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新世紀最終戦争  作者: 007
第4章 荒れる世界

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死闘

2048年8月3日。トルコ軍は第3防衛線で死闘を繰り広げていた。


『壮絶なる戦いであったが大日本帝国等からの軍事支援は順調に届けられ、トルコ軍の兵站体制は万全であった。第3防衛線はトルコ最大の国際空港であるイスタンブール空港を拠点に、南北に縦貫して構築されていた。ある程度の土地ならばヨーロッパ合衆国軍はイスタンブール空港を無視して進撃出来たが、南北40キロにも満たない細長い土地では要塞と化したイスタンブール空港を無視して迂回する事は出来なかった。

そのような事をすればヨーロッパ合衆国軍の兵站線は重大な脅威に晒され、進撃に多大なる影響を与えるのが明白であったからだ。その為にヨーロッパ合衆国軍は犠牲を払う覚悟で第3防衛線イスタンブール空港を破壊しなければならなかった。当初はマルマラ海を使って海上輸送を行おうとしたが、トルコによりダーダネルス海峡が封鎖された為に見送られた。更にはマルマラ海からトルコの亜細亜側への上陸もダーダネルス海峡が封鎖され、船が手配出来ない為に見送られた。

あらゆる手段が封じられた結果、ヨーロッパ合衆国軍は第3防衛線イスタンブール空港を破壊するしかなかったのである。

だがイスタンブール空港はヨーロッパ合衆国の予想以上に要塞化されていた。2048年7月21日にヨーロッパ合衆国軍の侵攻が始まってから僅か13日で、イスタンブール空港の要塞化は凄まじい規模で行われていた。そもそもイスタンブール空港が建設され開港したのは2018年10月29日であった。その当時からかつてのヨーロッパ連合と大日本帝国の対立は行われており、トルコはヨーロッパによる潜在的脅威を感じていた。そしてそれは2025年10月3日のヨーロッパ連合総会で『ヨーロッパ合衆国成立宣言』が満場一致で可決されて、ヨーロッパ合衆国が成立すると直接的脅威に変わったのである。

そこで時のトルコ政府は最悪の事態を想定しヨーロッパ合衆国による侵攻を受けた時の、防衛線構築を行う事にしたのである。かつてのマジノ線がナチスドイツに対して全くの無意味に終わった事から、防衛線は実際に侵攻されてから完成される即応待機型の防衛線となった。既に突破されたが第2防衛線はイェニジェ・クルクラレリ・ババエスキ・ウズンキョプリュ・ケシャンの都市を拠点として、その都市を要塞化し各都市を結ぶ道路に地雷原や戦車バリケード等を設置した。道路の要所要所にはトーチカも構築されており、万全の体制であった。

イスタンブール空港も未だに拡張工事が行われていた事から、要塞化の工事も行われ見た目は民間空港ながら世界有数の大要塞に変貌したのである。イスタンブールの都市そのものも要塞が行われ、第4防衛線として機能するように計画された。全てはヨーロッパ合衆国による脅威がもたらした備えであった。防衛線はトルコの亜細亜側にも十重二十重に計画され、圧倒的な軍事力の差を誇るヨーロッパ合衆国に備えられたのである。

野党や国民はそのような無駄遣いを止めるべきだと声高に非難していた。だが政治とは先を見通す力が必要であり、いつか起きるべき事に備えて対策する事であるのだ。雨の日に傘を用意するのは誰でも出来るが、雲一つ無い晴天の日にいつか降るかもしれない雨に備えて傘を用意する。これが政治家の果たすべき役割なのであり、口だけの非難ばかりで行動しないのはただの政治屋であった。

時のトルコ政府はまさに政治家の集まりであり、断固とした決意で防衛線の計画を推し進めたのである。その結果がヨーロッパ合衆国による侵攻に際して、圧倒的な軍事力の差がありながらトルコが戦い続けられた理由であったのである。』

広瀬直美著

『新世紀最終戦争』より一部抜粋




トルコ軍の十重二十重に構築された防衛線により、ヨーロッパ合衆国軍の侵攻は難航していた。この事態を受けてヨーロッパ合衆国ドイツ州ミュンヘンの大統領官邸で、シャーロット大統領は対策会議を開いていた。このように侵攻が難航する事についてシャーロット大統領は怒りを隠しきれず、国防大臣に詰問していた。

国防大臣はしどろもどろになりながらも、何とか体制を立て直して侵攻を必ずや加速させると言い切った。だがシャーロット大統領はそれを聞いても尚、怒りが収まらなかった。あまりにも国防大臣が頼りないシャーロット大統領は遂に、純粋水爆によるトルコへの核攻撃を宣言したのである。驚くべき宣言に閣僚達は慌てふためいた。まさかの核攻撃宣言である。だがもはやその手段しか残されていないのも事実であった。国防大臣の見込みと違い、トルコ侵攻は難航していた。確かにトルコは大日本帝国等から軍事支援を受けていたが、亜細亜条約機構には加盟していないので核攻撃を行ったとして報復を受ける事は無いだろう。

閣僚達はそのようなシャーロット大統領の説明を受けて、外務大臣でさえ核攻撃に賛同してしまった。国防大臣も事態打開には必要と考えて、核攻撃に賛同。閣僚達全員の賛同を受けて、シャーロット大統領は改めて国防大臣にトルコへの核攻撃を命令したのである。

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