外国の『リサイクラー』依頼:ロシア編①ツンドラ宮殿
一日休息を挟んで次はロシア。北海道とは比較にならないほど寒いそうなのでできるだけ防寒はしっかりしていく。アメリカと同じくエルのテレポートでロシアの大統領府に移動する。
「初めまして、イリナ・ドラグノフよ」
「真白良太です。よろしくお願いします」
迎えてくれたのは白い肌に深い蒼い瞳の妙齢の女性イリナ・ドラグノフさん。彼女がロシアの現大統領。隣にはイリナさんの夫兼ロシア軍の大佐である筋肉隆々な妙齢の男性ログス・ドラグノフさんが握手を求めてくる。凄く手の皮が厚くて力強い。
「これから向かう場所はロシアでも特に寒さが厳しい場所なの。だからこれを渡しとくわ」
イリナさんから渡されたのはタイマーのついた腕時計。なんだ、これ?
「これは極寒でも使える体温測定器。『ヒーター』所持者を連れていきますが離れすぎるとその効果は弱まっていきます。なので常にこの測定器を身に着けて体調に気を付けてください」
「ありがとうございます。大事に使わせてもらいます」
皆の準備を終えエルのテレポートで目的地周辺まで移動して、目的地までは車で移動する。
「資料でも伝えました通り、これから向かう場所は『ヒーター』所持者がいないと防寒処理を施した車両・戦闘機でもガソリンや電子機器などが凍り付き停止・落下します」
外からの景色は変わらず吹雪すさぶ雪景色だが、時折凍り付いた樹や岩・建物が見える。北海道では雪が積もってるのは見たけど凍り付いてるのは初めて見る。これがツンドラ地帯ってやつ?
車で以時間ほど進むと映画でしか見たことがない巨大な宮殿が見えてくる。
「ここは私の実家ドラグノフ家が代々受け継いできた宮殿。でも30年前この一帯の気温が突如下がり出しこの宮殿も凍り付いてしまったわ。気温低下の原因は巨大なクレパスの下に出現したクジラ型の魔物。その魔物は倒したのだけどこの地域の気温は変わらなったわ。さすがに暮らす気は無いけど氷漬けの状態から解放できないかと試したけどどうにもならなかったの」
「それで君に頼んだんだ。宮殿内の魔物の討伐は私達ロシア軍も手伝うから解体作業に集中してほしい」
北海道では雪事削除できたけど氷はどうなんだろう?たぶんこの宮殿自体はイリア大統領が所持者みたいだから『リサイクラー』の効果外のはず。一応心配だから庭の噴水に向けて使っとくか。
パァ
「あ!」
「ここまで一瞬で消えるのか。これはいったのか?」
「でも、まだよ」
よかった、きれいに氷消えた。でもロシア側の人はまだジッと噴水を見てる。どうしたんだ?しばしロシア側の人の動きを見守っていると安堵した表情に変わった。こっちの表情に築いたイリナさんが答えてくれる。
「ごめんなさい。今まで火炎系のスキルで表面の氷を溶かしたり、攻撃系のスキルで表面を削ったんだけどすぐに元通りになったのよ。でも良太君のスキルだと完全に消えるみたい。改めてお願い、宮殿を元通りにして」
ロシア側の人が全員頭を下げてくる。俺は慌てる。
「いやいや、頭をあげてください。依頼なんできっちり解体しますよ。でも戦闘面はお願いしますね」
「任せろ」
こうして本格的に宮殿の中に入って氷の解体を始める。




