第四十話 決行
──《ピピ──スキル《叡智の神眼》発動》
種族:神・邪神
名:アクト・プリス
Lv:10053₋
MP:113222523‐
HP:556448997‐
身体速度:455564158₋
反射速度:2226487954₋
魔法耐性:3356
物理耐性:2253
スキル:《死咆の息吹》
固有スキル:《死滅の吐息》
??:??
俺は、切込みがてら相手のステータスを確認する。
一万越えの敵とはまだやりあった事は無いな。
だが、臆する事は無い。
何せ今回は──
「ネーフは右、ミサは左に回ってくれ!私は後衛を務める!前衛のミツリをサポートしろ!」
──強力なサポートがあるのだ、恐怖を抱く必要がない。
それに、Lvは俺が勝っている、負ける道理もない。
ザキッと、鋭くも鈍い音を上げて、俺の剣が邪竜の腕を切り裂いた。
とはいえ、深手を追うほどの物ではないが、、、とはいえ、少しは動きにくくなるはずだ。
「ガアァァアアアアアアアアアアア!!」
俺の斬撃を浴びて、邪竜が咆哮を上げる。
俺が切り裂いた部分からは、どくどくと血液が漏れ出てきている。
だが、それを気にする様子もなく、ネーフさんとミサがダメージ与える。
「《斬鉄靭》!!」
「《白銀炎》!!」
青白い剣閃と、白銀の炎が邪竜に迫る。
それを危機と感じた邪竜は、即座に息吹を放ち、それらの攻撃を打ち消す。
攻撃諸共ネーフさんとミサの二人を焼き消そうとしたのか、勢いは緩むことなく奥へ奥へと蒼炎が突き進む。
だが、ネーフさんとミサも、それに当たるほど弱くはない。
ギリギリで回避をすると、《イザベル》さんの元へ寄り、陣形を固めている。
「ミツリ!足止めを頼む!私たちはこれから全力の攻撃を繰り出す!その準備の間だけでいい!」
「了解!!」
《イザベル》さんの言葉に強く頷く。
途端、《イザベル》さんとミサが下を向き、詠唱を始める。
ネーフさんは、その剣を前に翳し、その剣身を指でなぞり乍ら詠唱を始める。
この感じ、ヤバいのが来そうだが、準備に相当時間がかかりそうだ。
無論、邪竜がそれを見逃す訳もなく、その口の中を蒼色に染め、勢いよく業火を吹きかける。
だが、それは、三人に当たることはなく、それどころか、三人を避ける様に炎が軌道を描く。
燃え盛る炎は、背景を書き焦がしながら進んでいく。
が、その中心にいた三人は無傷だった。
その理由は、勿論、俺だ。
《結界魔法》。
ただそれだけだ。
だが、ただそれだけで防げる様な物だったのだ。
「グルルルル、、、」
呪詛の様な唸り声を吐き出しながら、三人を睨む。
が、三人に攻撃が当たらないのは、俺の所為だ。
ならば俺に視線を向けて欲しいのだが、、、やはり、邪竜とは言えども美人が好きという訳か。
ムカついてきたぞ。
「しょうがないか。」
俺は一言そう呟くと、邪竜の頭目がけて勢い良く拳を振り抜く。
俺の手に握られているのは、『脆化』のポーションだ。
ポーションの入ったガラス瓶が割れると、俺はすぐに手を放す。
そうすると、邪竜は『脆化』が付与されたポーションを被る事になる。
勿論、それを被った者は、その能力の影響を受ける。
要するに、邪竜の防御力が下がるという事だ。
邪竜もその事に気づいたのか、それとも、何かをかけられた事に対する怒りかは分からないが、意識が此方に向く。
そうして、俺を視認すると、勢い良く頭を振る。
俺はその瞬間に、地面へ飛び降りる。
そうすると、俺の方を向き、勢い良く尾を振る邪竜。
だが、俺は避ける事無くそれを受ける。
すると、邪竜の鋼鉄を凌駕する硬度を誇ると言う邪竜の鱗が勢い良く吹き飛び、近くにあった大木を三本程薙ぎ倒す。
「グルァ!?」
邪竜はその事にひどく驚いている。
自身の一部が傷つけられるとは思っていなかったようだ。
俺は其の儘邪竜の尾をガッシリと掴む。
そして、空高くへ放り投げる。
その間に、地面に『脆化』のポーションをバラまく。
すると、そこへ邪竜が落ちてくる。
するとどうだろう、地面がボロボロと崩れていく。
そこに俺は、『粘化』のポーション、『硬化』のポーション、『属性系』のポーション『土』を順番にかけていく。
すると、『粘化』のポーションにより邪竜が土に模られ、『硬化』のポーションにより邪竜の体が固定され、『属性系』のポーション『土』により地面に土の性質が持たせられる。
俺は最後にそこに『鋭化』のポーションを撒く。
すると、地面が鋭い針へと化し、『脆化』により脆くなっている邪竜の鱗へズブズブと刺さっていく。
刺さった場所からは赤黒い血液がドクドクと流れ出し、邪竜が悲鳴にも近い鳴き声を上げていく。
俺は後ろを振り向き、三人の様子を確認する。
すると、三人が声を揃えてとある言葉を叫んだ。
「「「超絶逆鱗合体必殺技!《蒼斬裂》!!」」」
刹那、周囲を途轍もない熱気が取り囲む。
見れば、空に無数の剣閃が浮いている。
それも、蒼炎の。
それは、三人の掛け声により、勢いの良い雨の様に邪竜へ降り注ぐ。
俺はそれを見送ろうと、そこを離れようと、邪竜から降りる。
──その時だった。
声が聞こえたのだ。
邪竜の、痛みに苦しむ声が。
だがそれは、とても、とても──
《いた、、、い、、、よう、、、》
──弱々しく、幼かった。
その声を聴いた俺は、一瞬考えこむと、《蒼斬裂》と邪竜の間に結界を張り、邪竜への攻撃をデリートしたのだった。
邪竜の思念の意図とは──。




