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松山行紀  作者: 雨奈麦
3/11

しぶといやつ

ここでフリスクを手に取り2、3粒振って口の中に入れる。これはさっき、バスに乗り込む前に八重洲のファミマ!で買ったものだ。とたん、口の中に爽快感が生じ鼻を抜けて、少し冷えてきた外気へと消えていく。それがたまらなくなって、また4、5粒今度は多めに振り出して一気に口の中へ放り込んだ。するとそのうちの一粒が僕の口腔内を抜け咽頭に突き刺さり、さらに奥へ奥へと突き進もうとする。僕はおもわず盛大にむせた。まわり、きっと暗闇の中で寝てる人間も多いだろうと思うとすまなく思うが、こちらとしては生死のかかった戦いなのだ、構ってはいられない。必死で戻そうとするが、だめだ、どうにもこいつはしぶとい。こうしぶとくっちゃきっと友だちもいないだろうよ。ええい、こうなったらいくら気に食わなくったってきっと腹に収めてやる。いいさ、俺にだってそのくらいの覚悟は持つのさ、男だからな。

そう言って僕はゴクッと飲み干した。やつは僕の咽頭を越え、喉頭とシカトして食道へと流れて行ったに違いない。

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