#00 GAME START
そうだ、あの日だ、あの日から、僕はこの戦いに身を投じることになった・・・
僕はその日、いつもと同じように代わり映えのない普通の日を過ごしていたはずだった。
午後六時、僕は学校をさっさと出て帰路についた。
高校の期末テストが終わって、もうすでに一週間が経ち、ぞくぞくとテストが返ってきて
クラスの奴らはいかにも「解放された!」という気分で夏休みに入るのであろう、
うらやましい限りだ。残念ながら、自分はそんな気分を味わう余裕などない。
「十二教科やって、九教科も赤点とかないだろ・・・」
無論、教師には呼び出されて説教を受けた。補習の日程もきれいに自分のやる気のない頭に叩き込んでくれた。この学校は貧乏な県立のくせに、妙に進学校気取りでいる。
久々に部活にも出たが、もう自分の腐りきった体力で皆についてゆけるはずがなく、
結局仮病で早退した。自分でもこのきつい部活に三時間もいれたことが奇跡だと思う。
七月でも日が落ちてくると案外涼しいものである。無風なことに腹がたった。
「どこかで時間でも潰そうかな・・・」テストの結果を微塵も反省せず、そんなことを
考えていた時だった。
妙に辺りが静かなのに気が付いた。いや、静かなんてものじゃない。
自分以外、周りには人間はおろか生物といえるものが居ない。建物は存在しているが・・・
空は、黒と白だけで作られた万華鏡のように二つの色がうねっている。
自分のおかれた状況が、まったく理解できなかった。そのときだった。
自分の目の前に真っ黒い布を被ったようなものが居た。居たというか、現れた。
「何だ・・・ここは・・・」
「伏せろ!」
後ろから声がした。と同時に、体勢を低くする。
バギギュッッ!
鈍い音が聞こえたと思ったら、その真っ黒いものが黒い塊をまき散らしながら
自分の目の前に倒れた。
「大丈夫か?」
後ろから声が聞こえる。状況が理解できないまま振り向く。そこには、一人の男が立っていた。
歳は僕より一つか二つ上だろう。チェックのポロシャツに丈の短いカーゴパンツ。
あまりいいセンスとは言えないが、どこにでもいるような普通の男の人だ。
しかし、明らかに普通の人とは違う点があった。彼の右手には、拳銃が握られていた。
「お前が今日から入る奴か?」手を差しのべられながら、そう言われた。
どうも、初めまして。氷塊1019と申します。
今回は、初めてというのもあり、テストも兼ねてこの小説を投稿させて
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