凛のガールズトークと不穏な気配
凛視点
「涼しい」
「今年の夏は暑かったもんね」
放課後、友達と一緒にファミレスに寄り道。すごい女子高生っぽい。良太には私の勾玉預けてるし、護衛にエル、何かあったら連絡してとは言ってるから。良太に会うまではこんなのんびり学生生活ができるなんて思わなかったわ。
女子高生が集まると美容や最近の流行・ちょっと勉強の話そして
「うふふ、この夏の夏まつり彼氏とファーストキスしたの」
「えー、すごいロマンチックじゃん。最高の思い出ね」
恋バナ。夏休みもあったからね、皆色々発展してるみたい。でも私たちは花も恥じらう女子高生。ファミレスみたいな公共の場で過激な言葉は控えないとね。
「あのね、とうとう明君と付き合うことになったの」
「よかったわね。長年の恋がかなったじゃん。告白はどっちから?」
「明君からしてくれたの」
「浜田君、やるわね」
綾乃はすごくうれしそうに報告してくれる。よく私たちも相談にのってたからね。
「でも注意した方がいいわよ?『ドラゴンスレイヤー』で注目が集まってるから注意した方がいいわよ。変な虫が寄ってくるかもしれないわよ」
「え?」
「私の友達も何人か狙ってるって言ってたもん」
「嘘?気を付けないと」
「で、凛の方はどうなの?」
「私の方はまだまだアピール期間中ね」
「まあ、真白は大丈夫じゃない?凛と競おうと思う人って少なそうだし」
「友達としては人気高いんだけどね。私も相談に乗ってもらったし。でもスキルがアレだとやっぱりいつも一緒にいる真白君と比較しちゃうし」
まあ、今の評価だとそうかもね。ライバルが減ってうれしいけど。良太と一緒に暮らしていくうちに少しずつ彼に惹かれていったわ。いままでこんな感覚は知らなくて母さんや梢さん・流歌さんとか身近な女性に相談してこれが初恋ってことに気づいたの。
それからいろいろ作戦考えたわ。まずは彼にこっちを意識してもらわないといけないから今は色々アタック中よ。ボディタッチもはしたない程度に実践中。良太のスキルの凄さが世間にばれる前にこっちを意識してもらわないと。
それにエルのあの目・雰囲気少しずつ良太に惹かれてるわ。まあ私とエルは境遇が似てるから良太の良さがよくわかるのかも。まだどうなるかわからないけどエルが恋心に気づいたら話してくれるでしょ?曲がったことが嫌いな性格だし。その時考えよう
イタリアの屋敷の一室
「BOSS、アルッチから面白い情報が届きました」
男が豪華な椅子に座っている男に資料を渡す。その資料に目を通した男は
「リサイクラーだって?なんだ、このスキル。色々利用できそうじゃないか。これはうちの救世主になるぞ。おい、アルッチに伝えろ。こいつさらうぞ」
「了解、BOSS」
少しずつ裏世界に良太の情報が流れ始める。良太に魔の手が忍び寄る。




