第七話 嘘じゃない!
連続投稿です。
「、、、俺、実は、異世界から来た救世主なんですよ。」
瞬間、空気が凍て付いた。
いや、緊張の糸が切れた、と言うべきか?
一気に急降下したテンション。
「、、、君は何が言いたいんだ?」
「、、、何が、、、と言われましても、」
「、、、、、、まあ、とにかく、ここで殺しておいた方がよさそうだ。」
「ちょっとは考えてほしい物なんだが――ぬお!」
物騒な事を言った村長は問答無用で俺に攻撃を仕掛けてくる。
――《ピピ――スキル、《叡智の神眼》発動》
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『スキル、《狂戦士化》発動』
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やっぱり、こんな事になってるわな。
これって、俺殺されるパターンですか?
俺が《叡智の神眼》を使っている間も攻撃を繰り出してくる村長。
俺はそれを避ける事しかできない。
くそ、、、強い!
この世界に来て間もない俺は戦いの基本すら学べていないが、たまに読んでいた漫画やアニメなどの真似をしてみて戦っている。
とは言え、こんなに連打されては少し押されてしまう。
――《ピピ――スキル《超戦闘》を手に入れました。》
おお!
丁度いいスキルが!
じゃあ早速、《超戦闘》発動!
――《ピピ――スキル、《超戦闘》は常時発動です。》
はい、すみません。
俺はタイミングを見計らって攻撃を仕掛ける。
だから、そのために、タイミングをしっかりと見つけなければいけない。
俺はそのタイミングを見逃さないように村長の一挙手一投足に意識を集中させる。
瞬間、村長の右脇に隙が出来るのを感じた。
それを絶好のタイミングだと見た俺は其処に潜り込む。
――すると、眼の前に拳が迫ってくるではないか!
「引っかかったな!」
「口調変わってんぞ!」
確かに、罠に引っかかったのは事実。
ただ、俺はそれを見越してここに潜り込んだのさ!
俺はその拳が鼻先に触れるか触れないかと言う所で一つのスキルを唱える。
「――《短縮転移》!」
俺の鼻先に触れかけていた村長の拳は空を切る。
その代わり、村長の身体に浅く俺の拳が当たる。
Lvは俺の方が高いが、どうだろうか、、、?
――《ピピ――スキル、《超戦闘》の効果で、攻撃に補正がかかります。》
――《ダメージ量:148→ダメージ量:418》
「くっ! どうやってそこに!?」
「少しは話を聞いてくれるとありがたいんだが――うお!」
俺がそう言うと、何処からともなく表れた小さな斧が飛んでくる。
見てみれば、床に穴が開いている。
その下か!
「この村に何の要かは知らないが、ここで消えてもらう!」
「何故だ!?」
必要性を感じない!
ぬおお!?
またも斧が横を通り過ぎて行く。
俺は何か良いスキルがないかと探る――あった!
「――《盾王の覇気》!」
今度は飛んできた斧を避けずにスキルを発動する。
すると、派手な音と衝撃波を走らせながら斧を弾いた。
俺は腕に出来上がった透明な盾を見る。
意外と役に立つ。
「ッ! また良く分からんことを!」
そう言いながらも、今度は槍を飛ばしてくる。
俺はまた、《盾王の覇気》により出来上がった盾を使ってそれを弾く。
その次、そのまた次と弾いていく。
次第に飛ばすものが無くなった村長は後ろに立ててあった大斧を手に取る。
そして、それを勢い良く振り回す。
俺は只ならぬ気配を感じ、それを《叡智の神眼》で見てみる。
――《ピピ――スキル、《叡智の神眼》発動》
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狂化の大斧――狂戦士の能力を最大限まで引き出す専用アイテム。
付与能力――《弱化》《混乱》《破壊》
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おおう。
予想通り、やばい武器だったみたいだ。
この《破壊》ってどう言うスキルなんだ?
――《ピピ――スキル、《叡智の神眼》発動》
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スキル:《破壊》――防御系の魔法やスキルを貫通して攻撃を与えるスキル。
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ま?
俺は咄嗟に《空間収納》から《神威の魔剣》を取り出す。
すると、其処に村長の大斧が当たる。
重ッ!
俺は軽く飛ばされる。
壁に当たって止まるが、壁の方は破れてしまう。
やばいな、、、。
俺は最後の秘策に出る事に決めた。
「死ねっ!」
物騒な事を叫びながら大斧を振り下ろしてきたのは勿論村長である。
そしてその大斧は俺の事を切り裂いた。
だが、斬られた俺の肉片は残らなかった。
「なっ!? き、消えた、、、!?」
切り裂かれた俺は、霧散して消える。
そして、次には村長は組み伏せられる。
それをやったのは、勿論、俺だ。
「クハ! 何時の間に!?」
「アンタが俺の《蜃気楼》に意識を取られている間に回りこんだんだよ!」
俺はそのまま一つのスキルを発動する。
「――《ステータス》!」
すると、俺だけが見ていたステータスが村長にも見えるようになる。
「これは、、、まさか、本当に、、、」
そう言いながら、その暴力的な雰囲気を収めていく村長。
そして、先程までののんびりとした雰囲気に戻る。
「はい」
「、、、伝承通り、、、。」
「はい?」
伝承?
何だそれは?
俺は良く分からないが、この人はその伝承とやらで俺がここに来ることを知っていたようだ。
とは言え、だ。
その伝承とやらが分からないと俺のこれからが分からないという事だ。
「その伝承って言うのは何ですか?」
「、、、そうだね、、、所で、、、放してもらえるかな?」
俺は未だ固めていたことに気づく。
おう、忘れてた。
直ぐにその拘束を解いてすぐ横のソファで話しを聞くことにする。
「、、、昔、私の祖父から聞いた話だ。」
曰く、異界から現れた救世主により、燻っていた悪の権化は消えた。
らしい。
三十分ほどの長話を聞いた限り、そんな感じだ。
俺は途中寝かけていたが、気合で耐え抜いた。
ほとんど覚えてないけどね!
「、、、そして、かの者は、この村から王都への間に多大なる力を付けると言われている。」
そこまで言うと、息を吐いて大きく伸びる村長。
おおう、フフフ、スタイル良いですね!
「、、、それで、これからどうするつもりなのかな?」
「どうするかと言われても、、、」
「、、、例えば、、、王都に向かう、とか」
これは、既に決まっている事なのかもしれない。
俺はため息をつくと、明日の予定を考えるのだった。
、、、あれ? 羅夢、どこ行った?




