第五話 集落
あれからしっかりと説明をして理解を得た俺は、再度、羅夢の村に案内してもらっていた。
、、、別に、狙って言った訳では決してない。
らむのむら、、、。
地味に後から効いてくるなこれ、、、。
それと、説明を通して理解を得るまでに十分の時間と二十発のビンタが飛んで行ったことは内緒だ。
「、、、所で、その村って、何処にあるんだ?」
「ここから南に九キロ程だ。」
「、、、九キロ?」
さっき確か、十と数えずにとか何とか言っていた気がするんだが、、、?
もしかして、キロで十と数えずに行けるってことか?
此奴はバカか?
いや、まあ、そういう文化だという事にしておこう。
まあ、とにかく、その村とはどう言う所なのだろうか?
「所で、その村ってどういう所なんだ?」
「、、、村、、、と言うより、集落と言ったほうがいいか、そんなに大きなところではないぞ?」
「そうなのか?」
「ああ。人里とは少し離れているからな。」
「、、、それでも、普通に王都とかに行くことはあるんだろ?」
「ああ。とは言え、不定期に最近の流行や王国の動向がどのような状態か、と言う視察の様な物だがな。」
ふむ、、、その集落は王国とは敵対関係にあったりするのか?
それとも、もともとそう言う種族だったりするのか?
「、、、言っておくが、別に王国自体と仲が悪い訳じゃないぞ?」
「そうなのか。」
もし敵視していたら王都に行きづらいしな。
其処はありがたい。
とは言え、俺はどこから来たという事にしようか?
馬鹿正直に異世界から来た、、、なんて言えないしな。
「所で、集落の長ってどんな人なんだ?」
「、、、少しおっとりとした、呑気な人だ。」
ふむ?
どういう人だ?
呑気な人って、、、。
例えば、、、亀みたいな?
まあ、おいおい分かる事だからな、おいておくとして。
どうやって九キロも歩くんだ?
「、、、どうやって九キロも歩いていくんだ?」
「、、、走る以外にはやったことがないが?」
「、、、九キロも走れないぞ俺。」
、、、俺のスキルに何か良い物はないか、、、。
―――――――――――――――――――――――――――
スキル:《破壊の鉄槌》《栄光の聖光》《ステータス》《空間収納》《魔法攻撃無効》《隠蔽》《隠密》《物理攻撃無効》《叡智の神眼》《並列思考》《思考加速》《極限神越》《異世界の扉》《敵意感知》《存在感》《言語理解》《夜行視野》《起死回生》《高速再生》《短縮転移》《蜃気楼》《高速移動》《覇王の威厳》
固有スキル:《攻撃無効》《無限攻撃》《暴食之皇》《盾王の覇気》《魔法遮断》
―――――――――――――――――――――――――――
ん?
この《短縮転移》ってなんだ?
転移ってついてるし、移動系スキルなのか?
俺は少しワクワクしながら説明を確認してみる。
―――――――――――――――――――――――――――
スキル:《短縮転移》――自身を中心とした半径十メートル以内の場所ならば何処へでも行ける。
―――――――――――――――――――――――――――
ふむ。
使える奴キター!
よし、早速試そうか!
「《短縮転移》」
刹那、場面が切り替わる。
それは俺がいた地点から進行方向へ十メートル程離れた場所だった。
よっしゃあ!
「、、、な、何をしたんだ!?」
離れた位置から俺に走り寄ってきた羅夢がそう聞いてくる。
「《短縮転移》っていうスキルを使ったんだ。」
「、、、転移系のスキルが使えるのか!?」
「、、、うん?」
「転移系のスキルはそもそもが上位のスキルだ。その中でも中位に位置するのがその《短縮転移》と言うスキルだ。」
そうだったのか、、、。
とは言え、これってどうやって手に入れるものなんだ?
俺はなんかさっきの魔獣から奪い取ったっぽいが、本来はどうやって手に入れるんだ?
「転移系のスキルって本来どうやって手に入れるんだ?」
「どうやって、、、と言われてもな、、、。存在自体が謎だからまだ明確には分からないな。」
「、、、そうなのか。」
意外とすごいスキルだったっぽいな。
まあ、これでさっさと行けるだろう。
これは指定とかは無いから、羅夢も一緒に行けるんだよな?
「、、、手を。」
「、、、何故だ?」
「このスキルで一緒に飛べないかと思ってな。」
「、、、分かった。」
俺の言葉を聞いて素直に手を重ねる羅夢。
俺はその手を握ると、もう一度《短縮転移》を唱える。
瞬間、俺は羅夢の手を握った状態で十メートル先の地点に立っていた。
「よし! 成功だな!」
俺はそのままの勢いで一気に転移を繰り返す。
するとどうだろう。
転々と残像を残しながら俺達は物凄いスピードで先へと進んでいく。
それも、直立不動なまま。
いやあ、結構奇妙な状況だよ。
「、、、もうどれくらい進んだ?」
「もうそろそろ良いだろう。」
そう言うと前を指さして俺の手を放す。
俺はその指が指した先を見てみる。
すると、大木が二本立てられ、その間に一枚の板が挟まれている。
その板には、『イトイド・ハイドの村』と書かれている。
その下にも何か書かれているが、ここからでは読めない。
「、、、あれか、、、」
「ここからは歩きだな。」
「、、、分かった。」
其処から徒歩三十秒ほどの位置にあったその看板(?)の前まで移動すると俺はそこに書いてあった、先程読めなかった部分の文字を読む。
》集落:コルネア《




