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松山行紀  作者: 雨奈麦
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旅が僕に囁いた

海老名を出ると車内の電気は消えあたりは暗闇に包まれた。目なんてろくに役に立たないこの状況で、僕の手の中で揺れるスマートフォンの光だけがまるで一縷の望みのようだ。

僕は今、初めて乗った深夜バスで四国の松山に向かうことになっている。なっている?なんて変な言い方だと思うが、でもこの言い方で正しいと感じた。というのも、この旅に実感というものがまるでない。自分の中から何かが抜け落ちたように感じる。

なぜだろう?昨日試験が終わったせいかもしれない。あれから、僕は呆然と何もできないまま今日まできてしまった。こう書いてしまうとああ、試験がダメだったのかな、と思われてしまうかもしれないがそうではない。試験は可もなく不可もなくきっと落ちてはいないだろうという程度のものだから、不安がないといえば嘘になるが大きな問題として僕に刃を向けてくるようなものでは決してない。しかしあれから何も浮かばない。呆然とするだけで悲しくもなく嬉しくもなく、苦しくもなく楽しくもなく、僕はまるでオートマタのように動くだけだった。

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