表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
51/111

絵の具を制作し、古典技法テンペラで絵画を模写しなさい。

朝のルーティンをして学校に向かう。


最近自分が美大生であることを忘れている。あまりにも当たり前の日常になってきているからだ。


今日、金箔貼りの続き少しはする時間あるかなぁ。とか思いながらバスを待つ。一番前に並んでる女子はつなぎ(作業着)を着ている。ふ。


最近彫刻学科と油絵学校の区別がつくようになってきた。そんな能力多分必要ないけれど。


何の役にも立たない能力が一つ一つ増えていく。




彫刻学科の女子に一番前のいつもの席取られた。




ああ・・・今日はバッド・デイかもしれない。




喫煙所で大学を工事している職人さんたちと遭遇。お疲れ様ですと心で思う。


それにしても精神が安定しない。ルナルナアプリを開いた。生理まであと8日か、ああ、これはPMSだ。




教室へ。授業までまだまだ時間ある。よし、金箔貼るぞー。チャイムが鳴った。仕方ない。ボロボロの額縁だけれど作業工程を次に進めなければ。貼り付けた金箔を磨いて行く作業にうつった。




教授による絵の具作りのデモンストレーションが始まった。まず、卵を割り、卵黄を取り出し、ビーカーにお酢を小さじ2杯入れて混ぜる。ここまでがテンペラマグラ。テンペラグラッサも卵黄までの下りをやり、リンシードオイルを小さじいっぱい入れて、混ぜてまる。そこにお酢を入れて混ぜてエマルション状態を作る。お酢も2回に分ける。保存するには、蒸発防止の為、サランラップをかける。紙パレットにチタニウムホワイトの顔料を置く。それを水とペインティングナイフで練る。そこに作った乳剤を入れ、ペインティングナイフで練る。しっかりとしたツヤが出るまで乳剤を加え、練ると絵の具の出来上がり。テールベルトは相当顔料が必要。絵の具は乳剤を思っているより多めに作る。出来上がったチタニウムホワイトは梅皿に移動。移動したら蒸発を防ぐために水を足す。次にテールベルトを作る。紙パレットにテールベルトを起き、水を加え、ペインティングナイフで練る。水は少なめに。テールベルトに白を混ぜて、レッツ描画。




身長180cm越え女子をもう一体発見。




男なのか?


そのおっぱいはどうなっている?




朝から頭に入らなくなった。2人も身長180cm越えの女子(?)がいるとは・・・ふ。


席に戻ってまた金箔を磨いた。金箔が上手く貼れて、磨き終わった人はもう絵の具作りをはじめている。ふ・・・人は人、自分は自分だ。私はまだ金を磨かなければならない。メノウ棒という一本一万円する謎の筆みたいな先に石がついたもので金箔をゴシゴシ。ひたすらゴシゴシ。




手が痛い・・・。保護画面を剥がした。現れる着色前の下描き絵画。


女子トイレで、身長173cm女子と175cm女子が話し合っていた。私たちより背が高い女子人2人いるよね、いるいる。と声が聞こえて去っていった。あの、多分、それ私が気になっていた人。




二人とも多分もともとは男性だと思うんだよなとか心の中で思う。




教室へ戻り、机の上を片付けて、レッツ絵の具作り。と、思ったらいきなり教授のデモンストレーションがまた始まった。




ベルダッチョは、黒とイエローオーカーと少しホワイトを混ぜる。形に沿っていく有機的な曲線の割合です。あの、教授、何言ってるのか分からないです。描き始めると夢中になって、喋らなくなる教授・・・今、何やりましたか?え?


赤、黄色イエローオーカー、白を混ぜてと。ふむふむ。デモンストレーションが終わったので絵の具作りへ。いざ、展色材まで作り、絵の具を練ろうとしたらお腹空いたことに気が付く。チタニウムホワイトに展色材を混ぜたところで早弁することにした。


 テンペラに一層目のテールベルトを置いた。お昼休み入る前に2層目を塗る。




お昼休みになった。ひゃっはー、私の時代到来。しほのアトリエに行ったらしほ不在で、元右隣ちんぽバカ男子と話をした。しほを探しに世界堂へ。しほ発見。勿論絵の話になった。しほのアトリエに遊びに行き、更に美術の話に花が咲く。楽しい。教室に戻り、3層目テールベルトを塗り塗り。ドヤ顔で次の作業にうつろうとしていたら、教授に手直しされた。ふ・・・


 次はベルダッチョの絵の具を作る。少しだけ表面を乾かす時間にトイレに来た。教室戻ったらいよいよベルダッチョのハッチングである。




せっかち女子がハッチングを施しているのに、その下の層を助手に直されている。ふ、同士よ。さっき私もその気持ち味わったから分かるぜ、ベイベー。




木のブロック2つ重ねてその上に長い物差しを置いてワンチンにする。即席ワンチンの出来上がりだ。いでよ、ベルダッチョ、お絵描きターイムハッチング技法。




なかなか進まない。教授のデモンストレーションと言う名のライブペインティングはもともと倍速再生YouTube画家の5倍速くらいのスピードでした。




私には無理ゲーです。


まだまだ修行が足りません。


ああああああ、模写するにしても私が選んだ作品、一番難しいやつだあああああひいいいい。




ひたすら筆をシュッシュシュッシュ、シュッシュシュッシュ。辛くなってきたので助手にうざ絡みする。


私「色付けていいですか?」


助手「うーん・・・」


私「生きるのが辛くなってきました」


助手「それは色を入れて行きましょう」


私「はーい!」




絵の具作りである。作ったら描く描く描く色を混ぜる描く描く描く描く。作成したテンペラ絵の具と展色材にサランラップをかけて名前書いて冷蔵庫に閉まってバス停まで全力疾走。


今日も無事死なずに終わることが出来た。帰ったら家事とか仕事とか。もう1ビットも人と連絡取りたくない。何もしたくない。明日もお絵描きしなきゃいけないのか・・・。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ