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松山行紀  作者: 雨奈麦
8/11

淡路島

長い長いトンネルを抜け、神戸の山々を走る。次第次第と灯りが増えてきたのは、海の方へと向かっているからか。さっき、明石大橋の名前を見た。瀬戸内海を渡るのは二十余年の人生で初めてのことだ。暗闇できっと何も見えないであろうことが残念ではあるが、それでもこの胸の高鳴りは泣き止むことを知らぬ子供のよう。街は眠ったように静かなのに僕とバスは勢いよく走っているのは、なんだか大人にいたずらを仕掛ける子供みたいで少し可笑しい。

そんなことを考えていたら、いつの間にか橋を渡っていた。思ったよりも高くて、水面ははるか下の方で揺れているのがわかる。向かう先には淡路島。島に特有の海岸沿いに光の集まる様子は、イカ釣り漁船の集魚灯のように白くて寂しくて、それが随分趣があって僕の心を打った。

島に入ると、辺りはより一層暗闇の色を増す。人気が無いのはこんなにも心細くさせるのかと思うと少々堪える。それでもバスは無我の境地で突き進み、未だ見えぬ鳴門大橋へと向かって行く。

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