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ようこそ!もののき3丁目  作者: にゃー
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いたい子に会っちゃった



私はとある静かな町の平凡な家庭の平凡な女子高生です。


運動音痴、勉強苦手、料理下手、これといって趣味も特技もない…

もしかしたら平凡以下の女子高生です。


女子高生というアドバンテージも上手く使いこなせず彼氏もいたためしがない。


「はぁぁぁぁー…」


放課後、教室の机でため息をはいてるのが私こと琴垣 古奈美である。

何とも古臭い名前が私は嫌い。

友達からはこっこって呼ばれてる。これは好き。


「まーたため息なんてはいて。」


私の親友で陸上部エースで学年トップクラスの成績を有する斉藤 亜美が私に声をかける。

どうでもいいけど亜美の名字は簡単な方の斉藤だから好き。


「あんたにゃー私の悩みなんて理解できないんだよー。」


ため息まじりに机にうつ伏せになりながら話す。



「亜美と違って私にはなんもないからさー。」


「あー…またそれね。

そんなんどうでもいいからさ、早く帰ろうよ。今日部活休みなんだ。」


亜美は嬉しそうにその場でくるりと一周して見せた。

…ぱんつ見えそうだったな。


「どうでもいいとは聞き捨てならないわけだよ、亜美!」


「あー、はいはい。

確かにこっこはとろいし何やらしてもダメなやつだけどさ。」


この子は言葉の暴力というものを知っているんだろうか。


「あんたはいいやつじゃん。

私はなんでもできるけど嫌なやつなんかより、なんもできないけど私の親友のほうが魅力的だと思うよ。」


「…えへへ」


亜美ちゃんまぢイケメン!


「あんた調子乗るとウザいから早く帰ろうよ。」


前言撤回だよこのやろう!






亜美の部活がない木曜日は私たちは寄り道をしながら帰る。

亜美は疲れてないかな?って帰宅部の私は心配になっちゃうんだけど私はこの時間が好き。


今日はクレープを食べて川に足だけつけながら話したりー

と思ったら亜美は制服が濡れるのも気にせず川に飛び込み魚を手づかみで捕まえてきたり。

亜美ちゃんまぢぱねぇ!


ぱんつどころかブラまですけて見えた。




あたりがすっかり暗くなってから私たちはばいばいした。


「大分遅くなっちゃった。」


街灯も人通りも少ない道を私は足早に家を目指す。


ふと私は足を止める。


「あれ…?」


ほぼ毎日、往復している見慣れた景色の中に見慣れない景色が視界に入る。


「ここ…一本道だったような…」


そうは言ってもやっぱり目の前の道は二手に分かれている。

片方はいつも使ってる道。

もう片方は竹が生い茂っていて、すごい真っ暗な竹藪の道。



「あれ?こっちから帰ったほうが早く帰れそうじゃん?」


あまり深く考える性格じゃないのと好奇心旺盛な私は疑問を持たず当たり前のように竹藪へ続く道に向かった。





竹藪に入ってから10分ほどで後悔した。

一向に出口にでる気配もない街灯もない道をひたすら進む。


「あはは。ちょーっと怖くなってきちゃったよ…」


気を紛らわすために鼻歌を歌いながら歩く。

鼻歌と言えないくらい大きな声で


それにしてもいつまで続くんだろう。

もうとっくに家についてもいいくらい歩いたのに…

携帯は圏外だし…来た道戻ろうかなぁ。


そう思い始めたとき、前方に光が見えてくる。


「ややっ?!ついに出口かも!」


小走りで光へ向かう。



光が見えるってことは大通りに通じてたのかな。

そう思いながら出口を目指す。


「とーちゃくっとね!」



そこには見たことない風景が広がっていた。


見たことない古い商店街が続いており、道に沿って提灯が飾ってあり辺りを照らしている。





「こんな場所、近所にあったんだ…。」


ひと気はなくしょうがないから進んでみる。


携帯を見るともう8時を回っていた。

…見たい番組あったのになぁ。



ずっと続く商店街にも飽きたので暗いけど横道に入ってみた。


ちょっと歩いていたら薄気味悪い池がある。

柵などはなく深そうに見える。


「なんかでそうな池だなぁ…」


バシャバシャっ


「いっ?!」


池でなにかが動いている。


「ごめんなさい!ごめんなさい!

すぐ立ち去りますから怒らないで!」


私はほんとにお化けとかだめなんだ…。

…興味はあるんだけどねぇ。

実際に会うのは勘弁!


「………ん?」

つむりきった目を開けてみるとネコが溺れている。


「おっ…おぉ……。」


私は急に恥ずかしくなった。



バシャバシャ


「あ……助けなきゃ…」


私は池に入りネコを抱えながら陸に上がった。


「……すけすけだよぉ。」



まぁいいや、見せるほどないし。




「はぁ…死ぬかと思ったよ。」



「ほんとだよ。私が通らなかったら死んでたね。うん。」



私は恩義せがましく言った。


「…………うん?」


「まぢありがとう…ネコになれば泳げるかと思ったけど上手くいかないもんだね。」



「まてまて、会話がいろいろおかしいから。

いや、もう会話してる時点でおかしいから!」


ネコがしゃべった…しゃべっただけでなく二足歩行し始めた。


「あ?あんた、なにいってんの?」


そういいながらネコはみるみる人間の女の子になっていった。


「ぎゃー!」


ネコが女の子になっちゃったよ!

裸だよ!

背小さいくせに私より胸あるよ!



「いちいちうるさいやつだなぁ…

これくらい魔女なら誰でもできるだろ…」


「………魔女?」




やばい…関わっちゃいけない子かな?




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