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16話 また死んだらしい。

「キターー! レボルト選手のソードスキルがヒットおおお!! 巨大なスライムの右腕を切り落としたああ!! あああっと左腕の反撃がレボルト選手を襲ううううう! 凄い! レボルト選手への反撃をジム選手が大剣でガードするも吹っ飛ばされたああ!!」


「あの、……ルーナたん?」


「ノブスケ選手はどこだぁあ? あ、居ました! ノブスケ選手は走り回ってスライムの気を引き付けようとしてるううう。あああっと! 危ない!! 巨大スライムが酸を!? これは酸を吐き出して広範囲に攻撃してきます!! これは危ない!! みんなよけてえええええ!!」


「ルーナたん!!」

 ビックリしてふと顔をあげるとサニーの顔が目の前にあった。

「あ……き、来てたの? サニー」

 しまった。実況ごっこしてるのを見られた……


「その……盛り上がってるとこ悪いけど、…………神様来てる」


「は?」


「やほほーーい! どうじゃ? 仕事捗ってるかの?」

 このテンションの高さと髭の長さが比例している小柄な老人。間違いない……私達の上司にあたる神ゼウス様だ。


「も、もちろんですよ。捗りまくてます!! 今日はどういったご用件で?」

「いやーーの。二重転生の書類のここの所、ちょこっと間違っているのでの直してちょ☆って言いに来たのじゃよ」

 ああ、前にノブスケが魔王幹部のキースに殺されて、また生き返させる為の書類か。


「あーーはい! すぐ直します!!!」

 確かこの引き出しに羽ペンがあったと思ったのに……ガサゴソっと。おや? ないなー。

「これじゃないか?」

 まさに私が探している羽ペンだ。

「あーこれこれ! サンキューっておい!! ノブスケ!!!?」


「というか少しは机の上片づけたらどうだ?」

「う、うるさいな! ていうか! どうしてここにいんのよ!!」


「死んだからだよ」


 メガネクイっとあげてそういうノブスケ。嘘でしょ?



「ノブスケ! ノブスケ!! 目を開けて!! いやああああ!!」

 レティシアの悲鳴が聞こえる……

「クソ! 俺なんかをかばって……ちくしょう、ちくしょうおおお!!」

 ジムが大剣を振り回しているのかな……ブンブン聞こえる……

「ジム! 感情に任せて動いてはダメです!! レティシアさん! ノブスケさんを連れてここを離れてください!」

 なんか水晶から聞こえる声が大変な事になってるんですけど……


「ノブスケ君ルーナたんのお気に入りだし、死んじゃったみたいだから、パパっとここにとりあえず連れてきたの」

 さっきまで走り回っていて、ちょっと目を離したら死んで、もうここにいるってすごいビックリするんですけど。

「まーそんな訳だ。また生き返させてくれ」

「ふぉっふぉっふぉ! ゴホゴホッ! あーー面白い人間じゃの! じゃがお主が異世界で死んでまた生き返させた時の書類がまだなんじゃよ? のールーナ」


「も、もう終わります! はい! 直しました!!」

 ふぅー。さてどうしようコイツ。

「ふむ、綺麗な字じゃの。で? また生き返えりたいのかの? となると……」

 髭を梳かしながら私を見る神様。え? またあの書類をやるの? それだけは……無理!!


「私はルーナたんが三ぴょんぴょんくらいやってくれたらまた手伝ってもいいわ!」

 サニーが手伝ってくれてもあの大変さ……もう嫌よ! 絶対! ぴょんぴょんも書類も何もかも!!


「ノブスケよ。あなたは死んだのです。今回は大人しく天に召されてください」

 

「ここで投げ出せと言うのか! それだけは出来ない!」

 うぐ、確かに魔王幹部をまがいなりにも一人倒しているし……また別のチート持ちを送り込んだ所で魔王や魔物蔓延るこのやべー異世界が上手く回って行くとも限らないし……


「神様! 頼む俺をまたあの異世界へ生き返らせてくれ!」

「バカ垂れ! あんたなんかが気軽に話しかけていいお方じゃないのよ!!?」

 指でメガネに指紋をつけてやりながら言う。


「ふぉっふぉっふぉ良いぞ! 特例に生き返っても! ただし! ルーナよ!」

「は、はい!」

「そのぴょんぴょとやらをやってくれたらの!」

 物凄いパワハラとセクハラだ!!


「流石神様!! わかってらっしゃる!!」

 サニーめ!!


「やってやれ。老い先短い老人の頼みだ……」

 マジやめろ。くっそ偉いんだぞ神様は!



「書類免除でノブスケを生き返らせてもいい? ぴょんぴょん……」



「ぐふぉ、良い! 許そう!!」


 ああ転職したい。出来ないけど。


「ゲートオープン!!」

 私が異世界へのゲート開けたタイミングでノブスケがメガネを抑えながら言い放つ。お前が開けたんじゃないからな。


「じゃあ行ってくる」

「マジお願いします! 死ぬくらいならもう大人しくしていてね! ほんっっっとうにもう次はないから!」




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