表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

【夢旅行への行き方】初級編

作者: 豆々駄

 これは夢を見ることを好いている人に有効な方法となっております。


1,レム睡眠を見る体質を作りましょう。

 睡眠にはノンレム睡眠とレム睡眠の2つがあります。ノンレム睡眠は深い眠りで、脳を休ませる睡眠です。レム睡眠は浅い眠りで、体を休ませる睡眠です。

 夢はレム睡眠の時に見るので、浅い眠りを続けられる体質を作りましょう。

 夢を日常的に見るようになると、それが夢であると認識しやすくなります。


レム睡眠を保つ為には。

・寝る直前まで作業をする。

 携帯やゲームをいじる、今日の出来事を振り返る、絵や小説を描くなど。暗い中で携帯やゲームをいじると目が悪くなるため気をつけましょう。

 一人きりの空間で、自分の思考をじっくりと深められる活動の方が寝る直前まで脳が働くため適切だと思われます。

 友人との通話、読書、勉強などは思考が働いていない状態で寝てしまう可能性があるため控えましょう。


・日中体を動かさない。

 体が疲れていないとノンレム睡眠に入りづらくなります。日中の運動もそうですが、寝る前の軽いジョギング、夜間の散歩などは控えましょう。

 また、お風呂に入った1時間後に布団に入る、満腹の状態で眠るなど良質な睡眠がとれる行動は控えましょう。


・昼寝をする。夜間にアラームをかける。

 どうしてもレム睡眠をとるのが難しい場合は夜の睡眠の前に短い睡眠をとりましょう。あるいは眠りが深くなる前にアラームで目覚めるようにしましょう。夜間にアラームを鳴らすと他者の迷惑になる可能性があるため気をつけましょう。

 次の日が学校や会社で夜間のアラームが面倒な場合は、朝方、本来目覚めなければいけない時間の2時間前にアラームを鳴らしましょう。朝方に一度目覚めると意識がやや覚醒するため、その後夢を見やすくなります。


※不眠症などの睡眠障害に繋がりそうな場合は直ちに止めましょう。今回はあくまでも気分転換的な旅行を目的としています。




2,周囲の者や人を観察しましょう。

 夢旅行へ行く為には夢と現実の境界を曖昧にする必要があります。非現実的な夢よりも現実的な夢の方が記憶が混合しますし、起床した際に区別がつきづらくなります。

 現実的な夢を再現できるよう周囲の観察をし、細かく記憶に刻み込みましょう。


具体的には。

 視覚、聴覚の情報を取り入れるのが効果的だと思われます。

 周囲の人間の顔立ち、表情、口調、声、振る舞い。

 普段使っている空間の構成、道具の形や特徴、色、広さ(圧迫感、印象など)など。同じ角度で見て印象付けたり、細やかな変化を捉える。

 その他、外の風景など。遠くのものよりも近くのものを印象付けた方が夢に反映しやすいと思われます。




3,夢について考察をしましょう。

 夢はすぐに記憶から消えてしまいますが、思い出しながら考察することによって記憶に残りやすくなります。また、夢は無意識的なものと意識的なものがあり、心身の不調を無意識が訴えることもあります。

 自身の夢が何を意味しているのか慎重に考察をしましょう。ただし、思い込むのは危険です。『死ぬ夢を見たから自分は今とても病んでいるんだ』などと解釈すると、本来夢が訴えたかった内容は消え、“あなたは今、精神が病んでいますよ”という訴えに変わってしまいます。そうすると負の連鎖が始まってしまうため思い込むことは止めましょう。


因みに。

 下水道は日常的に見る場面はありません。つまり、闇の世界になります。夢に下水道が出た場合、なにかしらに負の感情(不安など)を抱いているという解釈が1つ挙げられます。

 赤は攻撃的、情熱的な感情の印。

 逃げる夢は現実世界でも課題など何かしらに追われていると解釈することができます。


 ネットに挙げられているような夢占いに当てはめるのも良いですが、自身の身の回りに関連させて考える方が効果的であると思われます。


 また、考察が難しい場合は夢日記をつけても構いません。夢を記憶するよう働きましょう。


※夢日記をつけると精神崩壊するという話がある為、過度なストレスを感じた場合は直ちに止めましょう。




4,準備を終えた目安。

 上に記した方法を繰り返す内に、あなたは夢を夢だと認識することが増えていくと思います。現実世界と夢の境界を曖昧にしなければいけないと述べましたが、夢を夢だと認識することは問題ありません。


 自分が視界に捉えたどの場面を夢だと認識したのか。

 記憶を探る内に現実世界の似たような場面と混合し始めます。

 あなたはその時、夢か現実か分からなくなっているはずです。


 あなたは夢の中でそれが夢であると認識します。もしくは、何回目かの夢であると考えます。この場面の後はこうなると、確かな確証を持つはずです。


 そこで起きてみようと試みてください。方法はなんでも構いません。自身を殴っても、崖から飛び降りても、意識を覚醒させるイメージを持っても、どの方法でも良いです。

 あなたはその方法で1度起きます。起きることができた。まるで明晰夢の能力を手に入れたようだ。そう思います。

 けれど、ふと違和感を感じます。本当に起きているのか疑問に思うのです。

 そこでもう一度起きようと試みてください。今度は飛び降りたりしないでくださいね。意識を覚醒させるイメージを持つのです。床に寝転んで目を瞑るのが最善の方法だと思われます。

 あなたがその方法でもう一度起きたと確信したのなら、そこは夢の世界です。


 あなたは夢の中で起きて、寝て、また起きたわけです。しかし今だ夢の中。あなたはそこが夢であるのか現実であるのか分からなくなっています。


 これは夢旅行への準備が整った目安になります。

 あなたは夢の世界への耐性ができたのです。




5,手続き。

 ここまで来ればきっとあなたは夢と現実の区別がつきづらくなっているはずです。

 夢の中では親しくしていた友人が、現実世界ではそうでもない。昨日は携帯を弄りながら寝てしまったと思っていたけれど、朝起きたら描きかけの絵が横に置いてあった。

「昨日お菓子2箱も食べちゃった」そう話した瞬間に、前にも話した感覚に襲われる。いや、お菓子も食べていないし話したこともない。それは全て夢の中の出来事。


 あなたは夜、眠ります。暗転後、あなたは目を開けます。それが現実か夢かは分かりません。けれど、目の前の光景は確実に自分の部屋です。

 そして、あなたの目の前には人の形をした、人成らざる者が此方を見定めています。大きい、手が異常に長い、目が3つある、口が裂けている、どの特徴を持っているかはあなたの好み次第です。しかし、それに話す気配はありません。

 あなたはそれに別段恐怖は抱きません。何故自分の部屋にいるのだろうと疑問に思うのみです。


 そこで人外はあなたに何かを要求してきます。

 例えば絵を描いてほしい、何かを見せてほしい、話を聞いてほしい。あなたが普段、他人にされる要求をその人外もしてきます。

 あなたはそれに応えてください。

 人外は納得したら帰ります。あなたもそこで再び眠りに入ります。


 これで手続きは完了です。

 あなたは起きた後も、それが現実であったか夢であったか判断はできなくなっています。




6,旅行へ。

 あなたは晴れて旅行へ行く切符を手にしました。これを握りしめて生活をしていれば、あなたは常に夢の世界に浸かっているような気分になるはずです。


 意識もふわふわし、現実世界での出来事に対して深く考えなくなります。ストレスは飽和し、“そんなこともあるか”とあたかも頓珍漢な夢の片鱗のように捉えることができます。

 夢の世界の住人が「ウサギが君を殺したがってる」と言ってまともに受け止めるでしょうか。いいえ。今日も道化が笑わせてくれたと胸の内に思うのみです。


 世の中全ての事象を重く受け止める義務はありません。

 偶には何も考えず、時の流れをゆったりと感じませんか。

 苛立ちや悲しみ、孤独感を「まあ、いいか」と溶かしませんか。


 ストレスのない世界はきっとあなたにとって最高の旅行地になるはずです。そして、海の向こうに見える夕焼けの赤さに圧巻されるように、狭かった視野が広くなると思います。




6,帰る方法。

 ある程度旅行を楽しみ気分転換が出来たなら、帰る支度をしましょう。


 方法は簡単です。良質な睡眠をとり、規則正しい生活を送りましょう。あなたが見た夢の話を他者にし、確認作業をしても良いです。

 現実世界にいまだストレスを作る要因があるのなら、思い切って解消しても良いです。


 帰るまでが遠足であるように、旅行も同じです。

 決して夢旅行に依存せず、切り替えをしましょう。




 お土産話を持ち帰ってこれれば、尚良いですね。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ