スタンピード:サバンナの悲劇
10年前サバンナの奥地のダンジョンでスタンピードが発生。アフリカ政府もスタンピードの恐ろしさは知っており全土に調査を進めるように伝えていた。しかしサバンナは広く猛獣も多く、当時の政府の役人がめんどくさがりな性格でダンジョンの探索をしっかりしていなかった。
スタンピードの初動は他のスタンピードより数も範囲も緩やかだったが徐々に周りの魔物やサバンナの生き物を魔物化させ拡大していく。現場の住人が確認するころには観測史上率いる魔物の数も範囲も最大規模となっていた。のちに『サバンナの悲劇』と呼ばれるスタンピードの始まりである。
「ブモオオオ」
「ガオオオオオ」
眼前に迫る魔物化した動物たち。その動きは統率されており一匹の超巨大な動物のような威圧感を放って迫りくる。
「ひ、ひるむな!ここが突破されるともう後がなくなる。後ろには家族がいるんだ。絶対止めるんだ」
「うおおおお」
ここにサバンナ最大の激突が始まる。スタンピードが発覚して半年、自国の冒険者ではスタンピードが収められないとやっと理解したアフリカ政府は重い腰を上げ全国に救助要請。全国の冒険者も加わり少しずつスタンピードの侵攻を収めるアフリカ政府。そして
スタンピードが発覚して8カ月後とうとうスタンピードの主と遭遇する。
「でかい」
「ドクドクと脈打ってます」
スタンピードが発覚してから衛星写真で中心地を撮影すると巨大な赤い肉塊が確認されていた。しかしスタンピードの勢いが激しすぎて誰も近づくことができず、その肉塊を確認できなかった。
パリィ
「ひびが入ってる」
「全員警戒しろ」
肉塊にひびが入り、そのひびが肉塊全体に広がる。
ドスン
冒険者の近くに巨大な肉片が落ちる。飛んで来た方向を見ると肉塊の一部を突き破り出てくる巨大な蛇の頭。更に2頭飛び出してきた蛇の頭は肉塊を食べ始める。
「あれはアナコンダか?」
「だったら毒や溶解液に気を付けろ」
「違う。あれは尻尾だ。こいつはキメラだ」
起き上がる肢体。6本の足に火・氷・風を纏う3つの頭、そして尾から伸びる3つの蛇の頭。のちにトリニティ・ドルベロスと名付けられるスタンピードの主との遭遇である。
スタンピードの発覚から1年、多大な犠牲を払いながらどうにかトリニティ・ドルベロスを倒しスタンピードを収めるアフリカ政府。しかし眼前に広がるたくさんの魔物の死体。復興するのにどのくらいの年月がかかるのか1年・・3年・5年・・10年・・もっとかかるかもしれない.




