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17話 VS魔王幹部2

「ノブスケ、うう、いい奴だったかは分からないけど、嫌いじゃなかったよ……シクシク」

 レティシア泣きながら倒れているノブスケにしがみついてる。私はチラッと時計を見る。

 うん、そろそろノブスケの奴下界へ戻った頃だと思うけど。


 するとパチっと目を開けてガバッと起き上がるノブスケ。

「ぎゃああああああああ!!!? おばけえええええええ!!!」

「うぉっ!? やめろ 杖で殴るな!! また死ぬだろ!!」


 うん。無事生き返ったみたい。今回は肉体の損傷があまり無かったから魂への影響もなく、すんなりと身体に戻せた。まあー傷の回復はちょこっとしたけど。


「ど、どうして生き返ったの? 心臓は完全に止まってたのに……」

 レティシア不思議そうにノブスケの身体を見る。

「そんなことより状況は?」

「巨大スライムは倒したよ。ただ……ジムとレボルトがそのまま魔王幹部の城へ行ってから戻ってきてないの」


「そうか、なら俺が様子を見て来る」

「だ、ダメよ! 生き返ったばっかでそんな!」

 うん、女神的にもおすすめしないわ。


「勇者ノブスケよ。生き返れたみたいですね。魔王幹部はあのSSSランク二人に任せてあなたはしばらく休んでいた方が身のためですよ」


「いや、平気だ」

「な、なら私も行く!」

 


 ノブスケとレティシアは魔王幹部の城まで走った。辺りには巨大スライムの残骸みたいなブヨブヨしたゼリーがいっぱい落ちてる。夏の海辺に落ちてるクラゲみたい。




「ここか……」

 禍々しい城の門に着いたノブスケ達。魔王幹部のキースの城より少しだけ大きさかも。


「ぐあああああああ!!」

 ひぃっ! すごい悲鳴が聞こえる! ノブスケ達はゆっくりと警戒しながらその悲鳴に呼ばれるように城に入った。


「あらら。わたくしの可愛いスライムちゃんを殺した罪はこんなものじゃ償えないわよ?」

「も、もうやめてくれ……」

 ジムとレボルトがゼリー状の鎖で吊るされて捕まってる。その奥に大きな笠のある帽子を被ったぷくっと太ったマダムがいる。あれがもしや魔王の幹部なのかしら?


「あらー? またお客さん? 今日は大漁ね」


「ノ、ノブスケ!? どうして!?」

「うう、ノブスケ……私は幻覚でも見てるのでしょうか?」

 ジムとレボルトはノブスケが生きて目の前に現れたのに驚いて声をあげてる、その声は少しかすれていて苦しそう。


「心配かけたな」

 ノブスケが奥にいるマダムを警戒しながらジムとレボルトをチラッと見て声をかける。

 

「あなたが魔王幹部なの?」

 レティシアが杖構えながらマダムに聞く。

 ノブスケは木の枝に手をかけてる。


「フフフ。そうよ。スライム使いのモラクリス=デリッラゲルそうね、もらちゃんとお呼び」

「もらちゃん。そこに吊るされてる男達を返してくれないか?」

「ダメよ。コイツらはわたくしの一番のお気に入りのスライムちゃんを殺したのよ? 許せない! コイツらはわたくしのスライムちゃん達のエサにするの」


 ひぃえええ!! スライムって肉食なんですか!?


「ノ、ノブスケ我々の事は放っておいて逃げて下さい。流石魔王幹部……恐ろしい強さです」

「ゲホッゲホッ……俺達がドジっただけだ。死ぬ覚悟はできてる」


 ジム、レボルト……死んだらもっと良い所に転生させてあげよう。


「オーフォフォフォ。死ぬ覚悟が出来てるとは言い心掛けね。このスライム殺し!」

 ゼリー状の鞭のようなものでベチンとやられているジムとレボルトは痛そうに声をあげている。


「やめろ!」

 ええええ!? 無策にもらちゃんに木の枝を抜いて走っていくノブスケ。

「うわわわ……ええいもうやったるわ!」

 レティシアも覚悟を決めたように呪文を唱え始める。


「オーフォフォフォ! これまた弱っちそうなのご来たわね。いいわあなた達もわたくしのスライムちゃん達のエサにして差し上げるわ!! お行きなさい! 『スライムキングちゃん!』」


 人の三倍くらいの大きさのスライムがノブスケの前に立ちはだかった。銀色の体をうねうね動かしてる。もしかしたら金属で出来てるんじゃない!?


「ノブスケ伏せて『ファイア』」

 レティシアが魔法で火の玉をスライムに放った。けど……


「オーフォフォフォ! そんなの効かないわよ」

「うぉりゃあああ!」

 ノブスケが木の枝で切りかかるけど全く効いてない。いつもの事だけど。


「『スライムキングちゃん!』分裂よ!」

 マダムの掛け声で体を分裂させる銀色のスライム。


「オーフォフォフォ! さーそのメガネを食べてもいいわよ」

 小さく分裂したスライム達がノブスケを襲い掛かる。待ってまた死ぬのコイツ!? 早い早い!!


「ノブスケ!! 『ウィンド』」

 レティシアの魔法でノブスケの周りの小さいスライム達が吹き飛んだけど倒せた訳じゃなさそう。

「小癪な小娘が居るようね。あの小娘はこの子にあげましょう『レインボースライムちゃん』来なさい!」


 マダムがまた別のスライムを呼んだみたい。天井からぼとぼとと野球ボールくらいの大きさのカラフルなスライム達が降って来た。

「いやあああああ!! ふ、服が溶けてる!?」

「レティシア!! く、クソ!」

 レティシアがスライム達に襲われてる! 大変大変!!


 思わず水晶を使ってノブスケに呼びかける

「ノブスケよ。レティシアを助けるのです!!!」

「分かってる!」


 スライム達の猛攻を受けながらレティシアの元へ駆けつける。

「大丈夫か!」

「いや! ちょっと見ないで!」

 あらら、服が所々溶けて目のやり場に困る感じになってる。

「大丈夫だ。平胸は守備範囲外だ」

「殺すぞ!」


「ノ、ノブスケあぶねえええええ!!」

 ジムが叫んだ! ノブスケ達の頭上に巨大銀色のスライムが飛びかかってる! いやあああぺちゃんこだこれ!!


「オーフォフォフォ! これで食べやすくなるかしらね」

 また死んだのかよ!!



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