第三十三話 報酬
今回は利き手が不自由なため、おかしな文面などがあるかもしれませんが、了承ください。
──「この依頼で『ブラッド・ウルフ』を八匹倒したんですけど、、、。」
「はい、ブラッド・ウルフですね、、、は?」
少し騒がしいギルド内で、俺の対応をしてくれている受付のお姉さんの声が嫌に大きく響く。
俺はお姉さんに何か問題があったのかを訪ねる。
すると、ハッとしてお姉さんが奥へ引っ込んでいく。
俺はお姉さんが入っていった扉を眺めて待っている。
すると、その扉が開かれさっきのお姉さんと、その後ろに初老の男が立っているのが見えた。
かなり背が低いが、漫画などでよく言う所の、『ドワーフ』だろうか?
お姉さんと初老の男は、俺の前まで来ると、俺が置いた素材を睨んでいる。
まさか、偽物だと思われていたりするのだろうか?
「これは、、、紛れもない本物、、、。これは“君達”がやったのかね?」
そう口を開いたのは、後にやってきた爺さんだ。
だが、トリセはその問いにすぐさま否を返す。
「、、、それをやったのは彼一人です。私はそれが終わるのを只々眺めていただけです。」
「何!?この数を一人だと!?本当かね!!?」
トリセの言葉に、そう大声で俺に迫って来る爺さん。
俺は身を反らせて、首の上下運動だけで有無を伝える。
すると、目を白黒させて驚きを露にする爺さん。
「信じられん。今まで147年生きてきたが、こんな事初めてだ、、、。」
頭に手を載せてそう言う爺さん。
147年って、この人(?)どうなってんだ?
やっぱり、人間ではないのか。
「そんなすごい事なんですか?」
「ああ。A級の冒険者でも最大で相手にできるのが3体だ。」
五匹増えた所であまり変わらないと思うのだが、、、。
そんな事を考えていると、爺さんがカウンターの内側から、外側へと出てくる。
その服装は軍服の様な、青色の正装だった。
そういえば、さっき試験の時にいたおっさんもこんな感じだったな。
「俺の名前はトロルだ。ギルドの支部長をやってる。後、種族はエルダードワーフだ。よろしくな。」
二ッ、と歯を見せて笑うと、爺さん──トロルは手を差し出してくる。
握手を求めているのだろう。
俺はそれに応じ、その手を握る。
俺の手を握り返すと、ブンブンと俺の手を振り回すトロル。
「で、こいつは、、、何処で倒してきたんだ?」
トロルは、俺の手を離すと、カウンターの上に置かれた爪と牙を指さす。
俺は、その質問をそのまま目線でトリセに放り投げる。
トリセは俺の視線の意味を感じ取ったのか、一歩前へ出て説明を始める。
「、、、この魔物を倒したのは、黒豹の森です。」
「あそこで、この数を?そりゃあ、本物の化け物みてえな話だな。」
おいおい、俺を化け物扱いかよ。
そんなん、褒めた内には入らないぜ。
「まあ、とりあえずは分かったから良しとしよう。それで、他に魔物は見てないのか?」
「はい。」
トロルの質問にトリセが答える。
俺は信じられないほど話に入っていけない。
どうしよう、これ、俺はもう帰った方がいいだろうか?
「ところで、あんたの名前は?」
「、、、うん?俺か?」
「ああ。」
「ミツリだ。ミツリ・ヤミヤマ」
「ミツリか、いい名前だ。」
そう言うと、ニカッ、と大きく笑い、カウンターの中へ戻っていく。
そして数十秒ほどで戻って来ると、俺の元へやってくる。
その手には、麻袋が握られていた。
「ほら、今回の依頼の報酬だ。ざっと、2000ディット位入ってるから今日はこれで豪勢にうまいもんでも食え!」
2000ディットって、かなりの大金じゃないか。
そんなにもらってもいいのだろうか?
「えっと、そんなにいいんですか?」
「なあに、遠慮するな!彼が今回の妥当な価格だ!」
「、、、じゃ、じゃあ、ありがたく受け取ります。」
こんなに簡単に大金が、、、。
俺はそれをすぐさま《空間収納》に仕舞い込む。
「それじゃあ、また来てくれよ!」
俺が大金を仕舞い込むと、そう声をかけてくるトロル。
俺はその声に応じて踵を返す。
トリセは付いてこないので、まだ何か話す事でもあるのだろう。
俺はトリセに手を振ると、その場を後にする。
そうして、明日が学校であることを思い出し、自室へ帰還したのだった。
次回は日常回にしたいと思っていますが、どうなる事でしょう。




