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2025/07/05

生まれ変わったらカップ麺を3分待てるような人間になりたいです。私の志はいつだって低いです。おはようございます。朝4時です。

朝のルーティンをこなし、家を出た。階段11段飛び降りる。うりゃあ!あっけなく成功。交番にやってきた。何度目だろうか。自分でも諦めが悪いと分かっている。分かっちゃいるけどやめられない。前回勝手にお巡りさんをクロッキーしようとして怒られたので、今回は先にお巡りさんに声をかけた。

私「あのー、学校の課題で人物画描きたいんですけどクロッキーからエスキースして本画に至るまでにええと、だから、クロッキーさせてください」

お巡りさん「・・・ん?」

私「あの、速写させてください。10分時間下さい」

お巡りさん「写真は撮ってはダメなんだけれど、私でよければどうぞ」

私「え?いいんですか?やったーーー!ありがとうございます。早速失礼します」

鞄から鉛筆画用の筆箱とクロッキーブックを出す。ひゃっはー、私の時代到来。

お巡りさん「制服は描かないでね」

私「はい、かしこまりました」

ふんだんにお絵描きをしていると、話しかけてくるお巡りさん

お巡りさん「この前のムサビの学生さんだよね」

私「はい。」はっ・・・覚えられていたか。ふ。

お巡りさん「大変だね。何年生?」

私「3年生です。あ、3年生と言っても3年次編入したので入学したてホヤホヤです」

お巡りさん「前の大学どこ?」

私「・・・」

お巡りさん「前の大学どこ?」

私「◯◯大学です」

お巡りさんが奥からもう一人出てきた

お巡りさん二人から尋問されながらお絵描きをする

お巡りさん「◯◯大学て・・・こんなアホなお巡りさん描いている場合じゃないでしょ」

私「そんなことないです。ご協力頂けて大変助かります」

お巡りさん「実家どこ?」

私「徳島県です」

お巡りさん「徳島のどこ?」

私「鳴門です」

お巡りさん「鳴門かあ。実家には帰ってる?」

私「いいえ、全く」

お巡りさん「たまには帰りなさい」

私「はーーい(やる気のない声)」

お巡りさん「夏休みは帰るの?」

私「帰りません」

お巡りさん「なんで帰らないの?徳島凄くいいところじゃん。行ったことないけど」

私「行ったことないんかーい!」

一同大爆笑


無事、お巡りさんをクロッキーして、お礼を言って去ろうとした、その時

お巡りさん「家どこ?」

私「そこです(指をさす)」

お巡りさん「住所は」

私「きちんとこたえる」

お巡りさん「3年生といったら就職活動だね。就活どうするの?」

私「しません」

お巡りさん「え?就活しないでどうするの?」

私「画家になります」

お巡りさんの複雑な気持ちの表情を見逃さなかった。

私「ありがとうございました。本画もし描いたら持ってきますね」頭を下げた。


てな感じで一度家に戻り、お巡りの絵にフィキサチーフをかけ、鉛筆を削った。ふう。土曜日の始まりだぜ。ぐひひ。スタートは良い感じである。

買い物リストに4Bの鉛筆追加と。

ポケットからリップを取り出した。いつもと塗る感覚がなんか違う・・・リップを見た。

こっ・・・固形ヤマトノリたとおおおお!?

やるせない気持ちと共に唇を拭いて、洗った。

さて、お買い物タイムである。薬局で歯ブラシを買った。古い歯ブラシは何のお絵描きの画材にしようか楽しみになってきた。バラエティーミートの平澤商店にやってきた。人物画の協力をお願いして、全身と上半身アップの写真をふんだんにとらせてもらった。

松屋にやってきた。納豆朝食を注文した。お腹いっぱいになった。食べ過ぎた・・・。角上魚類へやってきた。カワハギいないかな〜。脳内クロッキーが始まった。イサキをクロッキーアジをクロッキーイカをクロッキーノドグロをクロッキー。何も買わずに魚屋を後にした。あれ?なにしに来たんだっけ・・・

一昨年くらいに使っていた日焼け止めを出して塗り塗り。日焼け止めの色はニュートラルグレイか、ふふ。

マクドナルドへやって来た。ポテトLサイズを注文。ぐふふ。

さあ、課題の時間である。樹木、植物、食物のクロッキーだ。あれ?凄いやる気が出ない。強制的にクロッキーをする。全然楽しくない。画力も上げる気になれない。私は、これらのものに全く興味わかないかもしれない。いわゆるボタニカルアートというものから無縁の存在かもしれない。この課題キツイ。苦しい。汚い。臭い。あ、3Kどころか4Kである。

なぜ興味がわかない?描いている対象がその辺に生えている雑草とか木だからか?こんなものにどつやって感情移入するのだ?やばい。しかも、花とかどうでもいい。




興味ないものをクロッキーし過ぎて壊れた。オリジナルソング「民謡樹木植物食物課題のうた」を手拍子しながらおそらく1キロ先まで届くくらいの大声で歌った。少しだけすっきりした。

こうなったら自分で自分を洗脳するしかない。ワタシハニンゲンジャナイ ワタシハニンゲンジャナイ ワタシハキカイデアル ワタシハキカイナノダ

そうだ。お絵描きマシーンなのだ。ひゃっはー!


夜は、西洋美術史をやろう。

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