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第十六話 猛獣狩り

 「俺の名前は闇山光里だ、よろしくな」

 「ああそうだな。」

 「、、、何故こっちを見ない?」


 俺に名を名乗った後すぐに羅夢の方を見てしまうセリスにそう問うが、一連の流れからそれが無駄であることを悟る。

 なので、質問を変える事にした。


 「、、、まあいいが、お前は何故此処に居たんだ?」

 「狩りの為だが、、、」


 俺の予想を裏切って、こちらはすぐ様反応する。

 此奴、よくわからんな。

 そして、少し何かを考える素振りを見せた後、俺たちに一つ提案をしてくる。


 「羅夢と貴様も来るか?」


 その提案に俺と羅夢は顔を見合わせて、少しの間を開け首を縦に振る。

 相変わらず、俺を見るときの顔は苦渋に歪んでいたが、、、。


 「でも、そういうのって何かそういう用の装備とかあるんじゃないのか?」

 「む? 確かに、弓と矢を使用する事になるが、持っていないのか?」


 俺の質問にムカつく顔でそう答えるセリス。

 俺は顔を顰めるが、そんなもの持ってはいない。

 素直に頷く。


 「そうかそうか! しょうがない! 私の予備の弓を貸してやろうじゃないか!!」


 「HAHAHA!」と、鼻を高くして声を上げるセリス。

 俺はこの世界に来て初めてここまでの苛立ちを覚えた。

 セリスは中々そっち系の才能があるらしい。

 、、、そっち系の才能ってなんだ?


 「と、とにかく、セリス殿、今日は何を狩りに行くので?」

 「む、流石羅夢! 目の付け所が違う! 今日は、猛獣:スティング・フィンガーだ!」

 「猛獣って、魔獣と何か違うのか?」

 「そんな事も知らんのか貴様、」


 「はぁ、」と肩を竦めて溜息をつく素振りは無償に殴りたくなるが、我慢だ。


 「魔獣は魔物の上位個体で、猛獣は魔物の下位個体だ。」

 「ほう、、、要は、適当に殴れば倒せるっていう事か?」

 「馬鹿か貴様は!」


 俺の質問にすぐさまそう突っ込んでくるが、何か変なことを言ってしまっただろうか?

 眉間に皺を作り、目を吊り上げて俺を睨んでくるセリス。

 俺が首を傾げると、セリスは呆れた様にため息をつく。

 失礼な。


 「魔物の下位個体だぞ? ただの小動物とは訳が違うのだ、そんなもので倒せるわけがなかろう! それに、狩りというのは駆除以外にも食糧確保などの目的で行うものだぞ? そもそも只々ぶちのめせば良いという物では無いのだ!」

 「ほえ~」

 「本当に分かっているのか?」


 なるほど、、、わからん!

 ただ、兎に角弓矢とかで最小限の傷で仕留めなければならんという事か。


 大体理解できればいい。


 「しかし、弓は使った事が無いな、、、」

 「貴様、何故それで付いて来る気になったのだ?」


 今度は俺が呆れた目で見られる番に、、、。

 何故?

 ま、まあ、兎に角出発だ。


 ――俺と羅夢はセリスの背を追って、草木が鬱蒼と茂る仄暗い森の中を歩く。

 羅夢は少々暗い場所が苦手な様で、俺の服の裾を思いきり引いて歩いている。

 それはもう途轍もない力で、、、。


 「ら、羅夢? 服が破けてきてるんだ、少し手を放してくれないか?」

 「へ?」


 そんな声を漏らして羅夢がその手元を見ると、ギチギチと音を立てて俺の服の裾が破れかかっているではないか――。

 一応今度は服が吹き飛んでもいいように適当に買ってきた古着なのだが、、、。

 とは言え、仲間の一人に破かれるために買ったわけではない。


 「あ、す、すまない!」


 そう言いながら服の裾から手を放す羅夢。

 俺は肩に手を載せる事を提案する。

 そうすれば、服にダメージはいかないだろう。


 そう思ったのだが、肩口の布が弾けた。


 「なんでだよ!?」

 「わ、私にもさっぱり――」



 俺達は見た。

 こちらに弓を向ける女の姿を――。


 「テメーかオラァ!」

 「はっ! 私の羅夢といちゃつくな変態め!」

 「テメーが言うなド変態!」

 「なぁーにぃー!!」


 真犯人を見つけ、俺たちが「キーキー!」と騒いでいると、いや、「キーキー!」とは騒いでいなかったな?

 では、これはなんだ?


 「この声――。こっちだ、、、!」


 先程とは雰囲気を変えて走り出すセリス。

 この感じだと、きっと猛獣の鳴き声か何かだろう。


 「これは猛獣か?」

 「いや、この魔力のこもった声は、魔物だ、、、!」


 魔物、、、じゃあ、最初に戦った奴みたいなのを想像すればいいのか?

 だとすると、相当面倒だな、、、。


 俺と羅夢は、セリスに従い、一つの木に登る。

 そして、その木の上で、俺に一本弓を手渡してくる。


 「お前はこれで狙え。」

 「、、、矢はどこだ?」

 「、、、見ていろ、、、」


 俺の質問に行動で示すセリス。

 俺はしっかりとそれを見る。


 セリスは矢を番える事無く弓を曳く。

 すると、そこに薄透明の緑色の矢が生成される。

 その矢の尻を放すと同時、弓の弦が勢いよく元の場所に戻り、その威力を殺さないように掌の中でその衝撃の進行方向に弓を回転させる。

 そして、放たれた矢は今まで何もいなかったはずの場所に当たると、そこに、一体の魔物姿を露にする。


 そして、俺はそこに《叡智の神眼》を発動するのだった。


 ――《ピピ――スキル《叡智の神眼》発動》

 種族:魔物

 名:テロス・タス

 Lv:368

猛獣を狩ってもらう予定だったのですが、、、。

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