表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/9

Ⅲ:仔猫

 枯野(かれの)に佇む、その(ふる)びた教会(エクレシア)は何処か不気味で、また、美しくもあった。白く(くす)んだ儚げな壁に、王冠を戴く丸屋根の()せた臙脂(えんじ)が映えている。朽ちた漆喰は所どころが()がれ落ち、褐色の煉瓦(れんが)が火傷のような(まだら)の模様を描いていた。成人の背を越すほど高く連なる白い格子柵(ラティス)は、おそらく彼らの手製だろう。所々が(いびつ)で、塗り(むら)がある。センサーだのレーザーだのと云った流行(はや)りのもてなしはまず無いだろうが、避けるに越したことはない。単なる家畜の防衛目的で設置している可能性もある。だとすれば、あの柵の足元を掘るまで、安全とは言い切れない。混み合う枝の合間から、迫り出した柱廊玄関と平たい三角屋根の切妻壁(ペディメント)が見えた。閃光を(かたど)った彫刻が、かつての栄華の面影を遺している。(さき)の折れた丸屋根の王冠に争いの跡を仰ぎ見て、男は靴裏を擦り当てるようにザクザクと音を立てて歩いた。 乾いた砂を蹴る音に、次第に子どもたちの声が混じって来る。錆色(さびいろ)のジャケットは乾草色(ほしくさいろ)の平原に目立つはずだが、遊びに夢中なのか、徒歩の来訪者などまるで想定していないのか、不用心にも誰も気がつく様子はない。しかし、そろそろ自由時間が終わりを告げてもいい頃だ。自然と歩幅が広くなる。視線は柵の中へ注ぎながら、耳は前後左右の広範囲へと(そばだ)てていた。接近する不審な人工音があれば、すぐにでも進路を変えねばならない。一度立ち止まって胸元のファスナーを開き、仔猫が顔を出せるように調整した。顔に陽が当たると、腹が空いているのか小さな口を開けて、か細い声で鳴いている。坂を下る間中、会話の糸口や演じる役柄についてあれこれ思案していたが、近づくにつれ、だんだんと億劫(おっくう)になった。安易な嘘は辻褄合わせが面倒なうえ、いずれボロが出る。ましてや器用に媚び(へつら)えるような性質(たち)でもない。変に取り(つくろ)うより、この奇遇な仔猫にひと役買ってもらうのが得策だろう。


 小さな頭を撫でながら白い格子柵(ラティス)の傍に差し掛かると、不意の衝撃に男の足は鉛になった。その瞬間、緊張も任務も忘れ、ただひとりの男として愕然(がくぜん)その場に立ち尽くした。そよ風に(なび)く、豊かな白金の髪。あの水辺の家で哀哭に浸り、繰り返す浅夢に気が()れかけた。水面に消えゆく後姿に追いすがりながら、いつか、振り返ることを常に恐れていた、その背中は ─── 。


“ ─── セラ”


その、声にならない声に、白金の髪がふわりと揺れた。少女が立ち上がると、辺りの視線が導かれ、次々と男に向けて注がれた。安堵と落胆に蹌踉(よろ)めきながら現実に立ち戻った男は、気を取り直し、ゆっくりと白い格子柵(ラティス)の方へ歩み寄った。口元に慣れない微笑みを浮かべていたのは、子どもたちへの愛想と、あまりの情け無さから自らに(わら)いが(こぼ)れたからだ。背格好も年頃もまるで違う。大人びてはいるが、まだ、あどけなさの残る少女を見間違えたのだ。少女は下手な愛想笑いには(まど)わされず、清廉な怯えた瞳でじっと男を見つめている。その腕は誰かを(かば)うように背後へ回り、顔だけがたゆまず不審な男を警戒していた。静かに間合いを詰めながら、その腕の行先を確かめようとしたその時、彼らの前に立ちはだかるように、背の高いひとりの奉賛者(ディアコニア)が進み出た。


「何者です、柵から離れてください」


女は緊張した面持ちで、不審者の爪先から頭の先まで調べ上げながら、自ら盾となってその場に留まった。男は彼らを驚かさないようゆっくりと手の平を見せて両手を上げ、枯木の陰から慎重にその身を(さら)して行った。ギリギリまで下げたファスナーから腹の仔猫が落ちないか、そっと視線を下ろしたその瞬間(とき)だった。


「リリィ」


突然、黒衣の盾から少女が駆け出し、勢いよくフェンスにしがみついた。驚いて立ち(すく)む男は、この巡り合わせに何か数奇な運命めいたものを悟り、喉が締められるような苦しさを感じた。間近に見る今にも泣き出しそうな青い瞳もまた、胸の奥を()き続ける、あの残影を彷彿(ほうふつ)とさせる。押し寄せる視線に急き立てられて、男は(ようや)く詰まる言葉を捻り出した。


「 ─── そこの(くさむら)で拾ったんだが、君のネコか?」


その時、幾つもの顔の中から、凍てつくような鋭い気配を感じて、男は少女の背後を探るように見遣った。そこには、重い前髪が目元まで垂れ下がった黒髪の少年が、瞬きも無く射殺すような眼光でじっとこちらを睨んでいた。それは、幼くして多くを失ったことがひと目で解る、暗い夜空のような深く傷ついた獣の眼だった。


「父親が昔、この辺りで戦ったもので。それで、今はこの辺りの警備を」


傘を広げたようなアーチ型の屋根と、台座に立ち並ぶ円柱(まるばしら)の回廊を歩きながら、あながち嘘でもない話を交えて、男は何とか会話を繋いでいた。仔猫を抱いた少女は仔猫を抱き、豊かな白金の髪を揺らして静かに前を歩いている。大柄な女の前を行く子どもたちは時折重い思いに振り向いて、異邦(いほう)の来客を物珍しそうに見上げていた。背後をちらりと振り返ると、また別の子どもたちが仔犬のようについて来て、柱の陰に見え隠れしながら絶えず様子を(うかが)っている。監視するよう訓練されているのかとも思ったが、単なる好奇心のようにも窺える。あの鋭い瞳の少年は、いつからか姿が見えなくなっていた。 予想に反して、この元教会(エクレシア)の環境は明るく、質素だが思いの(ほか)健全に整えられていた。衣服の状態や顔色を見たところ特に不穏な影もなく、子どもたちは案外自由な生活を与えられているようだ。あれから“仔猫の恩人”として、拍子抜けするほどあっさりと門を通された挙句、建物の内部にまで招かれるとは、まるで想定外だった。男は右耳に()めた小型音声通信機(MSD)録音(レコーディング)機能以外、記録用のすべて装備を(くさむら)に置いてきたことを悔やみながら、さり気なく辺りを見回し、建物の間取りや目測を出来るだけ正確に脳の記憶回路へ記録していた。あの丘からは視認不可能だったが回廊の中心には小さな中庭があった。中央には石の噴水の名残があり、周りには手入れされた畑に芋の類の芽が植っている。水源は不明だが一角には収穫を終えた林檎(りんご)の樹がまだ青々と生きていた。その生い茂った枝葉の頭上には、ひと際高い尖塔の壁が(そび)えている。本来の用途は鐘楼のはずだが、果たして現在(いま)もそうだろうか。


「奇遇なものです。この孤児養護施設(オルフェス・テッサ)は、その昔、野戦病院として使われていました。君主(モナク)もあの戦いに赴いていたのですよ。あいにく、今は不在です」


暗闇に消えてゆく回廊の突き当たりを透かし見ながら、尖塔への経路を予測していた男の緊張は一気に張り詰めた。無意識の本能が、今、ただならぬ危機感を憶えたのだ。引き留める丸腰の理性を無視して、男は不躾に確信めいた質問を投げかけた。


「あなたも以前、医療機関(カミーユ・マナール)に?それとも ─── 」


ひたりと足を止めると、サーロスは両手を前に揃えたまま、不気味なほどにゆっくりと振り返った。


「私たちは、自然と共に生きることを選択しました。無機質な公用語とは無縁。ここでは、謹むように」


口を(つぐ)んだまま、男は不服を漏らさず何度か頷いて見せた。まるで杖を向けられたような支配的な視線と声色だ。サーロスが高慢な微笑みを残してまた前に向き直って歩き出すと、負け惜しみに、その背後から衣に包まれた(くび)を睨み据えたた。すると、たおやかな白金の髪が振り向いて、無垢な瞳で不機嫌な男の顔色を窺って如何にも心配そうに見上げて来る。咄嗟に眉間を緩め、男はゆっくりと瞬きをして微笑んで見せた。どうにも、調子が狂う。


「その傷は、野ネズミに(かじ)られたようだ。逃げるのを見た」


仔猫は、腹に丸めていた包帯ごと白い洗面器の中に入れられていた。はじめは滑車付の処置台にそのまま乗せてみたのだが、満足に眼も開けられないというのに、台の上を右往左往と動き回るのだ。サーロスは、先曲がりのピンセット摘んだ赤く滲む脱脂綿を銀の皿に置くと、猿のような大きな手で仔猫の腹を掴み上げ、尻尾の先を指で掴み、頬骨に乗せた丸縁眼鏡の向こうから、ほんの小さな傷口を真剣に診ている。薄い眉を上げると額に横筋が浮か浮かんだ。(まぶた)と目尻には青い血管と細かな(しわ)が刻まれ、虹彩の周囲に薄い濁りが見える。細工を施していないのなら、年齢は五十代後半から六十代と云ったところか。獲物(クァリー)と変わらぬ年頃だ。鍵付の硝子棚に並ぶ数多(あまた)の薬品、子どもの数にしては過剰な治療器具、そしてこの手つき ─── もはや疑いようがない。この女も、かつて医療に携わっていたのだ。


「いつの時代も、ネズミは病原菌の媒介者。傷口に化膿は見られないけれど、この様子では時間の問題でしょう」


偵察を悟られぬよう神妙な面持ちで仔猫を見つめていた男は、そっと上着を撫でた。気のせいか、横腹が熱を帯びたような、(うず)き出しているような気がしないでもない。不吉な運命に(さいな)まれていると、上部が弧を描いた旧い扉が開き、白い琺瑯(ほうろう)の洗面器を持った少女が慎重に部屋へと戻って来た。その後ろには締め出された野次馬の子どもたちが、閉まる扉の隙間に諦め悪く顔を()じ込んでいる。


「ソーニャ、顔を拭いてあげなさい。そこの布を使って」


「はい」と慎ましく応えると、ソーニャはやさしく仔猫を抱え、アーチ窓の傍に据えられた診察台に腰掛け、膝の上の小さな生命(いのち)生成(きなり)の布で愛ではじめた。窓から差し込む金糸の光に包まれ、慈しみに首を(かし)ぐその姿は、まるで天から降りて来たのかと見紛(みまご)うほど清らかだった。男はその絵画のように異質な美しさに惹き込まれ、また時を忘れて見惚れていた。


首長(メテル)サーロス、リリィはもう大丈夫でしょうか」「そう、言いたいところだけれど断言は控えます。随分と衰弱しているようだから詳しい検査が必要よ。でも、残念ながらここに獣医は居ません」


サーロスは惚けていた男の顔を覗き見ながら不自然に言葉を切った。その視線の意図は明らかだ。男は誤魔化しきれぬ動揺に思わず眼が泳いだ。予想もしていない展開だった。丸腰は判断を見誤ったと認めるが、この一度きりならまだしも、二度も単身で敵の陣地に乗り込むほど浅はかではない。そもそも演技や潜入の(たぐい)は専門外だ。交流の不器用さは、身に沁みるほど自覚している。


そして、いずれ、ここで誰かが血を流すことになるのだ。─── この臭いに狂いは無い。


気不味(きまず)さに口籠(くちごも)っていると、漂う流れに便乗するように、懇願に潤んだ無言の視線が一心に自分へ向けて注がれていることに運悪く気がついた。


「・・・俺が預かる。詳しい人に診せよう」


青い瞳は、何故か獣の牙を弱らせる。望まれた応えを聞いた二人は(よろこ)んでいるようだが、妙な(わだかま)りと不服を胸に、男は覚束ない眼を開けたばかりの、青い瞳の仔猫を、独り黙って見つめるより仕方なかった。


「そうと決まれば、仔猫にミルクを与えましょう」


サーロスは、あたかも祝いごとのように手を合わせた。君主(モナク)と呼ばれるあの男に仕え、ほかの奉賛者(ディアコニア)たちからは一目置かれる存在。厳格な威圧感と支配的な風貌に反して、案外面倒見の良い一面もあるようだ。子どもたちが怯えて避けていないのもそのためだろうか。


しかし、どうにも、きな臭い。


幸い、まだ食欲のある仔猫の食事を見護りながら、男は少し離れた壁に寄り掛かり、歳の離れた親娘のような二人を眺めて物思いに(ふけ)っていた。すると、サーロスが(おもむろ)に診察台から腰を上げ「失礼」と、突然、そそくさと部屋を後にした。少女は見知らぬ男と二人きりになったにも関わらず、動揺も見せず、落ち着きを払って変わらず仔猫に微笑みかけている。男はその隙を逃さず、傘の骨のような穹窿(ヴォールト)造りの高い天井を見渡し、監視カメラや配線の形跡を探った。しかし、一見したところ開放的な天井に怪しげな物も電子機器の一切も見当たらない。


「ねぇ、名前を教えて」


不意に親しげに声を掛けられ、男はまた言葉に詰まった。険しい顔を見られたのでは無いかと懸念したが、少女の顔は晴れやかなままだ。


「 ─── ルイス・フェニックス」


口を突いてそう応えてから、偽名も浮かばぬ愚直な己を一発殴ってやりたくなった。コードネームを明かさなかっただけまだマシだが、もう遅い。ここを出たら早々に地下巣本部(ケイヴ)に連絡して全ての情報保管庫(コーパス)のセキュリティを強化し、当面監視の依頼を出すより他ない。レフに懇々(こんこん)と絞られる近い未来が目に浮かぶ。


「私は、ソーニャ。苗字は無いの」


何故かと訊ねかけて、無神経な問いかけは何とか喉元で喰い止めた。この、孤児養護施設(オルフェス・テッサ)で暮らしていることが、少女のすべてを物語っている。


火の鳥(フェニックス)だなんて、神秘的な名前ね。羨ましい」「養父から貰い受けたんだ、昔の名は故郷に置いて来た。ルイスは、本名だが ───」


真に聞き入っている青い瞳に乗せられてぺらぺらと回る舌を恥じ、男は次第に小声になり、終いには固く口を閉じた。この明朗な純粋さには、ひとの本性を引き出す不思議な誘引力でもあるのだろうか。黙り込んだ口下手な男をやさしく見つめ、ソーニャはまた言葉が紡ぎ出されるのを、いつまでも穏やかに待っていた。


「─── 後ろに居た、あの黒い髪の少年は、君の弟か?」「いいえ、あの子は ───」


そう言いかけて少女はさっと口を閉じ、淑やかに顔を伏せた。すると、間もなく扉が開き、銀のトレイと繊細な銀細工の鎧を着た硝子(がらす)のカップが現れた。その(わき)には小皿に盛られた薄紅色の何かと小さなスプーンが添えられ、あたたかい茶葉と香水のように甘い(かお)りが湯気に流れて漂っている。


「私としたことが、客人にお茶も出さず、失礼を」


サーロスは、部屋の隅に置いてあった三又(みつまた)の丸テーブルの上にトレイを据えると、半透明の得体の知れない何かを小さく(すく)い、硝子(がらす)のカップに溶かしてから、それを手にして会釈とともに男の前に差し出した。色は紅茶のようだが、これは何の匂いだろうか、飲み慣れない物に違いない。


「いや、せっかくだが・・・」「外は冷えます。ご遠慮なさらずとも ───」「首長(メテル)サーロス、お言葉ですが、その方はきっと苦手なのです、その、香りが」


見兼ねたソーニャが遠慮がちに口を挟むと、サーロスの微笑みに一瞬(ひび)が入ったのを、男は見逃さなかった。


「それは、林檎の花びらを煮詰めて、夏に私たちが作ったジャムです。ここでは、冬を越すための貴重な保存食なの」


ソーニャがそう付け足すと、サーロスは酷薄そうな口元に薄く笑みを残して目を伏せ、そっと退いてカップを銀のトレイへ戻した。そのもてなしは、わざわざ男の為に支度したものらしく、そこに二人のカップは無い。ささやかな負い目と鈍い違和感を抱きながら、男は一旦その場を取り成した。


「─── 無礼ですまないが、心遣いには、感謝する」


回廊へ出ると野次馬たちの姿は消えており、若葉に芽吹く春の気配の中庭だけが長閑(のどか)に出迎えた。男は去り際を察して挨拶をと口を開きかけたが、向かい合ったソーニャは何やら抱えていた仔猫をサーロスに手渡したかと思うと、突然、無防備な懐にふわりと抱きついてきた。


「ありがとう、ルイス」


男は成す術もなく棒立ちでそれを受け止め、息の詰まった声で、ただ「ああ」とだけ返事を(こぼ)した。またひとつ、糸が絡まり(こじ)れたような気がしてならない。過去に遠ざけたはずの光景が、懐かしいぬくもりを伴って、ほんの目と鼻の先に(よみがえ)っている。拷問のような時間に耐えながら、せめて気を逸らそうと顔を上げると、何処からかまた、冷やりと刺さるような凍てつく気配を感じた。無意識に(いざなわ)れるように回廊の突き当たりの暗闇へと視線が彷徨(さまよ)うが、ざらざらと潜む闇に動くものは無い。しかし、確かに、そこに居る。やがて、流れていた雲がゆっくりと晴れ、中庭を鮮やかに照らしはじめた。いつの間にか少女が身体を離して腕を掴み、その顔の注意を引こうと必死に見上げていても、男は気づかず喰い入るように闇を睨み続けた。─── 足だ。陽射しに浮き上がった円柱(まるばしら)の陰から、生白い足だけが、まるで幽霊のようにふたつ覗いている。顔や上半身(からだ)は見えないが、あのヤギ小屋の少年に違いない。


「そこで何をしているのです!」


サーロスが突然、(むち)を打つように言い放つと、生白い足は、ぼうっと融けて闇の奥へと消えて行った。男は後を追おうとする衝動を堪え、何も訊かず、あの少年に関心がある素振りの一切を伏せ、すべてを感じるままに抑え込んだ。


“シビル ─── ”


震える唇が、その氷雪の大地の名を、微かに囁いた。男はソーニャの狼狽(うろた)えた表情(かお)とサーロスの形相を冷静に見定め、再びこの場に戻るであろう自らの運命(さだめ)を、独り静かに受け入れた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ