2 いじめるの、いじめないの、どっちなの?
S感出てるかな?
「おい、カナちゃ~ン遊ぼうよ~。」
私、水谷 香奈は現在最悪な事態を招いている。いきなり例の如く体育館裏に呼び出され、そこには三人の女子生徒。三人は私の手を捕まえて無理やり殴らされる。そう、殴らされるのだ。理由は、
「はい、正当防衛成立~♪・・・てめぇ、何殴ってんだ!仕返してやる!」
というわけである。しかも1人はビデオカメラで撮影するもんだから、なかなか手が込んでいる。ていうか、そのキャラ、キレ-イに変わるよね。もう笑えてくるよ。
「何笑ってんだ。そうか、てめぇM何だな!なら今日はいつもよりもっと過激に行こうか!」
やばっ!顔に出てたぽい!?できれば穏便に済ませて!
「そうだな。顔中手形の焼き印で楽しもうか!」
ああ、何これ。私はさっき笑った私を恨むよ。とにかく謝らないとマジでヤバイ!
「ごめんなさい!素直にしますから、いじめないでください!」
「何を言ってんだ?これは正当防衛、それに・・・」
リーダー角の女子は私の耳元まで近づくと、小声で
「素直にするな。てめぇの慌てふためく姿が面白いんだからね♪」
あの~、音符マークつけようが怖いものは怖いんですが!
「【唸れフレア】」
とたんにリーダー角の女子の手が燃える。魔法の力なので使っている本人は熱くないが、それで平手打ちはマジで焼き印付くよ!
その時だった。
「止めてくんない?折角のフリースポットがいわく付きになると困るしさぁ。」
急に遠くに現れたのは一人の男子生徒。片手にペットボトルを持っている。私はその生徒に見覚えがあった。
私がいじめられている時に時々表れて、いつもは見られても助けない生徒のグループの一人だ。何で、今回助けようとしてくれるの?いや、理由は分かってる。フリースポットって何?つまり「私を助けたくはないが、体育館裏のフリースポット(?)がいわくが付きそうだから仕方なく助けてやろう。」って言う訳か。じゃあ私の命はフリースポット以下だと~!
そんな私の沸々と沸き上がる怒りを余所に話を進む。
「何?今遊んでるんだ!邪魔しないで!」
リーダー角の女子が不機嫌そうに男子生徒を睨む。しかしそんなの物ともせず、
「遊ぶのもいじめるのははいいが、校庭でやって。」
うわぁ、自分でいじめ黙認するって言っちゃったよ。本当は優しく助けに来てくれたって言う希望が否定されちゃったよ。
「そこの、遊んでるかいじめられている女子泣いたんだけど!マジか困るなぁ。トマトジュースが美味しくなくなるじゃん止めてくれ~。」
あれ、希望をなくして泣いちゃったみたい。それよりも後半、やっぱり私の涙はトマトジュース以下なんだ!それとそのペットボトルトマトジュースだったんだ!健康的だね。心腐ってるけど!こいついじめグループと同じぐらい嫌いだ!
「で?あんたはここから去るのか、いじめられるのかどっちなんだい?」
「そんなの決まってる。お前らがここから去って・・・」
はい、リーダー角の女子の逆鱗に触れました~。
「何で私達が退かねえと行けねぇんだ。このカス!【吹き飛ばせフレアボール!】」
あの人に向けてフレアボールが一直線に飛んでいく。ああ、あの人もいじめられっ子か。火牙に勝てる訳無いから。すぐに隣から爆音をたてて煙があがる。人が焼ける臭いまでする。・・・っん?隣から?あの人遠くにいたよね?
「ほう、なかなかの威力だな。」
正面からあの人の声。そこには無傷のまま小刀とトマトジュースを持って近寄ってくるあの人。隣を見直すとさっきのいじめっ子達ががピクピク痙攣しながら倒れていた。
「あれ、無事だったんですか?」
「余裕のよっちゃんだっつうの。」
よっちゃんが誰だか知らないが、そんなことどうでもいい。
「いったいどうやって助かったんですか?」
その時ドタドタと騒がしい足音
「悪いが、今は更なるめんどくさい事から逃げる。事情説明では、俺の事、秘密であのリーダー角の女子が魔法暴走させたと言っておいてくれ。じゃあな!【点と点の距離を殺せスペース・デス】」
そう言うといきなり小刀を振るい黒い異空間を作り出して片足を突っ込む。責めてこの質問ぐらい!
「あなた何者?私、2年A組水谷 香奈よ。」
「2年G組死神 圭だ。」
これがケイとカナの出会いであった。
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