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テンペラ画(金箔貼るのが下手くそ過ぎて放課後居残り)

昨日は、しほとお昼休みにした話によると、私が履修登録ミスしてるから、来年卒業制作に入れないからもう1年在学が確定しているというから帰宅して、血眼になってパソコン開いて履修登録一覧とシラバスとにらめっこした。履修登録関係の書類を探そうにも、自宅アトリエが画材に埋もれていてなかなか床を掘っても掘っても出て来なくて死にたくなった。ようやく書類を見付け、読み込む。必死だ。学費と時間諸々人生がかかっているからだ。隅から隅まで読み込んだが、そんな事はどこにも書かれていなかった。おい、しほ。時間返せ。でも、しほの言ってたこと、かなり論理的だったな・・・書かれてないことばかり起こるこの学校ではあり得るかもしれない覚悟は少し持っておこう。今日しほと学校で会えるかな・・・。

家を出た。駅で、絵の具まみれになっている私の作業着を見て、知らないキラキラ女子大生と思われる女子に舌打ちされた。地味に傷付くんですけど・・・そういうのやめてもらっていいですか?確かに私は絵の具まみれで物乞いみたいに見えるかもしれないけど、あなたに何か悪い事しましたか?ただ存在しているだけなのに睨んで舌打ちとか酷くないですか?


学校着いた。WiFi繋いで荷物置いてしほのアトリエに遊びに来た。しほいなかった。ふ。

エレベーターで彫刻学科の女子の背中を力いっぱいシバいた。

凄い形相で振り向く女子。手に着いた蚊を見せて謝った。間違えて彫刻学科の階で降りてしまったのでまたエレベーターに乗った。


教授の説明が始まった。額縁の石膏盛り上げ作業が終わっていない人がまだたくさんいる。

整形のデモンストレーションが始まった。まずは石膏で盛り上げた額縁部分にカッターで形を整えていく。カッターの刃の部分とは逆の平らな面を石膏にあてて削っていく。最後にヤスリを使ってヤスリがけをする。


席に戻った。いでよ、物差し、カッター!いざ、制作である。

あああああ・・・出鼻ミスったああああ。

カッター使うの下手くそ過ぎるううう。仕方ないので、彫刻刀をかりてきた。彫刻刀でミリ単位以下の細かい削りをしていく。ふふ、楽しい。来年彫刻履修しようと心に決めた。あ、ミスったあああ、助けて、助手〜

助手に最初の切り込み全部やってもらった。ぐひ。カッター、彫刻刀、ヤスリがけ、カッター、彫刻刀、ヤスリがけ・・・あれ、私なんでこんなことしてるんだろう。我に返ってはいけない無になるのだ。彫刻刀たっのしーい。

作業していたら左隣女子が話しかけてきた。何か、話が合うので掘り下げて話したら、学生寮にいるらしい。出身は岐阜の多治見と言うので、岐阜に言って感じた岐阜の良さで会話に花が咲いた。もちろん目は合わさず、お互い作業しながらの会話である。多治見と言えばやはり陶芸である。陶芸経験者から陶芸の話が聞けた。陶芸を履修することは今後ないだろう。


作業していたら突然はじまる講義・・・ふ、慣れてきたぜこの下り。

フレスコが濡れている間、壁が濡れている間に描き、顔料が乾くと定着します。教授ううう、何か一言前置き言おうよ。フレスコ画は今日塗る描く部分だけ漆喰を塗る、それでまた乾いたら違う面を塗って描いていた。でもそれじゃ画家がここをもっとこう直したいという願望があり、それで接着剤が開発されて誕生したのがテンペラ画であると。何かの授業で既に学習した知識だなぁ。肌の調子をよりリアルに描こうとして生まれた描画法がハッチングでテンペラの中に少しずつ乾性油が混じることにより油絵が誕生した。ふ、教授、知ってる。


テンペラにはテンペラマグラとテンペラグラッサがある。今回やるのはテンペラマグラ。ふむふむ。テンペラマグラは卵黄のみテンペラグラッサは油が混ざっている。ほーう。

アフレスコ

フレスコ・セッコ

テンペラ

油彩、水彩

アクリル

凄い楽しい。教授の授業。めっ・・・目の前のせっかち女子がスマホゲームやってるううう。ふ。


次はボーロ塗りをしてボーロ磨きをして、作成した額縁に金箔を貼ると。待って、教授、今までの講義に出てきてない。ボーロ塗りって何?きょうじゅううう。あ、プロジェクターに映された。ボーロ塗りの意味分かった。百聞一見にしかずってこれだなぁ。


ボーロ塗りのデモンストレーションが始まった。薄塗りをして何回も塗り重ねていく。早速実践である。お腹すいたので、ゆで卵、チョコ、ミニトマト、プロテインをほおばりながらボーロ塗りをしていく。また誰よりもはやく終わってしまった。暇である。ふっ。暇過ぎて先に磨き作業に入った。何だろうか、この地味で面白くない作業は・・・ワタシハナニヲヤッテイルノダロウ・・・。


待ちに待ったお昼休みが来たひゃっはー!

喫煙所にやって来た。むひひ。いつもの席だ。ぐへへ。私の時代到来。

世界堂前でしほを発見。絵の話で大盛り上がり。水彩マスキングはがす専用の消しゴムがあるということを教わった。今までの苦悩は何だったのだろうか。外国人あるあるだけれど、やっぱり星座を聞かれた。しほも水瓶座らしい。水瓶座はおっちょこちょいらしい。髪の毛切らない方が個性的で良かったと言われた。はっきり物事伝えるところ、いい。日本人ならそこは遠慮して、嘘付いて似合ってるよとか言う。しほ、学内WiFiあること知らなかったみたいだ。しまいには日本人男性とアメリカ人男性の話、世界の話まで展開した。しほ、好き。連絡先消したけど。


教室に戻ってきた。またボーロ塗りを磨く作業である。金箔の貼り方のデモンストレーションが始まった。とにかく風に気を付けることと、はーい。金箔が貼り付かないように、道具一つ一つにベビーパウダーをふる。紙にロウソクの廊をなすり付けて、紙を剥がし。廊をつけた紙に金をつけると金が貼り付く。1回ボーロに水を筆で乗せていく。これが糊の役割をする。金箔紙を必要な幅の分ベビーパウダーをつけたハサミで切る。ボーロに金箔を乗せる。金を貼り付けたらまた磨く。席に戻りまたボーロを磨く。飽きた。そろそろ金箔はりに行くかな。


金箔を貼った和紙にだいたい4.5cmと定規であたりをつけてハサミで切っていく。金が剥がれた〜ちーん。筆に水を含ませてボーロに水を塗り、金箔を貼っていく。やばい。金箔貼るの凄い下手くそだ。下手くそ過ぎて授業中喫煙所に来た。喫煙所では大学院生が集まって生成AIで自分の描いた絵から人物を消せるか悪戦苦闘していた。消してどうするんだろうか。教室に戻った。2回目金箔貼りのデモンストレーションが始まった。なんだと?2回目は「息」で貼るだと?マジか。1回目でもガタガタやったのに金箔貼りオワタ。それよりも右隣女子が気になる。身長180は越えてるよなぁ。男か?男なのか?女にしか見えないそのおっぱいはどうなっている?気になって教授のデモンストレーションが頭に入らない。髪の毛に金箔ついてるし。そんなこんなで席に戻った。一層目の金箔に磨きをかける。2周目金箔貼り、教授の言う通り息で貼ろうとしたらもっと酷いことになった。講師に助けを求めるが、一カ所の修復しかしてくれなかった。ふ。金を和紙に貼るところからやり直しだ。金のこのデリケートさは、女性の臀部と思うことにしよう。女性の臀部は非常にデリケートだ。よし、意識を変えて、女性の臀部に水を少し優しく塗り、金を貼り付けてみた。ぬおおお。失敗したああああ。やはり私に金箔貼りの才能はないみたいだ。金箔の無駄遣いなのだ。講師に助けを求めに行こう。ダメだ〜。


居残りが確定した。


理由「金箔を貼るのが下手くそ過ぎて。」


死にたい。教室追い出されるまで金箔を貼った。

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