表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/35

10-3 神とか

 すべての推移を冷めた眼差しで見ていた男は、驚きに腰掛けていた欄干から落ちかけた。

「ウッソだろおいッ、自力で権能定めやがった!」

 赤い橋の縁、背後には一方通行で車が走り抜けていく。普通ならその場に人などいるものではないが、車に乗る人物は誰一人男を気にもとめない。

「後ろ盾もなしにどっから持ってきやが──」

 言葉の半ばで銀髪の男は、少しの違和感に気づいた。左手、指先、小指の先。爪が剥がれて血が滲んでいる。それは本来異なる姿の男に分かりやすく視覚的に示される欠如だった。

「オヤジの権能盗っていきやがったのかッ!?」

 借りていたはずのものがない。例えば水底のカキアをここに吊るす力。例えば今カキアからロエを引き剥がす力。

 カキアを関連させて作用する力がことごとく見つからない。カキアにまつわるすべての力が、権能として奪い去られた。

「クソがァッ!!」

 神とは呼び難いほど極小な権能。だが超局所的権能がゆえに、誰も手出しできない強固さに至っている。

 元より眷属でしかない男では、神そのものには太刀打ちできない。

 怒りに全身を震わせながら、男は一瞬にして姿を消した。

 消えたことにも、また誰一人気付かない。何事もなくただ、赤い橋を渡る車は、永遠に続いていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ