第五十三話 翌日─エピローグ─
──「ふう、今日も天気が良くて、、、最高の怠惰日和だな!」
俺はテレビの前のソファーに寝転がりながらそう叫んだ。
土曜という今日、昨日の激戦を経て全身が痛い。
動きたくない。
まだ昼ご飯には早いし、ここでゴロゴロできるだろう。
というか、疲れすぎて色々記憶が曖昧なんだが、記憶を故意的に消さなかった奴がいた気がするんだが、、、思い出せない。
まあ、そういう曖昧な記憶は当てにならないからな、考えなくていいか。
「はあ、、、イタイ、、、。」
俺は一人、ソファーの上で呟く。
そしてそれに反応するのは──
「まあ、あれだけの事をしましたし、しょうがないですよね、、、コーヒーいりますか? それともジュース、、、?」
──そう、プリスだ。
俺は昨日の戦いの後、プリスに帰るかと聞いたら「まだ異世界を堪能しきれていません!」と顔を赤くして叫ばれたので、ここに残したのだ。
とはいえ、こうして気遣ってくれるので、残しておいて悪い事は無い。
「いや、ジュースはお前が飲みたいだけだろ、、、。」
「いや、そんな事は、、、!」
まあいいんだけどね?
「まあ、一応珈琲は貰っておこうかな、、、ジュースも飲みたいなら飲んでいいから。」
「わ、わかりました!! それでは、淹れてきます!」
分かりやすくテンションを上げると、握り拳を振り上げて台所へと駆けていく。
少し危なっかしい所があるが、まあ好きなようにやらせておこう。
俺はテレビに目をやり、ニュースを見る。
「物騒だなー」
俺は、『成人男性二名行方不明』の文字を読んで呟いた。
それに、さっきも“いきなり現れた洞窟”のニュースがあったが、地球温暖化や環境問題の影響だろうか?
まあ、もしヤバそうだったら異世界に逃げよう。
妹たちを連れて。
なんてな。
とはいえ、マオは如何しているだろうか、、、?
一応、仮面の形状は錬金術で変えておいたが、根本的な形状は代えてないし、最初の方は結構苦労するかもなー。
恐怖の象徴とか言われてたし。
とはいえ、あんな別れ方をした手前、暇だから異世界に来ました! なんて出来ないしな、、、。
まあ、たまに行ってどんな感じか様子を見るのもいいかもしれないな。
とはいえ、今日は外に出かける事もしないで休日を堪能するのもいいかもしれない。
わざわざ回復をかける必要もない。
というか、理外攻撃のダメージが中々癒えない、、、。
本来はこんなものなのか?
「出来ましたよー。起きれますです?」
「ああ。イタタ、、、ありがとう。」
プリスからコーヒーを受け取り、冷ましながら啜る。
ふむ、流石神なだけある、日々美味しくなっている。
前回よりも格段にうまくなっている。
え? それは疲れてるからだって? ハハ、そんなまさか、、、。
「ところで、お前一応何歳なんだ?」
「えっと、、、どういうことですか?」
「人としてだ。もしこっちでずっと過ごすと言うなら戸籍とか、まあそこらへん必要になって来るだろうし、一番は学校とかさ、どうすんの? 行きたいとかないのか?」
「とくには無いですけど、、、確かに、タダで居候という訳にはいきませんし、、、なら、私のか、体で、、、」
「いや、その見た目だとどこも雇ってなんかくれんだろう。」
俺は率直にそう言う。
まず、戸籍とかがどうすれば用意できるのか、とか、そこら辺からだが、、、。
とりあえずは保留か、、、。
それよりもまずは、、、来月位に帰って来るらしい父さんと母さんにどう説明したものか、、、。
「まあ、まずは父さんと母さんの説得だな。」
「なんか、いろいろすみません、、、。」
「いや、大丈夫だ。何だかんだ楽しいしな。」
俺はコーヒーをグイっと半分ほど飲んで、一息つく。
まあまずはその時が来たらだな。
俺はそろそろ昼飯の準備をしようと立ち上がる。
するとそこに、ピンポーン! とドアベルの音が鳴り響く。
俺は玄関へと足を運び、鍵を開ける。
そして扉を開くとそこには──
「えっと、、、朱梨に小鳥遊、、、? どうしたんだ?」
──俺の妹である朱梨と、クラスメイトの小鳥遊が立っていた。
俺が声を出すと同時、朱梨が口を開く。
「どうせお兄ちゃん真面なモノ食べてないんだろうなと思ってご飯持ってきてあげたんだけど、直ぐそこでこの奇麗な人と会って、お兄ちゃんに会いに来たって言うんだけど! 知り合いなの!? あのクソボッチのお兄ちゃんが!!?」
「クソボッチ言うな!!」
そして、それに続く様に小鳥遊も口を開く。
「フフ、それじゃあ、昨日の事、話してもらうわよ、、、!」
そういえば! 昨日此奴の記憶消さなかったんだった!
そしてここ初がらみかよ!
「ねえ! どうなの!」
「さあ! 話してくれていいのよ!」
ぐいぐいと体を前に出してくる二人を宥め乍ら、順を追って説明をしようと口を開く。
だが、俺の口から言葉は出なかった。
何故か?
それは、俺の頭に響いた、無機質なこの声の所為である。
──《ピピ──スキル、《叡智の神眼》発動》
名:闇山 朱梨
種族:人間
職業:--
Lv:74‐
MP:1/1‐
HP:300/300‐
身体速度:246₋
反射速度:364₋
魔法耐性:0₋
物理体制:20₋
固有スキル:《弾丸ライナー》
名:小鳥遊 遊離
種族:人間
職業:--
Lv:89‐
MP:1/1‐
HP:340/340‐
身体速度:320₋
反射速度:426₋
魔法耐性:0₋
物理体制:31₋
固有スキル:《闘気弾》
そして、俺を絶句させたのはこれだけではなかった。
次に流れる無機質な声に俺は目を見開く。
──《ピピ──世界の上書きが完了しました。》
──《ピピ──スキル、《異世界の扉》のレベルが上がりました。》
──《ピピ──スキル、《異世界の扉:Lv2》を入手しました。》
その言葉はこの世界にはありえない物だった。
そして、絶望、希望、どちらへも転ぶその声は最後、俺にこう告げた。
──《ピピ──称号、『世界の変改者』を手に入れました。》
そうして、この世界は変わり始めた。
そして、俺はまた、別の世界の運命を背負うのだった。
これにて、一章が完結となります!
近々、キャラクタデザインのイメージなどを上げようと思っていますが、いつになるか、、、。
兎も角、ここまで読んでいただき、ありがとうございました!
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