第四十二話 クリア
──煙の立つクレーターの底には、その瞳に涙を溜める幼女がその場に足をたたんで座り込んでいた。
、、、幼女、、、?
邪竜の呪いを解いたから、てっきり聖龍とかが出てくるもんだと、、、。
いや、でも女神って言ってたから、、、ん?女神?
「お、おい、もしかして、お前が女神プリスか?」
俺は目の前の幼女に問いかける。
すると、自分の手を見つめて一言。
「元に、戻ってる、、、。」
いや、俺の質問に対する返答をくれよ!
俺はさっきよりも大きな声で質問の言葉をかける。
「もしかして、お前が女神か!」
すると、幼女は肩を大きく跳ねさせ、此方を向く。
そして、その顔を満面の笑みで埋め尽くして元気の良い返事を返してくれる。
「そう!私が女神プリスです!!」
ふむ、、、こんな子供が、、、?
でも、呪いが本当に解けたのなら、、、事実なのか、、、。
俺は眉間に皺を寄せて、幼女──女神プリスを見る。
──《ピピ──スキル《叡智の神眼》発動》
種族:神
名:プリス
Lv:10053₋
MP:113222523‐
HP:556448997‐
身体速度:455564158₋
反射速度:2226487954₋
魔法耐性:3356
物理耐性:2253
ステータスは変わらない、、、いや、スキルの欄が消えている、、、。
それと、名前欄と種族か。
ならば本当に神なのか、、、。
にしてはレベルが低いような、、、。
「おいおい、何で邪竜があんな可愛らしい女の子に、、、?」
「何をするのかと思えば、、、ミツリ君、、、何をしたの?」
いや、わかってないのかよ。
「、、、もしかして、【解離解除】、、、?」
「「「【解離解除】?」」」
「ええ、【解離解除】とは稀にある呪いの解呪法よ。」
「解呪?あの子が呪われてて、それで邪竜だったってこと?」
「多分だから、わからないけどね?」
それに、神だしな。
大体、、、というか普通に正解だな。
事実俺は呪いを解いていたわけだし。
俺はそれに肯定して、女神プリスへ意識を向ける。
「お前、本当に女神か?」
「そうです!私女神です!」
「こんな子供が?」
「ガーン!」
いや、声で出す奴初めて見たぞ、その効果音!
俺の言葉に分かりやすくショックを受ける幼女プリス。
プリスは頬を膨らませ、俺に異議を唱えてくる。
「私は子供じゃありません、、、人間からすれば、、、!!」
ん?今なんて言ったんだ?
小さすぎて聞こえなかったが、、、。
子供じゃないって言う所は聞こえてが、、、。
「その証拠に『神位』だってあるんですよ!」
「『神位』?」
「『神位』って言うのは、神の位を指す言葉よ。見た目は幼いけれど、『神位』を持っているなら神に違いはないわ。それに、あの腕につけてる金色の腕輪は上位の神である証の《神々器》の一つ、《神の腕章》、《神姫》よ。」
ほう、そんなに凄い奴だったのか。
にしては子供っぽ過ぎる様な、、、。
いや、神って言うのは全部こうなのかもしれないな。
「まあ、大体は分かった。じゃあ、ギルドに、、、って、これ、依頼達成になるのか、、、?」
「まあ、一応邪竜は倒したんだし、大丈夫なんじゃない?」
「、、、そうなんですかね?」
というか、結構時間のかかる消耗戦だと思っていたが、かなりあっさり終わったな。
まあ、素体がアレだったからか?
とはいえ、こいつを此処に残しておいて大丈夫だろうか、、、?
「、、、おい、お前も一緒に来るか?」
俺はそう提案をした。
するとどうだろう、プリスが笑みを浮かべる。
「い、行きます!」
「、、、いいのか?聞いておいてなんだが、ここが家、、、みたいな物なんじゃないのか、、、?」
「はい、そうです、、、けど、もう見る影もありませんし、、、。」
あ、そうだった。
うん、気にしない方がいいな、こういうのは、、、。
「よし、わかった。じゃあ、一緒に行くか。」
俺は《錬金術(下)》でプリスがいる場所に橋の様な坂道を作る。
すると、プリスは、恐る恐るといったようにそうッと此方へ上ってくる。
そして俺達の元へ上がって来ると、改めて挨拶をしてくれる。
「私の名前は、女神・プリスと申します。」
「俺はミツリだ。」
「私はミサ!」
「私はネーフだ。」
「私は《イザベル》だよ。よろしく。」
そうして挨拶を済ませると、俺達はギルドへと帰還したのだった。
♦
──「おう!帰ってきたのか!」
俺達は太陽が完全に真上に上り詰めた時、やっとの事でギルドへ戻ってきていた。
やっとの事、とはどういう事かというと、途中道に迷い、予想よりも一時間程多く森の中で彷徨い続けていたのだ。
いやあ、あの時は誰も地図を持っていなかったという顛末を呪ったよね。
とはいえ、ギルドには辿り着けたのだ、良しとしよう。
ギルドに入ると、支部長であるトロルが直々に出迎えてくれる。
周囲の冒険者も「何だ?何だ?」と此方に視線を送っている。
「はい。」
俺はトロルの言葉に返事をすると、途中で手に入れた、《錬金術(下)》の進化スキル《錬金術(中)》で作った、手持ちの金属の腕輪に、同時に手に入れた《能力付与》で《隠蔽》《擬態》のスキルを付与し、普通の少女の姿となっているプリスを見せる。
「ん?何だ、その子は?」
「ええと、実は(かくかくしかじか)で」
「な、何!?(かくかくしかじか)だと!?」
ふむ、伝わったらしいな。
周りには聞こえないように言ったが、実際に聞こえていないかどうか、、、。
うん、特に気付いていないな。
「まあ、わかった。」
「誰にも言わないでくださいよ?」
「ああ。」
俺の言葉に頷くと、後ろを振り向き、俺達を奥へと通してくれる。
「さあ、入ってくれ、今回の“依頼者の方”が待ってる。」
「今回の依頼者?」
俺達はトロルに連れられ、支部長室へと入ってく。
するとそこには、富士の頂の様に、一部分だけが白くなった黒髪を持った、気品のある青年が椅子に深く腰掛けていた。
「君達が、私の依頼を受けてくれた冒険者達かな?」
「ハッ、“ブラク様”」
「まさか、、、“第四王子”、、、様!?」
王子、、、?
この依頼、結構凄い人が依頼者だったらしい。
俺はトロルの言葉に返事をすると、途中で手に入れた、《錬金術(下)》の進化スキル《錬金術(中)》で作った、手持ちの金属の腕輪に、同時に手に入れた《能力付与》で《隠蔽》《擬態》のスキルを付与し、普通の少女の姿となっているプリスを見せる。
「ん?何だ、その子は?」
「ええと、実は(かくかくしかじか)で」
「な、何!?(かくかくしかじか)だと!?」
後ろの受付の会話。
「お、おい、支部長普通にかくかくしかじかって、、、」
「やめなさい。」
「でも、、、」
「ダメ、気にしちゃダメ。」(物凄い圧)
気付いてはいけない事も、世の中にはあるみたいです、、、。
圧力、、、圧力鍋で料理をするならば、なにがおすすめでしょう、、、?




