外国のリサイクラー依頼:ブラジル編②サバンナの悲劇の爪痕
ウィーン
金属製の扉が開くと部屋につながる。
「ここは最終確認部屋となります。安斎さん⦅結界⦆をお願いします」
ブラジル軍の申請で凜がその場にいる30人ほどに⦅結界⦆を施す。各自装備の最終チェックを済ませ廃tyて来た扉とは逆の扉をくぐり禁止区域に侵入する。扉の先はサバンナの光景が続くが黒いもやもやとした瘴気が薄くあたりを包んでいる。
「入り口付近はまだ死体の処理が進んでおり瘴気の量は少ないですが、奥に進めば進むほど瘴気の量は増えていきます」
「まずはどのくらい処理しますか?」
「襲ってくる魔物の量の確認もしたいのでまずは5体分一気にお願いします」
ブラジル軍の指示で未処理エリアの魔物の死体を解体する。すると
ぐうるるるう
周囲から獣の唸り声が聞こえ草むらから大量の魔物が襲ってくる。事前に聞いた通り死体処理を行うと周囲のまま斧が襲い掛かってくる。
「フォーメーション2で対応」
すぐにブラジル軍人が前に出て応戦を始める。
「じゃあ私たちも行くわね」
「行ってらっしゃい。気を付けて」
今回は数が多いので凜・エルも参戦する。魔物が倒れていく様子を日葵姉達非戦闘員とみていると
ガアアアア
2匹のハゲワシの魔物が包囲網から抜け出しこちらに向かってくる。ほかの研究員が武器を取り出し構えてるが
「日葵姉」
「ええ」
俺と日葵姉が迎え撃つ。空から一直線に襲い掛かってくるハゲワシをかわしながら右回し蹴り
グェ
見事顔面に当たったハゲワシは顔を勝ちあげられ無防備な腹を出す。そこへ右こぶしを振りぬき吹き飛ばす。今の一撃では倒せないが飛ばした先には軍人がいて無事倒してくれる。
「亮ちゃん」
同じように弾き飛ばした日葵姉が手を上にあげてハイタッチの体制をとるので
パチン
応える。それから10分後襲い掛かってくる魔物は倒れて死体となる。
「良太さん」
「はい」
すぐに⦅リサイクラー⦆で処理する。その様子をブラジル軍の人は嬉しそうにみている。うん?どうしたんだ?
「ここは戦場だ。気を引き締めろ」
先ほど指示していたブラジル軍大佐のジャルガダさんが部下に檄を飛ばす。
「すまない。聞いていた以上に君のスキルがすごくて、今皆期待を持ったんだ。今までは襲ってくる魔物の死体を処理するのにも時間がかかってしまい全然進まなかったんだが君のスキルなら一瞬。なら私たち戦闘員が頑張ればこの『サバンナの悲劇』の除去も一気に進むとね。スキルにまだ余裕はあるんだね?」
「はい。ぜんぜん」
「なら頼む。今回の遠征でここを取り戻そう。私たちも協力をおしまない。なあ?」
ジャルガダさんが声をかけるとブラジル軍の人たちが手を上げたりうなずいたりで返事してくれる。




