんだよ。僕のそれを破れる人ってあんまりいないんじゃないかなーっては思っているけど。まぁ、実戦に立ったことないから分からないけどね」

「私は精霊だから人に負ける気はないよ。ウルリカに敵対する人は全員許さない」




 サシャがどれだけ力強いかは、その魔力から察することが出来る。多分、物凄くサシャは強いと思う。でもどれだけ強かったとしても僕を傷つけられるかといえばそうではないと思う。僕の傍にはブリギッドもいるし、難しいんじゃないかな。

 というか、そもそもサシャが本気で僕に何かをするとは思えないし、そういう心配って何も要らないと思うけれど。




「それは興味深いな。ちょっと試してもいいか?」

「サシャが試したいならいいよ。ブリギッドもいい?」

「もちろん。私もサシャがどれくらい力を持っているか確認したいもの!」




 サシャは僕やブリギッドに対して凄く興味津々みたい。でも僕も綺麗で可愛いサシャがどのくらい強いのかって気になるなぁ。



 ヴァリマリラ帝国の女帝であるサシャのことは噂ではずっと知っていたけれど、確かにその中では恐ろしいだとかそんな風に言われていた気がする。

 逆らわない方がいいだとか、とても強いからこそ結婚など出来ないのではないかとか。そういう噂を流している人たちって本当に見る目がないよね?



 僕たちは一緒にサシャがいつも鍛錬をしているという場所に向かうことにする。



 サシャって女帝として、書類仕事などの内政も一生懸命やっているけれど、体を鍛えることもかかさずやっているみたい。凄く努力をしているんだなって尊敬する。

 内政も、戦うことも才能が重要だったりもするのかもしれないけれど、結局それも頑張らなきゃ磨かれないものだと思う。だから、これだけ結果を出しているサシャって凄く頑張っているんだろうなって思う。




「ブリギッドはそんなにサシャの力を確認したいの?」

「だってウルリカを守れるだけの力があるか確認するのは重要だわ」

「僕、自分のことは自分でも守れるよ?」

「それでもよ。ウルリカのことを欲しいって人は沢山いるから、守り手が多い方が私は安心だもの」



 ブリギッドと横並びで歩きながらそんな会話を交わす。



 ブリギッドは僕のことを大切に思っているからこそ、何かあった時のことを考えているのだなと思う。




 でも確かにまだブリギッドはこの国に来たばかりだから、力が整えられてないもんね。ルズノビア王国にはブリギッドは長期間居たから、その分あの国では動きやすかったはずだから。

この国でブリギッドが動きやすいようにサシャに色々頼まないとなと、歩きながら僕は思うのだった。



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