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高校生活の始まりと政府の仕事とその成果

凛が家に来た。俺の護衛上一緒に住んだ方がいいというわけで同居することに。幸い部屋は余っているので母さんたちはすぐに了承。あれは事前に日葵姉から相談されていたな。じゃないと昨日の今日で引っ越しなんてできないだろう。


コンコン


「はい?」

「良太、引っ越しのごみ削除してほしいんだけど」

「OK」


これから長い付き合いになるからお互い名前で呼び合おうってことになった俺たち。凛の部屋に向かうと一か所に固められた引っ越しのごみが。


「そういえば良太のスキル見るのって始めてね」

「ああ、そうか。まあ一瞬だよ」


 ごみの中には金属製(鉄・アルミ・銅など)のもあるけど大丈夫。レベルアップにより金属も削除範囲内に。まあ、まだアルミだけなんだけどね。手を掲げ範囲を指定念じる。


「すごい。本当に一瞬で消えた」

「便利だろ」

「良太・凛ちゃん、パンケーキ焼いたわよ」

「「はーい」」


そして数日後


「行きましょう、良太」

「ああ」


今日は高校の入学式。凛と一緒にこれから3年間通う高校に向かう。俺が進学したのは地元の国公立の一般校。凛も護衛として一緒に通学する。俺がSランク認定されたのはもう入試が終わっていたから、すこし政府がごり押し(試験はちゃんと受けたけど)したらしい。だから俺や凛のランクも学校の一部の関係者には知られている。まあ情報統制されるからそう簡単にはばれないと思うけど。


 クラスも護衛の観点から俺と凛は3年間同じとなっている。さすがに席は運だけど。クラスに入るとみんながこっちというより凛に注目している。まあしょうがないよね、俺から見ても凛は美人だし。

「良太、彼女は誰なの?」

「私も気になるわ」

「僕も」


明・綾乃・隼人が席に近づいて聞いてくる。応えようとすると


「初めまして、安斎凛です。良太の家に居候させてもらっています。皆さんよろしくお願いします」


いつの間にか凛も居て自己紹介を始める。


「同居?」


だよね。そこ気になるよね。


「親同士が知り合いで、凛の家族が急に海外で働くことになってそれならうちで暮らさないかって話になったんだよ」


事前に打ち合わせ済みの説明をしてると何やら視線を感じる。そちらに目を向けると炎治・安藤・江口がこちらをにらんでいる。


「あの3人か。真白が注目浴びてるのが気に入らないんだろう」

「ファイアリザードにボロ負けしたんだよな」

「ああ、浜田達が倒したから俺達も倒せるって思ったんだろ?」

「ファイアリザードって強いの?」

「討伐ランクはBの魔物で炎耐性が高いからそれ以外の属性で攻撃しないといけないんだ。でも田中のスキルは『火炎魔法』だろ?いくら威力があってもまさに焼け石に水ってわけ」

「だったら他の冒険者に手伝ってもらったらいいんじゃ?」

「あいつらの普段やダンジョン内の素行の荒さは知られてるからな。だれもくみたがらないんだ。まあ、自業自得だな」


 そして放課後、俺と凛は近くのスーパーの駐車場に向かった。駐車場には一台の黒塗りの車が止まっており、俺達は乗り込む。これから政府からの仕事で都内の不法投棄された廃工場に向かう。一応学生の追跡を振り切る目的でこの駐車場を合流場所にしている。


「おつかれさま、良ちゃん・凛ちゃん」

「お疲れ、日葵姉ちゃん」

「お疲れ様です、日葵さん」

「良ちゃん、スキルの容量はどう?」

「学校で少し使ったけど、まだまだ余裕だよ」

「OK」


日葵姉ちゃんの運転で着いた場所は廃屋となった工場。ここは数年前倒産して政府に変換された土地なのだが、壊すのにもお金がかかるので放置していたら少しずつゴミが放棄されていった。政府が対処しようとしている時はもう時すでに遅しで、内部のごみを処理するにもお金と時間がかかるため放置されてきた。周囲にも家屋が建っていたがゴミの激臭に耐えきれず引っ越していき、この土地の値段は下降していく。


本来なら防臭・防護服を着て処理するところだが、今回は凛の結界で体をおおう。凛の結界は遮断する成分も自由に選択できるので、呼吸に必要な成分以外を弾くことで理論上どんな場所でも活動できる。


「良ちゃん、お願い」

「OK」


俺は片っ端から⦅リサイクラー⦆で処理していく。処理していくごとに埃や虫が湧くが凛の結界により弾かれていく。マジで結界があってよかった。


「日葵姉ちゃん、これが限界」

「OK。十分な成果よ。今週は後2回お願いするわ。よろしくね」


こうして初仕事は終わった。


ここは能力管理庁の会議室。部屋内には波頭含め数人の職人が集まっている。日葵が説明を始める。


「では一週間の『リサイクラー』の成果について説明します。今回向かったのは都内の数年前に倒産した廃工場。土地は国に返還されましたがその時からすでにゴミが溜まっており、処理に人件費・時間がかかるので放置されていました。こちらが成果となります」


スライドに移されたのは処理前と処理後の写真。


「これはすごいな。半分ぐらい減ってるんじゃないか?」

「はい。日数は三日、処理時間は2時間、処理量は30トン。現在廃工場の半分まで処理が終わっており、来週で現在でのリサイクラーの処置は終了です。またリサイクラー自体成長過程なのでさらなる成果を見込めます」


「報告ありがとう。とりあえず十分な結果は出てるな」

「はい、今回良ちゃんに処理してもらっている廃工場ですが実際に処理すると

・人件費(ゴミ持ち出し・分別・除染・運搬・焼却など)

・車両費(トラクターやごみ収集車など)

・焼却・リサイクル費

などなどにより約6か月5000万の費用が掛かる見込みでした。全てではないですが実働時間で約半日、処理量は半分以上となると十分な結果と思われます」

「うむ。今後のリサイクラーの処理項目だがこちらの要望を聞いてくれると確認は取ってるな?」

「はい。これまでの傾向からこちらの優先順位で本人には伝えています」

「どれどれ・・・」


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