外国の『リサイクラー』依頼:フランス編①エッフェル塔奪還作戦
ちょっとしたトラブルもあったけど一日を挟み外国の依頼最後の一国イギリス。今までの実績から頼まれていた場所ではない別の場所をお願いしたいと変更があった。その場所を聞いたら確かに早く済ませたいだろうな。
「ここがエッフェル塔か。見る影もないね」
『ダンジョン化しています。何度も挑戦したのですがダンジョンボスが全く見当たりません。おそらく巣の奥深くに居座っていると思うのですが、蜘蛛の糸とハチの巣の相乗効果で中心に進むほど耐熱・耐寒・耐融などあらゆる手段が効かず現状は広がらないように囲むしかありません。どうにかできますか?』
「試してみます」
普通サイズのハチの巣や蜘蛛の巣は試したことがあるけど、このサイズだとどうだろう?試しに最大サイズで解体してみる
ドサッ
きれいさっぱり蜘蛛の巣とハチの巣は消え去り、内部にいた大型のクモとハチがこちらに気づき襲い掛かってくる。が
ビリッ
ズサ
ダダダダ
クモには銃弾、蜂には雷を帯びた槍が突き立てられていく。そのまま目の前に墜落した最後の一匹から槍を引き抜くと軍服の女性が号令をあげる。
「みんな、見たな?今日こそ我が国のシンボル取り戻すぞ」
「うおぉぉぉ」
今日の作戦は俺の解体状況で2パターン考えられていた。参加するのはSランクスキル『エレクトリカル』(電気使い)のフランス軍大佐ミッシェルさん率いるフランス軍、作戦指揮は作戦基地で待機しているフランス大統領カトリーヌさん。もし俺の『リサイクラー』がクモやハチの巣に効果が薄ければ本来の作戦(周囲の巣排除)。2パターン目が
「姉さん、彼の能力はこいつらには有効よ。援軍をお願い。第2段階に移行するわ」
『わかったわ。これより作戦名:エッフェル塔奪還を発令。待機していたメンバーは作現地に合流。リョウタの『リサイクラー』を援護しつつ敵を殲滅せよ』
ここからはクモとハチに戦いなれているフランス軍に襲い掛かってくる敵の殲滅を任せ、俺・凛・エルはフランスの調査員と共に倒壊などを気にしつつ現地で相談しながら解体していく。
「クモの糸めんどくさいわね」
エッフェル塔に近づくほど襲い掛かってくる魔物の数は増えていく。フランス軍も頑張っているが俺達の方にも攻撃が届いてくる。凛の結界で防げるけど大量の粘着性のある糸は鋭利に尖らした結界でも切断が難しく視界が白で埋め尽くされる。
ボウ
今度は視界が赤く変わりクモの糸が燃え視界がはっきりする。凛の結界があるので『火炎』系のスキルで一気にクモの巣を排除してもらうこのままだと結界が固定されて動けないから。もし結界を解いたらクモの巣が周りから崩れて生き埋めになる。




