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うさぎと、つばめと、おうたと

「ノールがおねぇちゃんなの~」

「おねぇちゃんなの~」


「ノームはいつもまねっこなの~」

「まねっこなの~!」

翌日。

狩りの首尾は上々だった。クロスボウについては案の定、奇異の目で見られたけど、それ以上にその威力にみんな目を見張った。実のところ獲物の動きを止めたのはその威力よりも矢に着けられた毒に因るところが大きいはずだけど、その辺りの説明は省いている。オオヘラジカを仕留めた時には「脚に当たったから、歩けなかったんじゃないの」なんて理屈をつけてみたり。



狩りから帰ると集落の入り口でフランとノンノ姉さんと双子が出迎えてくれた。なんかこの4人、いつも一緒な気がする。


「お疲れ様」


ノンノ姉さんが労ってくれた。その後ろで双子は一生懸命雪を捏ねていた。


「んーとねぇ?うさぎー!」

「うさぎー!」


うさぎ?良く見ればそこいらには楕円形に捏ねられた雪の塊がいくつも転がっていた。どう贔屓目に見てもうさぎには見えないけど。


「笹の葉とか、南天があればもっとそれらしくなるんだけどね」


とフランが苦笑する。



夕食の後には双子にせがまれたフランに付き添ってノンノ姉さんのテントへ。僕も入ると流石に少し窮屈な感があって、ノバク兄さんも斧の手入れをしながら眉をひそめていた。

フランは双子にせがまれるまま、おとぎ話を話して聞かせた。自分もそこに座りたいのだろうに、フランの膝の上を妹に譲ってみせる辺りがいじらしい。とか思っていたらノールもちゃっかりノンノ姉さんの膝の上に上がり込む。

話の節々で「○○って、なぁに~?」と(その殆どがノールから)質問が飛び、その都度フランが説明に追われる。双子にもおとぎ話の世界を想像出来るようにと、僕らの知らないものを僕らの知っているものに例えたりして、一つ一つを丁寧に噛み砕いて話すので、なかなか進まない。

そんな中で一番心に残ったのは、つばめという鳥が出てくる話。つばめがあちこち飛び回るその話は、初めのうちこそ胸が躍ったし、集落のみんなに尽くすつばめの姿に心打たれた。けれど話が進むにつれて、つばめの仲間たちは暖かいところへ引っ越してしまって一人取り残されてしまったりと、徐々に物悲しい話になってゆく。ついにはつばめがみんなのために尽くしてそのまま死んでしまうという結末を迎えた。そのつばめの姿が最も美しいものと神様に認められたと締めくくられて、幾分かの救いがあったように僕には思えたけれど、涙目の双子はそれでは納得しなかった。


「しんじゃったら、なんにもなんないよー?」

ぐすっ「なんないよぉ?」


「でも、鳥も人もいつか必ず死んじゃうんだよ?私も、フランさんも、あなたたちも、いつか、必ず」


「フランおねぇちゃん、しんじゃやだーっ!」


泣き喚きながらしがみつくノームの頭を撫でてフランが続ける。ノールは必死に目元を拭っていた。


「私はそんな簡単には死なないわよ。でもだからこそ、何の為に、何をして生きるのか、ってことはとっても大切なことなのよ」


そう言ってフランもそっと頬を拭った。



それからフランは双子に歌を歌って聞かせた。僕らの知らない言葉で紡がれた歌はゆったりとテントの中を満たす。意味は分からなくても、その優しさが伝わり、僕の体を包んだ。

その優しい旋律に癒されてか、それとも単に泣き疲れたのか。泣きじゃくっていたノームもいつの間にか小さな寝息を立てていた。ノールも随分と眠そうだ。


「お邪魔しました」


フランがテントの入り口で頭を下げる。僕がノームをおぶって、フランがノールの手を引いて。双子たちのテントへと向かうその途中で、不意にノールが立ち止まり、下を向いたまま、呟く。


「フランおねぇちゃんは、いつかいなくなっちゃうの?」


子供ながらに、聡い。いや、子供だからこそできた質問かもしれない。


「うん。あんまり長くは居られないんだ」


「………やだ」


ぽつりと、しかしはっきりとした拒絶の言葉が、その小さな口から零れる。


「ごめんね。私もノールちゃんやノームちゃんと一緒に居たいんだけど、ずっと一緒、っていうわけにはいかないんだ。だから――」


屈んでその顔を覗き込む。


「一緒に居られる間はもっと仲良くしてね?それから私が居なくなった後もたまーに私のことを思い出してくれたら、嬉しいかな?」


「フランおねぇちゃんも、もっとなかよくしてくれる?ノールたちのこと、わすれない?」


「うん」


握った手に一層力を込めて、左手も添えて。固く握り合う手が、そのまま約束の固さだとでも言うかのように。その握手は随分と長く続いた。

初めての方もいつもの方もご覧頂きありがとうございます。明日にはついに原稿落ちそうです。パメラです。こんばんは。


某ゲームアプリがイベント入っちゃったとか、それに備えるつもりだったのに昨日寝落ちして下書き全然出来てなかったとか、挿入するつもりで「おうた」の英訳にサビだけなのに1時間もかけちゃった(しかも結局カットww)とか。それもこれも全部自業自得で、自動地獄です。


プラムからして他言語ってことで英語を…と思ったのですが、よく読むと普通に「ナイフ」とか「テント」とかゆー単語が。恐るべし、日本語。それらがなくても英訳はあんまりにもあんまりだったのでとりあえず、ボツ。高校3年間で、すべての定期テストで英語が赤点だったような人間は頑張るべきではなかったのですよ…



そして狩りのシーンもほとんどナシww

バトルシーンっていつくるの?


気長にお待ち下さいm(__)m


http://ncode.syosetu.com/n9603ce/1/

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