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そーいえば冬休み、スキー場でボードを教えてやって、骨折した彼女を抱き抱えたな


「おい、今なんか聞こえなかったか?」


俺は思わず立ち上がった。


「ん?」


「はーい!とかゆー、綺麗な声が聞こえてきた

気がするんだが...」


「気のせいじゃねー?」


「いや、そんな筈はないと思うんだけど...」


「山吹先輩!!」


突如として、さっきの綺麗なソプラノボイスが

すぐそばで聞こえたので振り返ると、

ポニーテールの女がいた。



お、俺の名前を知っているらしかった。



「え、もしかして、さっきの「はーい」って

君?」


「そーですよ。わたしー、山吹先輩の彼女候補に立候補します!」


「えええ」


俺が声をあげるより、先に

ユーマの奴が飛び上がって声を上げた。



「何言っちゃってんの!

こんな陰気な見た目の山吹の彼女になりたいとか、何言っちゃってんの!?」


「私ー、本気ですよ?」


「さっきー、ポニーテールは正義!

って叫んでくれましたよね?

私、嬉しかったんです!

密かに想いを寄せる先輩がポニテ女子が好きだったなんて!」


「お、おい、ちょっと待って。

なんで、こんな美少女にお前が好かれるよ?」


「さ、さぁ...?」


「遠い昔に、スキー場で骨折した私を抱き抱えて麓まで降りてくれました!」


「あ、ああ...!そんなこともあったかもだな」


俺は少し思い出した。

あれは俺が中学二年生の冬のこと。




「ボードごと、私のこと抱えてくれて

重かった筈なのに、力持ちだなって思いました!」



完全に思い出した。


いま、目の前にいるのは。


俺のボーイッシュな幼馴染、真島マヒロの

妹、真島ミヒロだった。



幼馴染と家族絡みの付き合いをしてた俺は、

中二の

冬休み、俺ら家族と、真島家のみんなで

スキー場に行ったんだ。





それで、お姉ちゃんとは違って運動神経が

あんまり良くない、まだ小学六年生だった

ミヒロに俺がボードの滑り方を教えながら滑ってた。


そんな時。


ミヒロが派手にこけて、

足を痛めたんだ。



麓からあんまり離れていない場所で滑ってたから、下るのはそんなに大変じゃなかったが、

ひ弱陰キャの俺は休み休み、ミヒロを下ろしては、また抱き抱える、という恥ずかしい行為を繰り返してた。



それにしても。


小学六年生の当時は、髪の毛が短かったのに、

中一になって、髪の毛を伸ばし、

女っぽくなってた。


しかも。


ポニテできるようになるとか、

随分と頑張って伸ばしたんだな、と思った。














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