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新世紀最終戦争  作者: 007
第4章 荒れる世界

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隠れ蓑

大日本帝国で決定したアフリカ諸国を捨て石にする戦略は、当然ながら叶総理以下叶内閣のみの秘密事項になった。国家機密では無く完全に叶内閣の閣僚だけの秘密になったのである。それは閣議後に宣誓をする事になり、秘密を漏らせばI3によって抹殺対象になる程の重大な秘密事項であった。

叶総理は国防大臣に対して南北アメリカ大陸諸国への軍事支援の準備と、アフリカ諸国への物資提供強化を支持した。南北アメリカ大陸諸国は大日本帝国と軍事規格が統一されている為に、軍事支援は問題無く行えた。しかも太平洋は聖域と呼べる程に安定化している為に、海路による直接援助が可能であった。

アフリカ諸国は捨て石にするからこそ、隠れ蓑として物資提供の強化が必要であった。見捨てられたと悟られない事が、今後の計画には重要だった。アフリカ諸国を見捨てる事で、亜細亜条約機構と南北アメリカ大陸諸国の軍の動員体制を整えて、戦争に突入するのが最優先であったのである。

そうと決まれば全ては動き始めた。国防大臣は叶総理の支持を受けて、軍需庁と軍事支援と物資提供について協議を始めた。財務大臣は追加の臨時予算編成に向けて協議を始め、外務大臣は南北アメリカ大陸諸国に対して軍事支援についての接触を始めた。

叶総理も南北アメリカ大陸諸国の首脳との『ホログラム会談』を行い、軍事支援について話を進めた。軍事支援を受けると分かった南北アメリカ大陸諸国は、動揺や狼狽えも即座に吹き飛び叶総理に感謝の言葉を述べた。その楽観的な態度に叶総理は驚いたが、地理的にも南北アメリカ大陸は重要である為に軍事支援を進める事になった。



『大日本帝国でアフリカ諸国や南北アメリカ大陸諸国への支援の動きが本格化している頃、ヨーロッパ合衆国のアフリカ大陸侵攻はますます激しくなっていた。2048年9月1日の対ヨーロッパ合衆国大同盟結成とシャーロット大統領による最後通牒は、歴史的な分岐点となった。新世紀冷戦はここから一気に戦争へ向けて加熱していったのである。

その戦争はある意味でヨーロッパ合衆国自身が招いた結果でもあった。地球統一政府設立を掲げ、トルコと中東・アフリカ諸国に侵攻した事が最大の切っ掛けとなった。トルコは核攻撃による国家崩壊で全土占領され、中東諸国はヨーロッパ合衆国の秘密兵器である人造人間の圧倒的戦力により占領された。

そして対ヨーロッパ合衆国大同盟結成を受けてヨーロッパ合衆国は、アフリカ諸国占領に全力を挙げる事を決定した。陸軍80個師団をアフリカ侵攻に向けていたが、中東に増援として派遣した100個師団をアフリカに振り替え、人造人間師団も100個が派遣された。

その増援を受けてアフリカ諸国にヨーロッパ合衆国は、凄まじい大規模な兵力で侵攻を再開したのである。ヨーロッパ合衆国とアフリカ諸国の軍事力差は圧倒的であり、アフリカ諸国は軍が尽く壊滅していった。大西洋と紅海に展開したヨーロッパ合衆国海軍機動部隊は原子力戦艦と原子力空母による対地支援攻撃を行い、ヨーロッパ合衆国空軍は占領したアフリカ諸国の空軍基地に新たに進出すると航空優勢を盤石なものにした。

海軍と空軍の全面的支援によりヨーロッパ合衆国陸軍は、アフリカ諸国を恐るべき速さで制圧していったのである。効率的なピンポイント攻撃により指揮系統と兵器を壊滅させられたアフリカ諸国は、死力を尽くすよりも諦めてヨーロッパ合衆国に降伏する国々が続出した。

2048年9月1日のヨーロッパ合衆国での侵攻強化の決定から僅か1週間で、アフリカ大陸はアンゴラ・ザンビア・マラウイ・モザンビーク以北までヨーロッパ合衆国が占領する事になった。これは大日本帝国としても想定外の侵攻速度であった。

このヨーロッパ合衆国の侵攻速度に、大日本帝国の支援は完全に間に合っていなかった。空軍が輸送機を用いての大規模な空輸を行っていたが、離陸して飛行中に目的地の空軍基地が占領されるのが繰り返された。その為に代替の空軍基地に着陸して輸送する事になるが、その後離陸すると離陸した空軍基地が占領されるのという悲劇も続いた。

だがそれでも寧ろ大日本帝国によるアフリカ諸国への物資提供は強化された。空輸先もアフリカ大陸最南端の南アフリカに変更され、大日本帝国空軍輸送機が大規模に動員された。それはアフリカ諸国に見捨てられていないという、希望を与えていたのである。』

広瀬直美著

『新世紀最終戦争』より一部抜粋



世間的にはアフリカ諸国への物資提供は大規模に行われ続けたが、大日本帝国としてはもはやアフリカ大陸全土の陥落は時間の問題と判断していた。僅か1週間でアフリカ大陸の7割が占領されたのである。その判断は適切であろう。

叶総理は南北アメリカ大陸諸国への軍事支援を更に強化し、兵站物資を中心に輸送を行った。空軍の輸送機のみならず、太平洋を横断する大規模輸送船団まで派遣した。亜細亜条約機構加盟国の戦争準備も整い、アフリカ諸国は貴重な時間稼ぎを行ってくれていたのである。

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