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『リサイクラー』

能力スキル診断の皆さん。番号に乗っている部屋の前の席に座って番号が呼ばれるまで待ってください」


ここは東京にある能力管理庁。この世界の住人は一人一つ特殊な能力に目覚める。例えば火・水・雷を出したり、異常に力が強かったりなど。ほとんどの住民は中学3年生の2月で行われる能力診断で判明する。たまにもっと早い時期で能力が発現することもあるが。そして今日は年に一度の能力診断日。


「良太、どんな能力が貰えるのかな?」

「本がたくさん持てるスキルが欲しいな。明は?」

「魔法系のスキルが欲しいな」

「明はハンターになりたいって子供のころから言ってたもんな」


俺の名前は真白良太、東京の中学校に通う中学3年生。隣にいるのは幼稚園からの幼馴染である浜田明。明の夢はハンターで。ハンターとは世界中に点在している特殊な空間であるダンジョンを攻略して、特殊な能力を持った生物:魔物の素材や貴重な品物を採取してくる職種の事


「105番、入ってください」

「僕だ。行ってくる」


明が部屋へ向かう。


~明視点~


 番号が呼ばれ能力診断を行う部屋に向かう。母さんが元ハンターで子供のころからずっと冒険の話を聞いていて、ハンターに憧れた。必須ではないけどハンターとして生きていくには戦闘系のスキルがあったほうがいい。僕は運動神経も良くないから魔法系の能力がほしい。


そんなことを考えながら部屋に入ると測定員の職員の人とこぶし代の水晶が台座に置かれている。


「105番浜田明さんですね?」

「はい」


 職員の人に番号の書かれた紙と生徒手帳を見せます。


「確認終わりました。ではこの水晶に手を置いてください」


  職員の人の指示に従い手を水晶の上に置く。


ピカッ


「うわぁ」


 水晶から強烈な光が出て文字が浮かび上がる。


「こ、これは!カテゴリーは魔法系・ランクAの『賢者』、属性は火・水・風・土・雷の主5属性です。素晴らしいスキルですね」


 スキルにはランクで分けられており希少性・スキルの強度からD→C→B→A→S→SSの6段階に分かれている。また魔法系の場合使用可能な属性も表示される。魔法の属性は火・水・風・土・雷の主5属性と光・闇・氷・毒などの特殊属性に分けられる。


 ずっと願ってた魔法系のスキル。それもすごく強そう。興奮した職員さんから話を聞くと『賢者』は3つ以上の魔法を使えるスキルで5属性使えるのは世界でも10人ほどしかいない。


 あまりにも嬉しくボーとしながら部屋を出てスキル診断修了者の部屋の席に座る。


「おい、浜田」


しばし、茫然としていると2人の取り巻きを連れた男子が話しかけてきた。こいつはクラスメイトの田中炎治、取り巻きは安藤と江口。よく僕にからんでくる。


「その様子じゃしょうもないスキルだったのか?」

「炎治さんはランクCの『火炎魔法』だ。すごいだろ」

「俺はランクDの『剣術』、安藤はランクDの『重戦士』。浜田、お前は何だったんだよ?」

「絡むのやめなさいよ、炎治」


炎治に絡まれていると今度は女子2人、男子1人が話に入ってくる。炎治を注意した女子は生田綾乃さん、僕らのクラスの学級委員長で炎治の幼馴染。


「大丈夫?浜田君」

「うん、ありがとう。生田さん」

「気にしないで。私達も浜田君を探してたの」

「え?」

「私はランクCの『アーチャー』、友恵がランクC『僧侶』・隼人君がランクB『魔法剣士』でハンターのパーティーを組むことにしたの。浜田君も一緒に組まない?」

「いいの?」

「うん。もちろん真白君もいいよ」


 生田さんと一緒にきた一条友恵ちゃんと露原隼人君の方へ向くと頷いてくれる。だが炎治が待ったをかける。


「おいおい、そんなやつを誘うなら俺達と組もうぜ」

「うるさいな、炎治。で、浜田君、どうする?」

「うん、お願い。僕も戦闘系スキルだったんだ」

「やった」

「何だったの?浜田君?」

「ランクAの『賢者』だって」

「「「ええええ」」」




「106番、入ってください」


 俺の番だ。部屋に入ると職員の人がいて番号と生徒手帳を見せる。さあどんなスキルが出るかな。台座の水晶に手を置くと


ピカ――――


 部屋全体を覆う強烈な光が発生する。うわぁ、まぶしい。その光は数秒間続き、光が治まると水晶に文字が浮かぶ。


「これは!ちょっと待っててください」


 職員の人はどこかに電話する。一体どうしたんだ?


「真白良太さん、あなたのスキルについて相談したいことがあるので隣の研究棟に付いてきてくれませんか?」


 これどうなってるの


~研究棟~

「真白室長、アンノーンが出ました」

「久しぶりね、胡桃ちゃん以来ね。みんな、準備を始めるわよ。対象の名前とスキル名は?」

「名前は真白良太、スキル名は・・・です」

「え?良ちゃん?」


職員の人に案内され研究棟のエレベーターに乗る。


「すみません、親と友達にメッセージ送っていいですか?」

「いいですよ、でもスキルについては秘密でお願いします」

「わかりました」


  父さん・母さん・明にメッセージを送り、エレベーターを降りある部屋に通される。部屋の中はには複雑な配線が程化された近代的な機械が並べており、白衣を着た人が何らかの作業をしている。


「良ちゃーーーーん」

ぽふん


いきなり抱き着かれる。この声・感触は


「向日葵姉ちゃん?」


 俺に抱き着いて来たのは父さんの妹の真白向日葵姉ちゃん。そういえば研究棟で働いてるって言ってたっけ。


「亮ちゃんのスキルの名前は『リサイクラー』。未発見・ランク不明の謎スキル。そんなスキルが分かった時私たちがスキルの効果を調査して危険性・有用性・希少性などからランクを決めてるの。ということで今日からスキルのおおまかなことが分かるまで学校は休んでもらうからね。学校には報告済みよ。それで『リサイクラー』は何ができるの?心の中に訪ねてみて」


 そういえば学校の授業で習ったっけ。スキルで何ができるかは集中すればわかるって。目をつぶり深呼吸。すると何か声が聞こえてくる。


「えーと『手で触れた物質を???ポイントに変化します。変換できる量には限界があり、スキルレベルが上昇することで変換できる物質・量が増えていきます。???ポイントの名称・使用法については現在のスキルレベルでは確認できません』」

「変化っていうのがよくわからないわね。何が変化できるかわかる?」

「紙だって」

「ちょっといくつか紙集めてきて。材質・大きさ・厚さ・汚れ具合で変化できるのかどうか知りたいから」


日向姉ちゃんの質問で頭に思い浮かぶのは一枚の紙。俺の言葉からすぐに日向姉ちゃんがいろんな紙を集め始める。


「よし、良ちゃん。まずは普通のメモ用紙ね」


向日葵姉ちゃんからもらったメモ用紙に意識を集中してみる。するとメモ用紙はパッと一瞬で消滅して、頭の中で


総合???ポイント:1

処理総量:1%


と表示される。


「何か変化があった?良ちゃん?」

「頭の中でポイントと処理総量が表示されたよ」

「なるほど。ならこれからいろいろ試してみるから、その都度情報を教えて」

「わかった」


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