第八話 こんにちは、俺はお兄さんだよ
俺は村長との話を終えると、羅夢を探しに村の中を散策することにした。
村の中を改めてみてみると一軒一軒の家の造りや、大きさが違うのが分かる。
右を見れば、そこら辺の石を積んでセメントか何かで固めた様な、温かみは感じられない家。
左を見れば、丸太などを積んで作ったような、たまにある金持ちの別荘みたいな家。
奥を見れば、それこそアニメで見るような、綺麗な板などで造られた家。
後ろを見れば、テントの様に、葉を重ねて作ったような原始的な家。
ふむ、中々風情のある、、、気がする。
俺は特にこういう場所に浪漫を感じるような性格では無いので、思う事は無いが、それでも、此処がいい場所だと言う事は直ぐに解る。
子供があんな風に無邪気に遊べるのは、いい場所でなければ出来ないからな。
「でもって、、、羅夢はどこに行ったかな?」
俺は辺りを見渡して探すが、何処にも姿は見当たらない。
早く見つけなければ、上裸の変態でしかないぞ、俺。
道行く人にヤバい奴を見る目で見られる。
たまに何か、逆にヤバい雰囲気を感じる視線を食らう事もあるが、そう言うのは無視だ。
「わー! らむねーのおとこだー!!」
「なんでひとりなんだー?」
「すてられたのかー?」
此奴ら、イラっとするな、、、。
いや、てか、なんで俺は羅夢と付き合って振られてる事になってんだ?
「あのなあ、、、ん? さっきもう一人いなかったか?」
俺は間違いを正そうと思い口を開くが、先程までいた筈の、少女らしき人物がいない事に気づく。
すると口々に声を揃えて言い始める。
「なんかー」
「らむねーがいたっていいながら」
「むらのそといっちゃったー」
、、、確か、羅夢は着替えを取りに行くと言っていた筈だから、外にはいくはずはない、、、。
という事は、、、魔物か?
「、、、どっちに行った?」
「「「あっちー」」」
俺が質問をすると、口をそろえてそう言いながら同じ方向を指さす。
俺から見て右側だ。
その先には背の高い草が生えていた。
俺は直ぐにその方に駆ける。
この世界にまだ慣れていないため、魔物にそう言った種がいるかもわからないが、もし違ったとしても羅夢を探していた身としては、事件もなく、羅夢も見つかり、一石二鳥でありがたい。
俺はそう考え、草を掻き分け入っていく。
素肌に草が優しく当たるのが地味にこそばゆい。
いや、それはいいとして、こんな場所にあんな小さい子供が入っていったと考えると、危なっかしい様に思えてくる。
それを差し引いても、こんな森の中で子供が一人になってしまったら魔物や、肉食獣などが出たらどうするのだろうか?
、、、考えるだけ無駄か。
「――キャァアア!」
突如、幼い声の悲鳴が聞こえる。
もしかして、、、あの子か?
、、、最悪の想像が現実の物に成ったってことか。
俺は急いで草むらを抜ける。
そしてその先に現れた光景は――
木で出来た、キツネ?
――木が絡み合って出来た様な、大きめのキツネが、先程の少女に襲い掛かろうとしている所だった。
俺はその光景に首を傾げる。
あれが羅夢に見えて少女は付いて行ったのだろうか?
だとしたら相当目が悪いような、、、。
とりあえず、ステータスを拝見。
――《ピピ――スキル、《叡智の神眼》発動》
分類:妖魔
名:ウッド・フォックス
Lv:158₋
YP:6653/6678₋
HP:8893/8893₋
身体速度:9998₋
反射速度:50006₋
魔法耐性:14₋
物理体制:11₋
スキル:《化煙》《吸収》《能力付与》《夢吸》《威圧》
固有スキル:《完全変化》《擬態》《培養》
称号:『樹木の空ろ』
ふむ、、、弱いな。
さっきの魔獣の所為で感覚がおっかしくなっているのか?
まあいい、この子はまだ子供で未来があるしな、助けてあげよう。
「――オラァ!」
――パアアアアアアァン!
俺は妖魔の足が浮いた瞬間に《破壊の鉄槌》を発動して、その状態で妖魔を蹴った。
すると、思いも寄らぬ勢いで、妖魔が弾ける。
――《ピピ――妖魔:ウッドフォックスを討伐しました。経験値を入手しました。》
――《ピピ――称号、《異世界人》の効果、成長速度の上昇により、経験値量が2倍になります。》
――《ピピ――Lvが上がります。救世主:闇山 光里のLvが726→807に上がりました。》
――《ピピ――称号、『異世界人』『孤独の超越者』の複合効果により、討伐対象の上位スキル3つを入手します。》
――《ピピ――スキル、《完全変化》《擬態》《化煙》を入手しました。》
――《ピピ――スキル、《暴食之皇》により、討伐対象から下位スキルを2つ入手します。》
――《ピピ――スキル、《吸収》《威圧》を入手しました。》
――《ピピ――称号、『異世界人』スキル、《暴食之皇》の複合効果により、討伐対象の下位スキルを1つ入手します。》
――《ピピ――スキル、《夢吸》を入手しました。》
――《ピピ――称号、『異世界人』スキル、《暴食之皇》の複合効果により、討伐対象から追加経験値を入手します。》
――《ピピ――称号、《異世界人》の効果、成長速度の上昇により、経験値量が2倍になります。》
――《ピピ――追加経験値を得たことで、救世主:闇山 光里のLvが、807→849に上がりました。》
おおう。
またか、、、。
こんな奴を倒してもこんな風になるのか。
まあ、ありがたく経験値とスキルは貰うが。
さて、ステータス確認の前にこの子に怪我がないか聞いておかないとな。
「大丈夫か?」
「、、、」
うん?
どういう事だろうか?
何故か返事をしてくれない。
「、、、おじちゃん、強い、、、」
「、、、お兄ちゃん、ね?」
俺は顔が引きつるのを感じながらそう受け答えをする。
すると、眼の前の子供はフルフルと震えだす。
やっべ。
俺、子供に嫌われることが分からんから、無意識の内にやってたかもしんねえ。
「、、、ま、まあ、早く村に戻ろう! な?」
そう慌てて言うと子供はまた震えだす。
うん、子供って良く分からん。
まあ、とにかく、早く村に戻ろう。
「、、、まあ、とにかく、歩けるか?」
「、、、(こくり)」
うむ。
俺は手を子供の方に差し出す。
すると、恐る恐ると言った風に、子供が俺の手にその小さい手を重ねる。
俺はそれを優しく握ると、草原を抜け、村に戻ったのだった。
その間に、ステータス確認でもしようかな、この子の。
――《ピピ――スキル、《叡智の神眼》発動》
名:ミラ・コムラサム
種族:防技の人
職業:――
Lv:4₋
MP:14₋
HP:13₋
身体速度:26₋
反射速度:56₋
魔法耐性:4₋
物理体制:6₋
称号:『長の子』
ほう、スキルはまだないのか。
それに、子供なだけあって、Lvも低い。
まあ、俺はこれが低いのかどうかは分からないが、、、。
ん?
この称号、、、『長の子』?
、、、村長の、子ども!?




