政府の仕事(休日編)
リサイクラー
処理項目
紙
プラスチック
液体:水
金属:アルミ 鉄
木材:小型 大型
「良太・凛ちゃん、お待たせ」
今日は土曜日、政府の仕事で1日いろんな場所で『リサイクラー』を使う。あれから何度かレベルアップして新しく
・金属:鉄
・木材:大型家具
が追加された。鉄が増えたことで鉄の割合が多い合金なども処理で来たり、大型家具も対処になったことでほとんどの木材が処理できる。容量も増え現在最大200トンまで処理でき、一番最近のレベルアップにより時間経過により最大処理量が回復していく。検証した所一時間に10トン回復することが分かった。これによりそこそこ長期間で活動できるように。
今日向かう最初の場所は都内の端の方にある小学校の廃校。この小学校は少子化が原因で10年前に合併して廃校となった。何か利用できないかと考えて数年放置した所ゴミが不法投棄されそれ以降放置されていた。
高速道路を降り、風景に畑や緑が増えた場所を進み目的地に着いた。小学校としては3階建てのスタンダードな校舎で体育館やプールもある。しかし外からでもわかるがゴミがたくさん放置されている。
「まずはどこから進めるの?」
「校舎の一階からお願い」
校舎の玄関に向かうとゴミ袋や家具・自転車などが敷き詰められ、教室へとつながる通路や階段は埋め尽くされている。まずは右の通路から。スキル範囲を伸ばしながらごみを処理していく。ほとんど処理できるがスキル対象外のごみが少し残るので凛が結界で端に寄せていく。
スキルが弾いたモノは日葵姉ちゃんが回収して返還専門の部署へ送る。右の通路の清掃が終わると次は部屋の中だ。最初は職員室だった場所で入り口付近のごみをごそっと処理していく。これは大変だ。それから2時間かけて校舎も含め体育館やプールも終わらせる。
「OK。これなら少し清掃員に頼めば十分利用できるわ」
初めて学校全体を清掃したがこのスキルの凄さが再確認できた。ごみはもちろん残っていた机や扇風機・黒板・図書室の本なども処理できるので、処理後の部屋はすごくすっきりしている。これなら重機で更地にもしやすいだろう。
ちょうど昼時なので次の目的地に向かう途中日葵姉がよく通う食事処へ向かう。着いたのは街中にある平屋の食事処『あじさい食堂』。店内に入ると
「いらっしゃい・・あら、日葵ちゃんじゃない」
「食べに来ましたよ、紅子さん」
店員である紅子さんに案内され席に座るとすぐにお茶の入ったコップとティーポッドをもってきてくれた。
「ここは総菜をいくつか選んでご飯・味噌汁と共に食べる大衆食堂スタイルよ。いくつか頼んでみんなで食べましょう」
数分後、注文した料理が並ぶ。唐揚げ・サバの味噌煮・春巻きをメインにほうれんそうのお浸し・ブリ大根・ほうれんそうの胡麻和え・豆腐なども並ぶ。それらの料理を味わいながら午前中の疲れをいやす。
昼食を終え本日最後の訪問先、廃工場に着く。入り口には『モンスター生息中』の看板に立ち入り禁止のテープが張られている。
「ここも数年前につぶれた家具関連工場なんだけど、どこかの闇ブリーダーがモンスターの捨て場所として利用してしまったの。更に魔物達は工場内の設備を壊しながら隠れ蓑にしているからどこから強襲してくるかわからないし、隠れられてモンスターの数もわからない。だから良太に廃棄物の処理を、凛ちゃんに魔物の討伐、私に工場内の調査が頼まれたの」
入り口から進み受付施設に近づくと
「グルㇽ」
「早速お出ましね。凛ちゃん、お願い」
「はい」
施設の影から出てきたのはオオカミのモンスター:グリーンウルフ、ランクCの魔物だ。グリーンウルフが突っ込んでくるが
「キャウ」
凛のが生み出した結界の壁に叩きつけられる。動きが止まったグリーウルフに向け凛が結界を槍上に形成し突き刺し倒していく。
「結界ってそんな戦い方もできるんだ」
「まあね。ただ守ってるだけが結界じゃないのよ」
グリーンウルフを倒した後は受付施設周りのごみを除去しつつ、工場内に入る。内部は椅子や机・キャビネットがバリケードのように数か所固められている。そのバリケードの影からまたグリーンウルフが襲ってくる。凛がさっきのように結界で貫くが今度のグリーンウルフはバリケードの後ろに隠れてこっちの様子をうかがっている。このままだと凛の攻撃が当たらない。
俺はリサイクラーでバリケードを除去して凛のサポート。グリーンウルフの姿が見えたので凛が攻撃する。
「凛、後ろ!」
「良太、後ろ!」
順調に工場内を進むが扉をけやぶり凛の背後からグリーンウルフが襲い掛かる。と同時に折れの背後からもグリーンウルフが襲い掛かる。今の状態では凛の結界は間に合わない。
俺は牙をたて噛みついてくるグリーンウルフと向かい合い構える。噛みつかれる瞬間腕で軌道をずらし流れをコントロール。ひっくり返しながら背中側から近くのとがったパイプに突き刺す。
凛視点
良太の声で後ろを振り向くとこちらへ向けて爪を振ろおろそうとしているグリーンウルフが。この距離だと結界は間に合わない。今こそ修行の成果を出す時。息を整えグリーンウルフの腕の振りに合わせて腕を添える。力の流れをコントロールする感覚を感じつつ遠くへグリーンウルフを投げ、結界で貫く。まだ習ったばっかだけどこの護衛術凄い。教え方もうまいおかげかまさに流れるように動けた。
急いで良太の方を向くと背中から地面のパイプに突き刺さったグリーンウルフの姿が。さすが良太、一人でも倒せるのね。工場内だけどいたのはグリーンウルフだけ。数は100体いたけど良太君のサポートもあって、さっきの強襲以外は危なげなく調査できた。