能力を有効に使え!文化祭⑧舞台『ドラゴン・ハンター』③
ダンジョン内での休憩の場面を経て舞台は最終盤面へ。
カチッ
舞台の照明のスイッチを入れる。壁は凍り付いた岩壁、地面にはドライアイスで冷気を放っている。その冷気は安全面の関係上凜の結界で外には漏れないようにしている。
「さらに寒くなってきたわね」
「どうする、隼人?そろそろ戻る?」
「いや、依頼は失敗でしょうがないけどこの冷気の以上だけは原因を探さないと。もしかするとスタンピードの前兆かも」
『彼らは異常だと理解していてもダンジョン内を進みます。それはもしこの異常がスタンピードの前兆だとしたら原因だけでも突き止めて冒険者ギルドに伝えすぐに対応しないといけないからです。そして彼らの前にそれは現れます』
明たちは舞台左側で物陰に隠れて通路先を確認します。
「!みんな」
「うん、急いで戻ろう」
明たちは何かを見つけたリアクションをした後、右袖へ戻っていきますが
「下がって!」
綾乃の掛け声で元来た舞台左側へ戻る。ここで効果音
ズドドドドン
重い物が連続で落ちる音。それに合わせて舞台右側の天井から氷の塊(模型)が落ちてくる。よし、きれいに決まった。明たちが舞台左側に消えた瞬間ライトを切って最後の暗転。道具組が急いで舞台を整える。
ライトのスイッチを入れる。最後の場面は氷の洞窟。右袖から明たちが
「はあはあはあ」
息を荒げながらやってくる。ここでおどろおどろしい効果音
ドゥードゥン ドゥードゥン ドゥードゥン
ドシドシドシ
「ギャオオオオオ」
『彼らの前に現れたのは巨大な氷属性のドラゴンです。ドラゴンの発する冷気が周囲に影響を与えて、ダンジョンの一部が凍り付いていたのでしょう。普通ならダンジョンを脱出してすぐにギルドに伝える状況ですが、すでに退路は防がれています。明たちはどうするのでしょうか?』
舞台左側から青色のドラゴンの模型が現れる。この模型は物語の最後に出てくる模型で作りにもこだわっている。それにドラゴンの大きさと明たちの立ち回りを考えて、腕と翼・尻尾・頭の5パーツ作っており、それぞれの大きさは舞台の1/3を埋める大きさ。ここからこの歌い最大のバトルシーン。
「みんな逃げ道はふさがれてる。覚悟を決めてここで倒すぞ」
「ええ」
「ドラゴンハンターなりましょう」
「おお」




