氷像みぞれとの闘い
氷像みぞれはその名の通り雪と氷の巨大な像となり襲い掛かってくる。凛が結界で壁を作り巨大な像の攻撃を受け止める。
ドシン
巨象の一撃で凛の結界にひびが入る。凛は距離を取るが
「くっ」
巨象は拳部分だけ切り離し飛ばし、ぐりぐり回転しながら結界にダメージを与える。その攻撃で結界は消滅するが、さらに巨象の拳が飛んで来る。凛はすぐに結界を再展開して攻撃を防ぐ。
「エル」
凛の掛け声で巨象の背後に回ったエルは警棒で殴る。しかし
カン
表面にひびを入れるだけ。巨象は動きを止めると
ブシュ―
体中から吹雪を発生させる。
「危なかったデス」
「エル!大丈夫?」
「ノープロブレム。嫌な予感がしたからすぐに移動したネ」
いつのまにか背後にエルがいた。第六感で戻って来たみたい。
「でも巨像のひび元に戻ったね」
「あの程度の攻撃じゃダメ。なら少しチェンジね」
エルは警棒に赤い宝石をはめ込む。すると警棒の先端が赤く光り出す。なんかほんのり温かい。
「じゃあ行ってくる」
エルは再び巨像の背後に回り込み警棒を振り下ろす。
ドスン
すると巨像の右腕が落ちる。すぐに巨像は左腕でエルを殴りに行く。しかしエルはいない。どこにいった?
ズドン
急に巨像が後ろに倒れ込む。何が起こった?注意深く見ると両足に細い結界が食い込んでいる。うしろ向きに倒れたことで氷像みぞれが入っている胸部分があらわになり、そこへ向け頭上にテレポートしたエルが赤く光った警棒を突き刺す。
「ぎゃああああ」
大きな叫びと共に猛吹雪が発生する。
「ナイスダメージが入ったネ」
「エル、その警棒どうしたんだ?」
「ああ、そういえば教えてなかったね。私の警棒特殊なギミックがあって、魔宝石をはめるとそれに対応した属性がエンチャントされます。今回ならファイアです」
カチンと警棒を振るうと警棒が伸び赤い刃が付く。これでさっき突き刺したのか。
「大体攻撃パターンはわかったネ。仕留めてクルネ」
そこからは防御・援護を凛、アタッカーをエルが対応し氷像みぞれを圧倒していく。
「ハァ」
エルの気合の一撃が氷像みぞれの胸に突き刺さり、氷像みぞれは雪となり崩れ落ちる。
「あれ?なんか暖かくなってきた?」
「これなら一枚上脱いでもいいわね」
少しずつ気温が上がっていき、このあたりの通常の温度まで戻る。
「これってどういうこと?日葵ねえ?」
「おそらく疑似ダンジョン化してたのね。さっきの氷像みぞれがBoss、倒したことで疑似ダンジョン化が解放されて元の状態に戻ったんだと思うわ」
「へぇ、そんなことがあるんだ」
「これで終わり。エルちゃんがいなかったら処理だけで3日はかかって移動も併せて全日程5日だったわ。でも予定通り進んだから明日は超能力庁もおごりで北海道かんっこぷできるわよ」
「頑張ったかいあります。北海道はデッカイドウ、広いですからいろいろ考えて回りましょう」




