Episode2 不思議な拾い物
今日は、割かし運のいい一日だった。
自販機のジュースを買ったら当たりが出てもう一杯、得をした。
小テストのヤマが当たって結構いい点数だった。
今日発売のコンビニのお菓子を貰えた。
部活が休みだから早く帰れた。
今日はなんて運がいいんだろう!!!
思わずスキップをしたくなる気分を抑えて、だけど少し鼻歌を歌いながら正門までの道を歩く。
今日は、このあとの予定どうしようかな?
さっさと、帰って特撮イッキミをしたい。
あ、それならコンビニ行ってお菓子買おうかな?
いっそ、リア充の真似してカラオケ行っちゃう?一人だけど。
まあ、まずは正門を出てからゆっくり考えようと思っていた時だった。
「え………?」
正門に近づいた瞬間、少し強い風が吹きそれと同時に何か声のようなものが聞こえた気がした。
そのまま、足は何故か門の外ではなく近くにある丁寧に手入れがされた林へと向かっていく。
誰もいない、何もないはずなのに私の足は何かに惹かれるように歩いていき、やがて1本の木のもとで立ち止まった。
何の変哲もない普通の木。
だが、木の根元のほうをよく見ると何かが光っているのが見えてもう少し近づいてしゃがんで見るとそこには透き通った色をした美しい青い石が落ちていた。
「綺麗………」
大きさはメダルくらいの大きさだろうか、正方形の薄い板みたいな石を手に取ればひんやりとした冷たさが伝わってきて何故かそれが心地よく思えた。
太陽に透かすと透き通った青の中に金の線が見えてよく見るとその線は一つの模様になっていたのだ。
そして模様を取り囲むように不思議な文字のようなものが描かれていて私は光に透かしながらじっくりとそれを見つめた。
不思議な模様、だけどどこかで見たような………
えーと、確か………アレだ!
「ライオンだ!」
そうだ、よく見ればこの模様はライオンだ!
でも、文字は流石に読めな………
「レオライザー………?」
勝手に口から言葉が出てくる。
いや、レオライザーってなにさ?
そんな特撮ヒーローなんていなかったはず………・
何か私、おかしい………?
あれかな?いいことありすぎたからちょっと浮かれて熱でも出てきたのかな?
「………早く帰ろう」
その日の帰り道は何故か足取りが異様に重くて帰る頃には、疲れと共に異様な眠気が襲ってきて私は部屋へ入ると制服も脱がずにベットへと倒れこみそのまま眠りの世界へと旅立ったのだった。