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18話 魔王幹部との激闘

「そう簡単に死んでたまるか!」

 辛うじて交わしたんだ! レティシアを抱えて。


「あーらどうせ死んじゃうのだから、あなた達に出来るのはなるべく苦しまない死を選ぶ事だけよ?」

 怪しげな眼光で魔王幹部のマダムがノブスケ達を見ている。


「レティシアまだ魔法は使えるか?」

「うん大丈夫だよ? でも全然効かないのだけれど」

 レティシアは初級魔法しか使えないものね…例え最上級魔法が使えたとしてもあの銀色のスライムに効くかどうか……


「一つ分かったことがある。あの銀色に魔法は効かない、まあ物理も俺の攻撃力じゃ効かないが……だがカラフルなスライムの方はおそらく弱点属性の魔法なら効くだろう」

「す、すごい分析力ね!」

 たぶん前世のゲームで得た分析力ね。ニートさん達は大抵持ってる能力ね。

「でも、カラフルなスライム達は合体するのだけど?」

 確かに合体したら弱点属性すべて克服してない?


「合体したら物理で攻撃して散らし、分裂した所で弱点属性の魔法攻撃だ」

「なるほど。分かったわ!」


「銀色のスライムは無視する。俺達じゃ倒せん!」

 ノブスケ達は立ち上がって武器を構えた。うう頑張れ!!


「何をこそこそ話していたか知らないけど、無駄なあがきよ? 行きなさい! スライムちゃん達!」

 襲い掛かる巨大な銀色のスライムと様々な色のスライム達。ノブスケ達の狙いは様々な色のスライム達だ。


「『ファイア』」

 レティシアは水色のスライムに魔法を放つ。すると水色のスライムにヒットして溶けた。

「いやあああああ!! わたくしの可愛いスライムちゃんが!! おのれええ!!! 合体よ!!」

 魔王幹部の掛け声で合体してカラフルな巨大なスライムになった。


「うおおおおお!! せい!!」

 ノブスケが木の枝を振り回してカラフルなスライムに攻撃の嵐を浴びせてる! すると一撃毎にぽよぽよと小さいスライムに分裂していく。その小さくなったスライムにレティシアが魔法を浴びせていく。


「『ウィンド』『アイス』『ファイア』」

 次々消し飛んでいくスライム達。ノブスケの分析通り弱点属性の魔法なら弱い魔法でも倒せるらしい。

「や、やめなさい!! あなた達!! 早くたべちゃいなさい!『スライムキングちゃん』」

 魔王幹部がうろたえてる。


「これで全部よ!!『アース』!」


 レティシアの魔法攻撃で最後の一匹が溶けた。やった! これで銀色のスライムと魔王幹部だけだ!


「うがががが……良くも! 良くも! 良くも良くも!! 許さない!! 『スライムキングちゃん』わたくしと合体よ!!」


 魔王幹部のマダム。モラクリス=デリッラゲルが銀色のスライムにぱくっと食べられたかと思ったら銀色のスライムの頭頂部からマダムが生えた。雑な合体ね……


「オーフォフォフォ! わたくし自ら踏み潰してあげますわ!! 死ね!」

 飛び跳ねるマダム。ノブスケは落ちていた折れた剣を掴むと捕まってるジムとレボルトへ走る。マダムはノブスケを追って行く。

 ベキョンッベキョンと柔らかい金属が地面を打ち付けるみたいな凄い音をあげてノブスケを踏み潰そうとしてくる。


「逃げてノブスケええええ!!」

「無駄よ! オーフォフォフォ! 終わりね!!」

 今までにない凄い音をあげてノブスケの上に襲い掛かった。

 

「うぐぐぐ……また助けてもらっちまったな。ノブスケ!」

「まったく。オリヴュート卿直属の騎士が情けないですねぇ」


 ジムが銀色のスライムを受け止めてる!? レオナルドが銀色のスライムに折れた剣を突き立ててる!

 そっかノブスケがゼリー状の鎖を折れた剣で断ち切ってジムとレボルト解放したんだ! 


「ぐ、死にぞこないのエサが!! まだ歯向かうのかしら?」

「へ! 倒し方が分かれば負けねーんだよ!」

 ジムが銀色のスライムと合体したマダムをぶん投げた! 


「ソードスキル! 『大回転連続斬り』」

 おお! レボルトが回りながら銀色のスライムの胴体を凄いいっぱい切った!! 折れた剣だけど物凄い威力ね!


「ノブスケ何してるの?」

 レティシアがノブスケを見てる。何々? ん? あれは爆裂ポーションのSサイズの瓶? 蓋を開けて中身を捨ててる。

「あーーもったいない! 投げれば少しはダメージが入ったんじゃ……」

「ジム! レボルト! まだ動けるか?」

「当たり前よ!」

「まだまだ限界は先ですねぇ」

 嘘つけ! 体を中から血がいっぱい出てるわ! 女神である私の見立てによればそろそろ死んでもおかしくないわ!


「スキを作ってくれ。マダムの首を取る!」

 メガネをあげて言いきるノブスケをそれぞれニヤリと笑って魔王幹部に向かう。

「行くぜ!! うおおおお! ただの体当たり!!」

 ジムのただの体当たりで一瞬よろけるマダムを見逃さず、レボルトが折れた剣を振るう。

「鬱陶しいね!!」


「『ファイア』」

 レティシアがマダムの顔面に放った!

「ふぎゃ! 効かないわ!!」

 ふぎゃって言ってるのにまったく効いてない!!


「終わりだ。もらちゃん」

 ノブスケが魔王幹部のマダムの後ろを取った! でも木の枝だけど!!?

 ノブスケが木の枝を横なぎに振るとマダムの首が飛んだ!


 べちゃっと地面に落ちたマダムの首はスライムになった。そっかこの魔王幹部もスライムだったのか!

 銀色のスライムは頭がなくなったからか動かない。 


「お、おのれええ!! ふふなんちゃーーて! 無駄よわたくしに物理攻撃は効かないの! 残念でした!」

 そんな……ノブスケ達の最後の攻撃だったのに……もうみんな疲弊して次はないよ。


「いや。終わりさ。キュポ」

 ん? ノブスケがマダムをすくい上げると小瓶にマダムを閉じ込めた。

「え? 嘘でしょ!? 出しなさい! このクソ人間!!」

 マダムが小瓶の内側から声をあげている。


「ふぅーーーー。討伐完了だ」

 ノブスケがしりもちをついて気の抜けた声をあげてる。本当に魔王幹部を倒したの?

「やったな! 流石……だ……」

 バタンと前のめりに倒れたジムをみて緊張の糸を切ったレボルトも膝をついた。

「やったね……本当にすごいよ……」


「なああーーーーに勝った気でいるのかしら? こんな瓶くらい簡単に溶かして脱出できるわ!」

「無駄さ。劇薬を入れていた瓶だぞ? お前でも溶かせない」

「ぐぬぬぬぬ!!! 出せえええええ!!!」


「ギルドへ……いや、『クサツヘルム』へ帰るか」

 

 魔王幹部二人目撃破! 



明日の投稿はお休みします!

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