第三十話 スキル
──俺は、腹ごしらえを終えると試験場へと戻って来る。
そこには、俺以外には5・6人程しかおらず、首を傾げる。
何故こんなに少ないのだろうか?
俺がそんな事を考えた瞬間、背後から声をかけられる。
「「なんか数減ったなー」って、思ったでしょ!」
「へっ?」
俺は背後を確認する。
するとそこには、ローブの様な物を着た、ヒーラーのような恰好をした少女が立っていた。
見た目的に歳は俺と同じくらいだろう。
そんな少女が、俺に対して何か用だろうか?
「あれ、反応が薄い、、、別に思ってなかった?」
「え、あ―いや、思ったが、君は、、、?」
「ああ、ごめん、名前言ってなかった!私の名前はミサ、ミサ・ロイベル!ヨロシク!」
そう言いながら手を出してくる少女。
俺はその手を取って、俺も自己紹介をする。
「俺はミツリだ。ミツリ・ヤミヤマ。」
この子の自己紹介を聞くに、この世界では、外国的な自己紹介をするべきの様だ。
俺の自己紹介を聞いて頷いた少女は、その手を放して、俺に質問をしてくる。
「ミツリは剣も持ってないし、魔法合格志望?」
「ん?いや、どっちでもって、感じかな?」
「へ?どっちでもって、剣も魔法も使えるの?」
「いや、どっちで受かってもいいってことだ。」
「ほえー」
「それより、何で受験者がこんなに少ないんだ?」
「んー?あーそれはねー、剣術志望の人の大半が落ちたからかな?」
「落ちた?」
何故だろうか?
あんなので落とされる道理はないだろう。
あの剣速に対して反応できる人間の方が少ないだろう。
なのに落とすとは、どんな神経をしているのやら。
などと思っていると、俺の考えを読み取ったようにミサが追加説明をくれる。
「あー、えっと、剣術合格志望の人の合格基準って結構シビアだからさ、、、。」
「合格基準?」
「うん。剣術合格志望の人の合格基準は、少しでも反応できていたか、しようとしていたか、それと、負けた後も反抗的対応を見せたか。って感じかな?」
「シビアって言うか、、、それはもはや選ばれし者の基準って感じだな、、、。」
俺は、その合格基準を聞いてそんな感想を漏らす。
俺の感想に苦笑いで同意するミサ。
ミサは何故こんなに試験に詳しいのだろうか?
というか、此処に居るって言う事はミサは魔法合格志望なのだろうか?
「というか、ミサは魔法合格志望なのか?」
「ん?あーいや、私は“こっち側”じゃなくて“あっち側”の人間だからさ。」
「あっち側?」
ミサはそんな事を言うと、受験者たちの前に立つ。
そして一言。
「これから!!魔法試験を始めるよー!魔法を使えない人は、自分が持つ一番の高威力スキルで受けてね!」
あっち側。
そういう事か。
俺は受験者の列に並ぶ。
ミサは、魔法使い系の試験管だったという事だ。
なら、試験の制度を詳しく知っていてもおかしくはない。
「まずは、一番の人から!」
そうして出てきたのは、大きな杖を持った少年だった。
その少年が前に出ると、十個程の石が浮かぶ。
試験場の外にある石だ。
「あれを全部破壊してね!一つ破壊するのに使える魔法の回数は4回まで!じゃあ、スタート!」
そんな声が、試験場に響いた。
一番目の少年は、難なく試験を終わらせると、次の人が出て行く。
その次、その次と進んでいき──
「それじゃあ次は、お、ミツリ君!」
──俺の番が回ってきた。
俺は前に出ると、その掌を前へ出す。
そしてスキルを唱える。
「《鋭撃》!!」
すると、無数の弾丸が生成され、一気に射出される。
その弾丸は一発で的である石を砕き、背後の壁をも破壊する。
何かに当たれば消えるようになっていて助かった。
壁の外の一般人を殺める所だったぞ。
「え!?何今の!!?」
「《鋭撃》ってスキルだ。」
「そんなスキル見た事ないよ!?」
なんと。
見た事が無いらしい。
何故だろうか?
、、、【魔物大行進】の魔物は何か、特殊だったりするのだろうか?
「これじゃあだめか?」
「いや、不合格ではないよ!ていうか、ミツリ君は既に合格済みだからね!これは実力確認テスト。」
「、、、そうだったのか。」
じゃあ、俺は──
「という事で!はい!これミツリ君の冒険者ライセンス!」
おお、、、?
ミサの手から、俺の手へと渡ったのは、銅色の金属板だった。
そこには、俺の名前と、Fとの文字が書かれて、その横に小さな幾何学模様が描かれているだけだった。
俺はミサを見る。
「これがミツリ君の冒険者ライセンスだよ!Fランクからのスタートだけど、頑張ってランクを上げてね!」
俺の視線を受け取ったミサは、俺にそんな事を言ってくる。
その言葉に、俺は手に持っている金属板を見直す。
そして、一言漏らす。
「シャアァアアアアアアアアア!!!」
そうして俺の冒険譚はやっと幕を開けたのだった。
次回は二十七話に出てきたトリセちゃんが登場します!
冒険回です!
依頼受けます!
書くのが楽しい話の内容ですね!




