夏休み開始!『テレポーター』エルネシア登場
夏休みが始まり数日後、俺と凛は成田空港である人物の到着を待つ。
「そろそろつくんだよな?」
「予定通りならさっきの便に乗っていたはずよ、シアは」
今待っているのはアメリカから来る一人の女性。なんで俺達が出迎えてるのかっていうと・・・
1学期の終業日が終わり夏休みが始まった午後、波頭さんに呼ばれ超能力庁に。
「一体何のようだろう?」
「さあ、何も聞いてないわ。夏休みになったからこれからの撤去場所の説明かしら?九州とか四国・北海道とか遠くに行ってほしいって言われそう」
「ああ、ありえそう」
職員に案内され凛と共に長官室に入る。そこには
「父さん・母さん」
「元気そうね、凛」
「楽しんで学生生活遅れてるようでよかった、凛。良太君も久しぶりだな」
「お久しぶりです、皆さん」
長官室には波頭さんの他に凛の父親兼日本の総理大臣である安斎幅切、凛の母親兼総理大臣秘書である安斎美香さんがいた。
「実は2人に伝えなければいけないことがあってね。実は『リサイクラー』の事が他の国の首脳陣にばれてね。ばれるのは時間の問題だと思ったんだけど予想以上に他国の情報網が広かった」
「そこで申し訳ないけど2人には8/5からアメリカ・ロシア・中国・イギリスに行ってもらってほしいの。すでに各国から撤去してほしい都市や地域の情報はもらって確認済みよ。危険はないわ」
「もっと早く教えてもらえなかったの?」
「ごめんね。情報の精査に時間がかかってあなた達に教えるのが今になってしまったわ」
「別にスキルを使う場所が変わるだけなのでいいですけどどのくらいの期間何ですか?4か国となると長くなりそうで新学期までに帰ってこれますか?」
「そこは大丈夫。観光兼休日もいれて10日間の予定よ」
「え?さすがに厳しいんじゃない?移動だけでだいぶ大変なんじゃない?」
「そこは大丈夫。エルちゃんに頼んだから」
「エルに?それなら大丈夫ね」
「エルちゃん28日に日本に来るから二人に迎えに行ってほしいのよ。凛なら顔が分かるでしょ?」
ということでアメリア人のエルネシア・リグ・ローグリスさんを待っている。目的の便から降りて来た人が改札口を通るなかひときわ目立つ女性を発見。眩く輝くロングの金髪、頭にはニット帽、目にはサングラス。上はワイシャツ、下はジーパンだが一目でわかるそのスタイルの良さ。その女性はキャリバッグを引きながら当たりを見渡しこちらを発見すると突然目の前に現れ
「久しぶり、凛」
「久しぶり、エル」
凛に抱き着く。これが彼女のスキル『テレポーター』。『テレポーター』は瞬時に物や人物を移動できる有名なスキルで保有者は結構いる。しかしスキルの強さはは様々でエルネシアは最高峰。
「あなたがリョウタね。私はエルネシア、エルって呼んで。これからよろしく」
「うわぁ」
凛とあいさつを終えたエルネシアが今度は俺に抱き着いてくる。これがアメリア式のあいさつ。女性特有の体の柔らかさや胸に当たるポヨンと弾む弾力にどぎまぎする。
「ほら、良太が驚いてるわ。離れて、エル」
「ああ、ごめんなさい」
凛が間に入って話してくれる。ふぅ、まだ心拍数高いや。
「よろしくエル、真白良太だ」




