表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

【プロットタイプ】ダーリン

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

気狂い、鏡花の恋。

だからこそ、本気で嘘をつき、本気で演技をする。

だから全て本当。

俺と鏡花が『恋』のある関係になる事は有り得ない。其れは天変地異が起きようが、宇宙が消滅しようが決して。けれども『演技』の上ならば幾らでも成れる。其れが『鏡花』という女だった。

一時期、彼奴は恋愛感情を学ぶ為に、俺を想い人に設定して全力で恋をした事がある。


――私がどれだけ貴方を思っても、貴方が私の一番になる事はない。

――どれだけ私をすり潰して、貴方に捧げたとしても、貴方は私の事を見ることさえしない。

――狡い!! 狡い!! 狡い狡い狡い狡い狡い狡い狡い狡い!!

髪を指で掻き乱し、金切り声を上げる。狼狽と焦燥が綯い交ぜになった表情だった。そして其れは新たな波を引き起こし、俺にぶつけられる。

――うっ……うぅ……うぅぅぅ!! あ゛あ゛あ゛あ゛ぁあ!! 好きなのに!! 愛しているのに!!

その時の涙は演技とは思えない程、本気だった。気狂いの恋だった。

其れから数週間。俺を居ないものとして扱った。だる絡みをする事は愚か、挨拶する事さえしなかった。そうして全ての役を自分の中から消し飛ばした後、また何でもない顔で笑った。

――おはよう。瑠衣たぁん? なぁに? そんな怪訝な顔してぇ。

甘ったるい猫撫で声が張り付いて離れなかった。

翌日、鏡花は部活を休んだ。風邪の様だった。


「『狂人』という言葉は鏡花の為にあると思ってる」

部活中に俺が話題を提供した事に驚きを感じえないと言った様に、諭羅(ゆら)は大きく目を見開いた。けれども下界に降りたのはこの一瞬。直ぐに上界に戻って微笑みを浮かべた。

「確かに、鏡花は常軌を逸してる。本音を言うと、創作部よりも演劇部に所属した方が向いていると思っている。……あんなに全力で演技が出来るなら、なおの事」

俺と鏡花の『仮』の関係を知っていた諭羅は何とも悲しげな顔でそう言った。比較的まともな神経をしている此奴からは、やはり理解から最も程遠い生き物なのであろう。

けれども演劇ではきっと駄目なのだ。彼奴は俺と同じ、全て自力で何かを残したい人種だから。

だからこそ、俺は彼奴の人生を担っているし、彼奴も俺の人生を担っている。

「ダニー・カリフォルニアが聞きたいな……」

あの時の約束から、瑠衣は鏡花の、鏡花は瑠衣の人生を背負う事を決めてます。

プロポーズよりも重たい約束です。


だから鏡花の演技には全力で付き合います。

普段冷静な瑠衣が本気の感情込めたレスバするのは、鏡花だけです。


体調壊す程、役に入り込み、終われば全て消去。

でも残った絞りカスが今の鏡花を作ってそうなんですよ。


『私の人生、全部貴方にあげる。だから貴方の人生、全部私に頂戴』

こんな言葉が様々な恋愛の物語、曲にあります。

瑠衣は『ダニー・カリフォルニア』でしたが、鏡花は別の曲を浮かべたんじゃないかな。


※曲名には著作権がと及ばないそうで、載せさせて戴きました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ