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月見の戦人  作者: 三疾修介
序章 特訓・特訓・特訓・訓練・訓練、時々試合
4/7

4 戦力的デコボココンビ

いきなりのコンビ結成宣言に、私と圭さんは驚きを隠せなかった。


「どういう事だ、ジジイ?」


「簡単な話2ヶ月後の月見魔法大会の、バトルトーナメントにコンビの部で出場するのじゃ!」


月見魔法大会とは、他の学校で行われている体育祭の魔法版で、威力や、範囲、そして美しさを競うイベントである。その中でもバトルトーナメントでは、特殊な魔法具の中で戦い強さを競う競技で、この中で優秀な成績を残すと、将来有名魔獣駆除社に就職出来るよう優遇される。

魔獣駆除社についてはまた今度


「俺はそれ、ソロの部で出場するつもりだったんだが。こんな弱いいじめられっ子と組めば足手まとい所か、五感潰されたのと同じだと思うのだが。」


そこまで言われると腹が立つ!


「ひどっ、それは流石に無いんじゃない?私もやれば出来るよ!」


その言葉に圭さんと由美先生は冷めた目で私を見る(ちなみに、理事長は悪い笑みをこぼしていた。)


「由美先生、こいつの為に去年のビデオ見せてやってください。」


私の為?ただ、圭さんが組みたくないだけじゃない?

しかし、その余裕も一瞬で消え去った。


☆☆☆


『さあぁ始まったバトルトーナメント準々決勝は、炎神 煌 対 死神 圭!どちらも神の一族どちらが勝つのか。準備はいいかい?・・・レディ~ファイトッ!』


戦闘開始の合図で煌が、魔法を出そうとするが不発、代わりに圭さんの小刀が煌の首元に刺さる。試合時間は2秒54、早すぎる結果であった。


☆☆☆


ええ、化け物でした。一応相手も神の一族なんだよね!?それを瞬殺とか、おかしいよ!


「なお、もしこれとコンビ組むならソロでの戦い方で3対1で戦う作戦もありだからな!」


「無しだよ!死んじゃうよ!」


危機迫るを止めようとするが、しかし


「安心しろ。特別な魔法具で瀕死で、転移されるからな。四肢がもげても由美先生に治して貰えばいい。」


「良くないよ!ってか四肢もげる前提なの!」


危険な匂いがプンプンする。


「当たり前だ。実験で戦って見るか?」


危険な匂いが的中。そう言うと、筒状の鞘に入った小刀を取り出す。


「由美先生助けて~。殺される~!」


怖ぇ、昨日助けた人と同一人物だとは思えない!もう、さん付けしない!ケイだ。そんな地味な仕返しをしながら話は続く。


「後は、向こうでやってくれ、ちなみに、このコンビ結成は偽装の罰じゃ。拒否権はない!ケイ、冗談はそこまでにしてやれ。」


冗談なの!小刀持ってるのに冗談なの!


「分かったよ。しゃあねえな。」


なんか、納得いってるし、前途多難だ~。


☆☆☆


ケイとカナが居なくなった後、


「理事長、本当の理由は何ですか?」


壁に寄りかかった由美先生は、書類に埋もれた理事長を見ながら聞く。


「本当の理由かの。由美先生は分かってると思っているのじゃが。」


理事長は書類から顔をあげずに返事を返す


「分かってると言えば分かってるのですが、なんか嫌な理由だなと思いまして。」


「仕方あるまい、厄介事を巻き込む生徒は寄せなければ目が届かぬからの。」


理事長は顔をあげ、窓から外を見る。そこにはケンカしながら、帰るケイとカナの姿が目に写った。その二人を見る理事長の目は悪口を言ったとは思えない程優しい目だった。

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