変わってますね、佐藤くん。
「お帰りなさい!」
「・・・ただいまです?」
言葉の最後に?マークがついてしまったが、勘弁してほしい。
家に帰ってきたら、一人暮らしの筈の家に人がいたのだ。しかも、親でも兄弟でもましてや親友でもない。
ただの隣人、しかも彼は幽霊である。
「お弁当どうでした?作るのが初めてだったもので少し張り切ってしまいました」
恥ずかしそうに話してくれたが、初めてのお弁当で伊勢海老って。入れるか?普通。
「卵焼きと、ウインナーは入れるべきだと思っていたのですが、スペースが沢山余ってしまって!」
え・・・?まさかの伊勢海老は余ったスペースを埋めるために入れたの?
それが、メインじゃないの?
佐藤くんはやっぱり変わっている。
「そ・・・そうなんですね。いやぁ〜、伊勢海老なんて初めて見るもので驚きました。あんなに立派なものなかなか食べられませんから。」
遠回しに伊勢海老はお弁当に入れるものではないと指摘する。
「そうですね。僕も初めてみました。」
ですよねー。知ってましたよね。
「あっ!でも、僕の友達はお弁当に入ってましたよ?フカヒレだのキャビアだの。すごい時なんてシェフが学校に来てステーキをその場で焼いてたり。」
懐かしいな〜とニコニコしながら言っているが、もう 何処からつっこむべきか分からない。
訂正しよう。
佐藤くんとお友達は変わっている。